アイドル卒業後の出口戦略として、アイドルとしての魅力のほかに、付加価値をつけておくことも重要だ。
HKT48の指原莉乃はその一例で、すでにバラエティでの地位を確立しており、いつ卒業しても問題ないだろう。そして、NMB48の現役メンバーで、今年の総選挙で16位になり、選抜入りした吉田朱里も、すでに大きな付加価値を持っている。
昨年、YouTubeに個人の公式チャンネルを開設し、アイドル兼ユーチューバー宣言。自主企画「アカリンの女子力動画」で、自ら撮影と編集を担当し、メイクやヘアアレンジを紹介する動画を週に2回のペースで配信している。いまではチャンネル登録数が30万を突破、女性ファンが非常に多い、人気ユーチューバーである。
彼女のメイク方法や、使っている道具をマネする視聴者も多い。なかには「アカリンの動画を見てたら物欲爆発してきて、近所のドラッグストア週一で通うようになった」という声もあり、世の中の消費活動の促進にまで寄与するほど。
7月18日に発売したフォトブック『IDOL MAKE BIBLE@アカリン』も、売上好調。7月20日に行った発売記念イベントでは、2回目の重版がサプライズ発表され、喜びを露わにした。
版元によると、すでに3万7800部を売り上げている。フォトブックの帯には「YouTube登録数27万人!」と記載されており、出版までの短期間で、どんどん登録者数が増えたことがわかる。
これだけのフォロワーがいれば、おそらくアイドルでなくなったあとも、メイク情報を発信する仕事を継続できるだろう。
日本製のコスメ商品のなかには、世界的に人気なものもあり、アジア圏で売れている日本のファッション雑誌もある。こういった土壌を考えると、日本のメイク情報を海外に発信することで、世界的に活躍できる可能性もある。
アイドルでいるうちに、卒業後も活用できる付加価値をつけておく。芸能活動を継続したいのであれば、目の前のファンを大事にしつつ、その後の戦略を考える必要があるのだ。