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山田裕貴『ペンディングトレイン』設定は過去の名作に似ているが…「予測不能」な仰天展開に期待

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.04.28 11:00FLASH編集部

山田裕貴『ペンディングトレイン』設定は過去の名作に似ているが…「予測不能」な仰天展開に期待

 

 エンタメ業界では、これまで星の数ほど映画やドラマが生み出されてきたため、やはり今の時代にエポックメイキング的な作品を生み出すのは、かなり難しいのかもしれない。

 

 ――それが先週金曜にスタートした山田裕貴主演『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』の第1話を観終わった時点の感想だった。

 

『ペンディングトレイン』を一言で説明するなら、サバイバル系SFドラマ。

 

 

 ある朝、都心へと向かう電車の1車両が、激しい衝撃とともに突如として荒廃した世界にワープしてしまい、たまたま乗り合わせた68人の乗客のサバイバル生活が幕を開けるというストーリー。

 

 ここからは第1話のネタバレと、ほかにも過去の名作のネタバレありで解説していくので、ご注意いただきたい。

 

■【ネタバレあり】乗客たちが飛ばされた世界は…

 

 いきなりネタバレをするが、乗客たちが飛ばされた世界は30年後の未来だった。第1話の終盤で、乗客の1人が廃墟化して砂漠に埋もれている東京スカイツリーと見慣れぬ超高層ビルを発見。この超高層ビルというのが、2026年完成予定のビルであったことなどから、自分たちがいるのが未来世界だと悟ったところで終了した。

 

 ただ、もともと公式サイトの作品紹介欄に「未来の荒廃した世界にワープしてしまう」と記述があったので、この事実もネタバレというほどのものではないのかもしれない。

 

 さて、筆者は第1話視聴前に公式サイトを確認していなかったため、登場人物たちと同じタイミングでこの世界が未来であることを知ったのだが、さほど驚きはなかった。

 

 個人的な事前予想としては、実は現実の乗客たちは電車事故に巻き込まれ瀕死の状態で同じ夢を見ているだけか、もしくは何かの拍子で別の世界線か未来に飛ばされたのだろうと思っていたので、いくつか想定していた展開のうちのひとつだったからである。

 

■過去の作品から予想、あの名作にそっくりだった

 

 誤解しないでもらいたいのだが、筆者は自分の予想が的中したことを自賛したいわけではない。過去の作品を振り返れば、そういった予想は容易にできたと言いたいのだ。

 

 たとえば、登場人物たちが実は生死の狭間にいるというのは、2010年のドラマ『熱海の捜査官』(テレビ朝日系)や、Netflixでドラマ化された漫画『今際の国のアリス』の設定だ。

 

 そして、飛ばされたのが未来世界だったというのは漫画『漂流教室』と、それをもとにしたドラマ『ロング・ラブレター~漂流教室』(フジテレビ系)の設定と同じである。正直、あまりに『漂流教室』とそっくりだと感じたので、エンディングのクレジットになんらかの形で『漂流教室』が表記されるのではないかと思ったほどだ。

 

 もっと言ってしまえば、今から半世紀以上前、1968年公開の映画『猿の惑星』にも似ており、『ペンディングトレイン』で廃墟化した東京スカイツリーを出したのは、『猿の惑星』のオマージュだったのかもしれない。

 

■先人がまだ踏み込んでいないアイデアはもうない?

 

 筆者はSF設定を土台にしたサバイバルサスペンスのような作品が大好物なので、今期のドラマのなかで一番期待していたのが『ペンディングトレイン』だった。そのため、設定がまるっきり『漂流教室』だったことに、ちょっとガッカリした感情が芽生えたことは否定しない。とはいえ、本作を『漂流教室』のパクリだと糾弾するつもりもない。

 

 長いエンタメ業界の歴史のなかで、国内外で数多の作品が作られ、いくつもの名作が生み出されてきたのは誰もが知るところ。だから過去のどの作品とも一切カブっていない唯一無二のアイデアなんて、なかなか思いつくものではないことは知っている。

 

 エポックメイキングとなるようなオリジナリティある斬新なストーリーは、もうなかなか生まれてこない時代に突入しているのだ。先人がまだ踏み込んでいないまっさらな “雪原”(アイデア)なんて、もはやないのかもしれない……とさえ思う。

 

■それでも予測不能な展開になっていくことを期待

 

 しかし、それでも『ペンディングトレイン』には、まだ想定外のどんでん返しが用意されているのではという希望も残っている。まず、飛ばされたのは未来世界でしたというのは、従来なら物語中盤以降で明かすような設定だと思うのだが、本作では公式サイトに最初から公表していたし、劇中でも早々に登場人物たちの知るところとなっている。

 

 このようなタネ明かしを出し惜しみしていないにもかかわらず、公式サイトには「予測不能のヒューマンエンターテインメント」と記されているのだ。そのため、まだまだ物語が二転三転したり、とんでもない衝撃事実が用意されていたりするのではとの期待も膨らむのである。

 

 第1話の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は7.6%で、TVerのお気に入り登録者数は43.1万人(4月25日現在)。今のご時世で考えれば悪くないが、ヒットと呼べる数字でもない。

 

 第1話の段階では予想の範疇を出なかったが、今夜放送の第2話以降で、公式が謳っているように “予測不能” な展開になっていくことを楽しみに待ちたい。驚きに次ぐ驚きのストーリーになっていけば、多くの視聴者がグイグイと引き込まれていくに違いない。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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