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ドラマ『大奥』に女性視聴者ゾクゾク 冨永愛、堀田真由、仲里依紗の“扇子で顎クイッ”シーンに感じるNHKの“本気”
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.06 06:00 最終更新日:2023.03.06 06:00
《いいの? NHK? エロすぎない?》
SNSに、こんな書き込みが溢れている。1月から放送されているドラマ10『大奥』に、NHKが“本気”すぎると絶賛の声が集まっているのだ。
ドラマは、若い男子のみに感染する奇病が蔓延し、男性人口が激減した江戸時代が舞台。三代将軍・徳川家光以降、将軍職も女子に引き継がれ、大奥に美男子3000人を囲うように……。話題作を、女性識者たちはどう観ているのか。ドラマのノベライズや評論を数多く手がける木俣冬さんが語る。
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「今回、性的表現が多いことで、NHKが“攻めている”と評判になっていますが、スポンサーを気にする必要のないNHKだからこそ、放送できたのだと思います。また、ジェンダー平等や少子化問題といった、現代に通じる問題を“男女逆転”という設定にすることで、正面から描き切っています」
タレントで『KPOP三昧』(FM854)パーソナリティのローバー・美々さんは、毎回の放送を楽しみにしているひとりだ。
「将軍が好みの男性を物色し、快楽や優越感を得るだけのストーリーかと思っていたのですが、観てみると、権力を持つ将軍の苦悩や、刹那的な心のありようが丁寧に描かれていました。将軍から寵愛を受けようとする男性大奥は、現代のホストクラブの方々やアイドルの姿と重なりましたね」
冨永愛演じる徳川吉宗や、家光役の堀田真由が登場していたときは、純愛ドラマとして、ときに涙しながら観ていたローバーさん。しかし、仲里依紗が演じる綱吉が登場すると、そのシフトチェンジぶりに仰天したという。
「仲さんが登場するようになったとたん、ラブシーンが激しくなったのです。綱吉が『私の体に溺れるのが恐ろしいのじゃ』と、吐き捨てるように語るシーンにもゾクゾクしましたが、2月14日放送回の濡れ場は圧巻でした。汗だくでラブシーンを熱演したあと、慟哭するシーン。女優というより、女性としての限界ギリギリ、心の叫びを聞いてしまいました」
コラムニストの辛酸なめ子さんは、1月10日放送回では冨永が、1月17日放送回では堀田が演じた、扇子で相手男性の顎をクイッと持ち上げるシーンに着目する。
「仲さんも、2月14日放送回でこのシーンを演じたのですが、綱吉の威圧感がそのまま“Sキャラ”になっていて、右衛門佐(えもんのすけ 演・山本耕史)を扇子でぶつシーンは、SMプレイのようでした。
綱吉はつねに汗ばんでいて、ほつれた髪や赤いアイメイクも色っぽくて、濡れ場の伏線のようで期待させます。将軍として君臨し、命令する姿と、ラブシーンで喘ぐ姿のギャップもエロいです」
江戸文化への造詣が深い歴史ライターの加唐亜紀さんは、『大奥』のエロさが受け入れられた理由をこう分析する。
「1月10日の初回放送では、冒頭からHey! Say! JUMPの中島裕翔さん演じる旗本の息子と、幼馴染み(白石聖)とのキスシーンがありました。しかし、江戸時代は、結婚前の男女が一緒に歩く、ということはなかったと考えられています。愛情表現としてのキス(口吸い)は当時からありましたが、道の真ん中ではしないでしょうね。
でも、『大奥』を目くじらを立てて観るのはナンセンスでしょう。時代劇でのキスシーンは新鮮ですし、女性視聴者の心を一瞬で鷲掴みにしたわけですから」
原作が少女漫画誌に連載されたことからもわかるように、『大奥』の視聴者は女性が多い。作家の岩井志麻子さんが、女性とエロについて語る。
「『大奥』のエロは豪華絢爛ですが、けっして“むき出し”ではありません。そこが、日常の制約や規則に疲れた女性視聴者が『大奥』に逃避したくなる理由でしょうね。
実際の江戸時代って、案外、女性が主導権を握っていたと思うんです。私が、何度も小説に描いてきた『夜這い』も同じ。女将軍は世継ぎを産まなければならないプレッシャーがあるのでしょうが、女性が主導権を握り、若い男と気持ちよくなれる時代に憧れがあるのだと思います」
とはいえ、『大奥』は男性が観ても楽しめることはおわかりだろう。2月28日から、ドラマは冨永演じる「吉宗編」に突入している。しかし、今後も仲の濡れ場シーンは、「NHKオンデマンド」「U-NEXT」などで観ることができる(基本的に有料)。
「再生バーを操作して、官能シーンばかり観て楽しむ方もいそうですね。今回の『大奥』は、NHKで初めてインティマシー・コーディネーター(専門知識をもとに、性的なシーンの撮影をサポートするスタッフ)が入ったことでも話題です。その分、仲さんも吹っ切って演じていますし、見えそうで見えないところも、逆に視聴者を興奮させているような気がします」(辛酸さん)
早くも、今秋には「シーズン2」が放送されることが決定。NHKの“本気”を感じよう。