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中川翔子「9年しか一緒にいられなかったけど…」父・勝彦さんの“化石”を今も大事に

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.02.25 06:00FLASH編集部

中川翔子「9年しか一緒にいられなかったけど…」父・勝彦さんの“化石”を今も大事に

中川翔子

 

「なんだか、ずっと父の足跡を辿っているような気がするんです。歌うこと、絵を描くこと、猫が好きなこと、演じること……。不思議ですよね、生まれてから9年間しか一緒にいられなかったのに」

 

 中川翔子の父とは、1980年代にビジュアル系アーティストとして活躍した中川勝彦さん。1992年に急性骨髄性白血病を発症し、1994年の夏に32歳の若さでこの世を去った。

 

 

「これも、そうなんです」

 

 と、しょこたんが愛おしそうに取り出したのは、アンモナイトの化石。

 

「10年くらい前に、化石にハマったんです。国立科学博物館に見に行ったり、化石専門ショップで集めたりしていたら、祖母が『あら、そんなのあなたのお父さんがいっぱい持ってたわよ』って出してきてくれて、ビックリしましたね~。またか! って(笑)」

 

 しょこたんが小さいころ、勝彦さんは多忙で、病気を患ってからは入院生活が長かったこともあり、一緒に何かをしたという記憶は断片的にしか残っていないという。

 

「私は、自分が生きた証しを残したいとすごく思っているんですけど、化石って最強の生きた証しですよね。このアンモナイトは、たぶん数億年前のものなんですけど、こうやって手のひらに載せると、この子とそして父が生きた証しを感じられる気がします」

 

 生きた証しーー。

 

 2月22日にリリースする、デビュー20周年記念のベストアルバムも、そのひとつだ。

 

「人生で2回もベストアルバムを出せるなんて、歌がある人生でよかったと思える大きな節目になりました。歌があったから、いろいろなことを続けてこられた。歌の力ってすごいですよね。人生を変える力があるし、魔法みたい。目には見えないのに確かに存在していて、レベルが上がっていくと威力を増す」

 

 しょこたんが言う「レベル」とは、年齢のこと。確かに、人は経験値を積んでレベルが上がると、感情の引出しが増える。

 

「私はレベルの公表をやめたんですけど、実際には父が亡くなったときの年齢を超えてしまいました。私は30代になってからのほうが『生きててよかった』と感じることがいっぱいあるので、父はまだやりたいことがたくさんあっただろうなと思います。私が思いを引き継ぐことで、父と一緒にやっていけたらなと」

 

 一緒にやりたかったことのなかにYouTubeがある。

 

「絶対に父が好きな発信スタイルだと思うんです。父は昭和よりもネットが普及した現在のほうが、やりたいことができたと思います。その点、私はブログのおかげで皆さんに知ってもらえたし、今やってるYouTubeチャンネルも、本当に自分に合ってる発信スタイルだと感じています」

 

 しょこたんがYouTubeチャンネル「中川翔子の『ヲ』」の配信をスタートしたのは、2020年4月。コロナ禍で仕事が激減したのがきっかけだったという。

 

「それまでも、ステージに立つたびに、テレビに出るたびに『これが最後かも』と覚悟しながらやってきていたけど、あのときは、ついに終わった……と落ち込みまくりました」

 

 以前から興味はあったので、一念発起して動画配信を始めてみたら……。

 

「ええっ、何これ、超楽しい!って、ブログを始めたころのキラキラが戻ってきました」

 

 現在、チャンネル登録者数は約96万人。「好き」を語り、新たなことにチャレンジするしょこたんの姿は、ファンにとっても元気の源だ。

 

 そして昨年、コロナ禍で開催できなかったファンイベントが3年ぶりに復活。ネットでしかふれ合えなかったファンと、直接会う機会も持てるようになったという。

 

「誰も来なかったらどうしようって怖かったんですけど、めちゃくちゃいっぱい来てくれて。ファン同士で結婚した方が『前回のとき、お腹にいた子なんです』って、小さい子の手を引いて来てくれたりと、涙が出るほど感動しました」

 

 いちばん嬉しいのは、子供たちが「しょこたんみたいに歌いたい」「声優になりたい」って夢を語ってくれることだという。

 

「夢を持つことは最強です。子供はもちろん大人も。『好き』や『やってみたい』は、かなえるためにはどんどん発信したほうがいい。そうしたらきっと、何かが動きだすから」

 

 しょこたんの「夢」は?

 

「好きなことのクオリティを上げていって、いつか貫禄を身につけたいです。絵をもっと描きたいし……保護猫のためにもっといろんなことをやりたい。私が頑張れているのは、猫たちがいてくれるからというのが大きいから」

 

 夢に向かって走り続けるしょこたんのそばには、きっと父・勝彦さんが寄り添っているに違いない。

 

なかがわしょうこ
5月5日生まれ 東京都出身 2002年「ミスマガジン2002」で「ミス週刊少年マガジン」を受賞。2004年にスタートした「しょこたん☆ぶろぐ」が話題になり書籍化され、2006年に『Brilliant Dream』で歌手デビュー。デビュー20周年を記念したベストアルバム『超!しょこたん☆べすとーー(°∀°)ーー!!』を2月22日にリリース

 

写真・中村 功
取材&文・工藤菊香

( 週刊FLASH 2023年3月7日号 )

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