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鶴瓶、カズレーザーが絶賛するウソ漫談芸人・街裏ぴんく 『ラヴィット!』で話題騒然も「いまだコンビニでバイトしてます」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.25 06:00 最終更新日:2023.02.25 06:00
「小学6年のときの担任の先生がね、図工の授業で絵を描くとき、『テーマ、考えてきたから。緑牛(りょくぎゅう)駅』」
運動も勉強もできない “街裏” は、「俺なりの緑牛駅、描いたれ!」と奮い立ち、納得いく作品に仕上げる。しかし、同じくクラスで地味な存在の “桃井” が描いた絵は、街裏の理解を超えたものでーー。
エピソードトークのように語られるウソ話には、リアルな固有名詞がちりばめられ、観客は奇想天外な爆笑世界に連れ去られる。ピン芸人・街裏ぴんく(38)は、ウソ漫談を武器に今日も戦っている。
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178cm、110kgの後頭部は膨らみ、顔立ちもいかつい。だが、幼少期の街裏はおとなしく、いじめられっ子だった。
「幼稚園では、生のアロエを無理やり食わされて気絶したり、最悪でしたね。でも、友達はいなかったけど、彼女はいたんです(笑)。俺は彼女が大好きで、そのコも俺が好きで……幻だったのかな。今、会いたいか? いや、そのコの名前をちょっと変えて、『小野寺美雨 告別式』っていう単独ライブをやりましたから、来られたら気まずいですわ」
だが、小野寺美雨という名前は、街裏が3カ月だけ所属していた事務所のマネージャーの名前だと、ライブでは説明していた。どこまでが本当で、どこからがウソなのか。
「高校時代に、後にコンビ(裏ブラウン)を組む元相方(現・ラッパーのYoung Yujiro)と出会いました。元相方は、当時からラップで大阪・アメリカ村のクラブに出てたんですよ。それで俺も月に1、2回、R&Bを歌うみたいなね。洋楽に、笑いの要素は一切ない『♪君を失った~』とか、オリジナルの歌詞をつけて歌ってました。童貞のクソガキが、モテたいためにやってましたけど、一個もモテへんかった……」
■悪役専門事務所は顔を見た瞬間「合格」
2004年、神戸学院大の一回生のときに組んだコンビは3年で解散。フリーのピン芸人をしていたときに松竹芸能にスカウトされるが、退所して吉本新喜劇への出演を志す。新喜劇のスター・島木譲二に弟子入りを志願するがかなわず、爆笑問題の事務所「タイタン」入りを目指すが……。
「事務所主催の『タイタンライブ』に出られなかったんです。作家に2分のネタを何度見せても笑いが起こらなかったんです。6回めでちょっとウケたけど、それでも無理で……俺はいらんねんなあって」
当時の芸風は、タメ口で怒鳴り散らす “キレ芸” 。ライブ後のアンケートは「怖い」という感想ばかりだった。
「事務所に入れないので、悪役俳優の事務所に電話したんです。武蔵小金井のサイゼリヤで面接があって、オールバックでパンチの効いた社長が、『さわやか白ぶどう』飲みながら待っていました(笑)。俺の顔見た瞬間……『合格』と」
笑いへの思いは変わらなかったが、迷走していた街裏。芸風を確立したのは、現事務所、トゥインクル・コーポレーションに所属した2014年ごろ、新ネタを毎月20本披露するライブでのことだ。
「もともと “ウソ漫談” も少しやっていたんですが、まったくウケませんでした。ところがそのとき、年に240本作ったネタのひとつ『ホイップクリーム』(富山県小矢部(おやべ)市にある、ホイップクリームに舌を突っ込んで舐めることのできる施設を訪れた話)に手応えを感じたんです。あそこからですね」
現在もライブを精力的にこなし、3月18日には「座・高円寺2」(東京・杉並区)で独演会がある。
2月8日に、朝の情報バラエティ『ラヴィット!』(TBS系)でウソ漫談「中尾彬の目撃談」を披露すると、ツイッターでトレンド入りした。
笑福亭鶴瓶からは「いまいちばんおもしろい若手芸人」、カズレーザーからは「日本で5本の指に入るおもしろい芸人」として絶賛されている。
「今も普通に、コンビニでバイトしてますけどね。『ラヴィット!』に出たら、ネットに『街裏ぴんくが朝に見られる世界線』って書かれてて。 “世界線” て(笑)。これで番組にハマって、出続けるのが “売れる” ってことなんでしょうけど。ひな壇、できないんですよ。自分と重ね合わせてるのかもしれないですけど、不器用で変な人を、漫談で描いていきたいですね」
売れたいという欲望も、最後は漫談の話になった。街裏ぴんくはウソつきで、真面目で、正直だ。
まちうらぴんく
1985年生まれ 大阪府堺市出身 2022年、芸歴11年以上のピン芸人の頂点を決める「Be-1グランプリ2022」で優勝
写真・保坂駱駝