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長谷川博己「下積み時代にアルバイトせず」の役者一路
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2017.07.18 20:00 最終更新日:2017.07.18 20:00
TBS系ドラマ『小さな巨人』が、最終回で自己最高の視聴率16.4%を叩き出していたころ、東京駅近くではドラマの打ち上げパーティが開催されていた。お茶の間の視聴者と、パーティに参加していた俳優陣、スタッフが、熱い視線で見つめていたのは一人の男、主演の長谷川博己(40)だ。
「『半沢直樹』のプロデューサー&監督が手がけるとあって、長谷川のプレッシャーは相当なものだった。だが、 主人公の葛藤や苦悩を見事に演じきり、評判も上々だ」(芸能プロ関係者)
熱演を可能にしたのは、挫折のなかから這い上がってきた長谷川自身の“ノンキャリア”な経歴だった。
もともと長谷川は、映画監督志望だった。3歳の頃からよく父親に連れられて映画を観ていたという。高校生になる頃には年間100本を見るほど。目指す監督は、長谷川の大好きな『インディ・ジョーンズ』シリーズを作ったスティーブン・スピルバーグだった。
映画監督になるべく芸術系大学を受験したが、高倍率のため失敗、中央大学へ。大学4年生のときに、知人に舞台に誘われ出演することになる。これが俳優の道へ進むきっかけとなった。
「大学卒業後、一般企業勤務を経て、劇団研究生として演技を学んだ。下積み時代は、芝居に専念するためアルバイトをせず、金銭的には苦しかったようだ」(演劇関係者)
転機は、28歳で出演した蜷川幸雄演出の舞台。これを機に映像でも活躍する道が開けるが、世間の脚光を浴びるには、さらに5年後のドラマ『セカンドバージン』(NHK)までかかった。
2011年に長谷川は『家政婦のミタ』に出演、ドラマの大ブレイクとともに、一躍有名になった。
2016年、映画『2重生活』の舞台挨拶では共演者のリリーフランキーとの数奇なエピソードを披露している。長谷川は学生時代に出版社でアルバイトをしており、原稿回収の相手がなんとリリーだったというのだ。その後、リリーは石井輝男監督の映画に初主演することになるのだが、このオーディションに長谷川は落ちていたそうだ。
『小さな巨人』の伊與田英徳プロデューサーは、雑誌の取材で本作での長谷川についてこう答えている。
「芝居に迫力がある。〈中略〉(窮地を顧みない部下思いのやさしさは)長谷川さんにしか出せない」
出世より志。その覚悟で俳優を続けてきた長谷川以外に、「小さな巨人」は務まらなかった。
(週刊FLASH 2017年7月11日号)