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中尾明慶、俳優・情報番組MC・YouTuberとして…「どうなるかよくわからないことを始めるのは最高に楽しい」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.26 11:00 最終更新日:2023.02.26 11:00
「ここは実家じゃないですが、週に1、2回は来る場所。家族でフラッと入ってみたら、偶然にも店長が古い知り合いだったんです。店長はかつて『3年B組金八先生』の生徒役で、僕の2シリーズ前に出演されていた方。撮影現場や、生徒OB会で何度も会っていたんです」
中尾明慶はハンバーガーを豪快に頬張りながら、東京・幡ヶ谷にある「HOFF(ホフ)」に通い始めたいきさつを振り返った。中尾はこの「国産和牛チーズバーガー」がお気に入りだ。
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「和牛ハンバーグ自体が単品でも食べたいくらい美味しい。うちの母親を連れて来たら『ファストフードより美味しい』と喜び、『当たり前です!』と店長に怒られてました」
中尾は2000年にドラマ『ママまっしぐら!』(TBS)で子役としてデビュー。以降『金八先生』『GOOD LUCK!!』(2003年、TBS)など話題作に出演してきた。だが、子役時代は「俳優としての自覚はなかった」という。
「真剣に演じてはいましたが、まだ『芸能界にはいろいろなお仕事がある』くらいの印象で、自分が役者という意識はなかったです」
その意識を変えたのは、『ウォーターボーイズ2』(2004年、フジテレビ)で出会った同世代の俳優たちだ。
「16歳で『ウォーターボーイズ2』に出演したとき、共演者の市原(隼人)くんを強く意識しました。年齢も少し上で、いつも自分の一歩、二歩前を進んでいるような市原くんの姿に刺激を受けたんです。
その後、『ROOKIES』(2008年、TBS)でも共演したのですが、演技ではいつもぶつかっていった感覚があります。いい意味で、ライバル視していました。ガチな喧嘩をしたこともあります。演技論ではなく『足踏んだ』みたいな些細なことで大喧嘩しましたね(笑)」
ドラマ、映画に出演するたびに武田鉄矢、長渕剛、明石家さんま、木村拓哉ら、そうそうたる共演者からも多くのことを学んだ。なかでもドラマ『はだしのゲン』(2007年、フジテレビ)で中井貴一と共演したことが、中尾の俳優人生に大きな影響を与えたという。
「若いころに中井さんと出会ったのは僕にとって大きいですね。中井さんは俳優として絶対的な安心感があるんです。こちらの下手な芝居も上手に見せてくれるという俳優のすごみを感じさせてくれたのが中井さんです」
出演作、共演者にも恵まれ、順調にキャリアを重ねていったように見える中尾だが、20代中盤にさしかかったころ、スランプに陥った。
「『ROOKIES』が終わってから数年間は、自分の中でスランプを感じていました。学園ドラマは若い俳優たちが台頭してきて、24、25という年齢的にも無理がある。サラリーマン役といっても先輩たちがたくさんいらっしゃる。自分と同じ年齢の、たとえば専門学生役なんてあんまりない。仕事のオファーも減った気がするし、自分の立ち位置が中途半端な気がしていました」
■BIG LOVEはしくじった……
俳優として暗中模索していた中尾に大きな変化が訪れた。2013年、女優・仲里依紗と電撃結婚した。
「自分の中で『仕事がちょっとうまくいかない』という時期に、結婚して父親になったんです。うちの奥さんは出産で仕事を休まなければならないので『仕事がなくなったら、どうしよう』とか、焦りもありました。ただ、親になり責任感が生まれ、本当の意味で大人になったと思います。スランプなんて言ってられなくなりました」
この結婚発表以来、中尾はさらに注目を集めるようになった。中尾と仲がSNSで発信する「夫婦の話題」は、ほぼ連日ネットニュースとなった。いまや2人は「日本一おもしろい役者夫婦」としても認識されている。
「最初のアレが……シクッたんですよ。本当は夫婦の写真だけ公開して、コメントなしみたいな、おしゃれなカッコいい役者夫婦路線でいきたかったんです。でも、結婚発表文で大失敗しました。2人で文章を必死に考えて『二人の合言葉はBIG LOVE。この言葉を大切に人生を歩んでいきます』と発表したら、皆さんに失笑されて大スベり。それ以降、僕ら夫婦が発信すると、すべて “ネタ” になってしまうんです。おもしろ夫婦みたいになっちゃって、イメージ修正はもう無理です」
夫婦のおもしろさは撮影現場でも話題になるという。
「ドラマや映画の撮影現場に入ると共演者に『昨日の夫婦喧嘩、すごい大変だったみたいだね』『奥さん、髪色真っ赤にしてすごいね!』とか言われちゃって……。プライベートな情報がすべてネットニュースになってるんです(笑)。しかも、全部本当のことなんで、もう僕たち夫婦は、何も隠し事がないんです」
夫婦のプライベートが話題になればなるほど、中尾は俳優としての自身の立ち位置を冷静に見極めるようになった。
「自分の状況は常に客観視しているんです。子役からの20年間より、これからの20年間のほうが俳優として生き残っていくのは大変だと自覚しています。時代的には個の発信力も役者には必要。その武器を持ちつつ、役者としてもステップアップしていけたら、これからの役者人生も楽しくなると思います。今の自分の世間への露出は、アンバランス。これだけ私生活で遊んで、ハジけて話題になっているからには、役者の仕事に真剣に向き合って、観てくれる方を納得させたいですね」
「演じること」を中尾はこうとらえている。
「自分の素というか、全部をそのまま見せているタイプの役者だと思います。芝居をするときにひとつ心がけているのは、嘘をつきたくないということです。
もちろん、実際には台本があって、演技をするのですが、そこに自分が嘘だと思える感情を入れて演じたくないんです。役者として、僕自身と役がしっかりと溶け合った演技を発信していきたい」
役者として未来像もある。
「ネットフリックスの配信ドラマ『First Love 初恋』など、最近関わらせていただいた作品の質は本当に高く、配信ゆえに世界にエンタテインメントとして発信していける。
役者は作品のパーツのひとつなので、どのような役を演じたいという希望はないのですが、常に質の高い作品に関われる役者でいたいですね」
役者としての未来を描きつつ、初挑戦として、情報バラエティ『プチブランチ』(TBS系)ではMCを務めている。
「これまでMCをやられている役者さんもたくさんいる。司会の仕事がどのように転んでいくかも僕自身わからないですが、そういう道の分岐点に立てる機会もなかなかないと思います。試行錯誤しながらも、毎日楽しんでいます」
なかおあきよし
1988年6月30日生まれ 東京都出身 『3年B組金八先生』(2001年、TBS)で注目を集める。近年のおもな出演作は、ドラマ『PICU 小児集中治療室』(2022年、フジテレビ)、『First Love 初恋』(Netflix)、『六本木クラス』(2022年、テレビ朝日)、映画『そして僕は途方に暮れる』(2023年)など。情報バラエティ番組『プチブランチ』(毎週月曜~木曜 9:55~10:25、TBS系)では、初のMCを担当中
【HOFF】
住所/東京都渋谷区初台2-11-11
営業時間/11:00~23:00
定休日/月曜日
写真・木村哲夫
ヘアメイク・加藤由紀