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元宝塚トップスター瀬奈じゅんが語る「宝塚とAKB48は同じ」説

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2017.08.10 16:00 最終更新日:2017.08.10 16:00

元宝塚トップスター瀬奈じゅんが語る「宝塚とAKB48は同じ」説

 

 元宝塚男役トップスター・瀬奈じゅんが、キャリア25周年を記念に、FLASH初インタビュー。【廊下は直角に曲がる】【レンジの「チン」の音を出してはいけない】など、厳しすぎる宝塚音楽学校時代の話から、「宝塚におじさんがハマってしまう理由」まで、自身のキャリアを振り返りながら、赤裸々に語ってもらった!

 

 

■幼少期にアキレス腱を切って、バレエを始めた

 

——瀬奈さんは、どんな幼少期だったのでしょうか?
「東京都杉並区出身です。あんまり人前に立ったり、目立ったりするのが好きじゃなかったです。小さい頃から運動神経がよかったけれど、体を動かすのは好きじゃなかった。特にスポーツが好きじゃなかった。ドッジボールをやると、最後まで逃げちゃうタイプでしたね。たまにムキになって当ててくる男子がいるんですけど、ボールを取っちゃったりもするので。結果として目立っちゃってたんでしょうね(笑)。唯一、クラシックバレエは幼稚園の年中からやっていましたね」

 

——バレエを始めたきっかけは何だったんでしょうか?
「幼稚園に上がる前、自転車のタイヤに足を挟んでアキレス腱を切ってしまったんです。でも手術は成功して、ぶちっと完全に切れてしまったぶん、治るときには、むしろ人より丈夫になったんです。ただ、そのぶん腱が短くなってしまったので、伸ばすような運動がいいとお医者さんに勧められて。母がやっていたのもあったので、リハビリを兼ねてバレエを始めました。当時は、今みたいな梅雨の時期や、急に走ったりすると、痛くなりましたね」

 

——宝塚を目指そうと思ったのは?
「けっこう背が伸びちゃったんです(現在身長168cm)。トウシューズを穿くと男性より大きい。体格も大きいので、バレエのキャラクターが限られるんですね。たまたま通っていたバレエ教室に、『宝塚受験クラス』というのがあって。小さい頃も宝塚を見ていたし、いいかなと思って。凄い憧れがあったとか、大ファンとかではなかったですね。劇団に入ってから大ファンになりました。なんて素敵なところに入ったんだろうと」

 

■宝塚学校の入学式、笑いが我慢できず……

 

——宝塚音楽学校に入ったのは何歳だったんですか?
「高校1年生の終わりに受験して、2年生からの2年間、通いました。宝塚の受験のチャンスは、中学卒業のとき、高校一年生の終わり、高校二年生の終わり、高校卒業のときの計4回あるんです。人によって毎年受ける方もいるので、宝塚音楽学校に入学したときの、同期の年齢はバラバラです。私は40人の同期の中でも、下から3番目の若さでした。同期の中では上下関係はないです。同じ高校から、私と同じ時期に合格した人もいましたが、先輩でした。なんか最初は変な感じでした」

 

——上下関係がとても厳しいと聞きますが。
「入学初日から始まります。宝塚音楽学校には下級生の予科生と、上級生の本科生の2学年しかありません。まず入学式のあと、オリエンテーションみたいな感じで、本科生が予科生を指導する『対面式』があります。講堂に入ってくる姿勢や歩き方ひとつで、まず注意されます。予科生と本科生にわかれて円になって向かい合うのですが、立つときに足の角度が60度にならなくてはいけない。たまたま、私の横に立っていたコが60度より開いていたんです。先輩に『〇〇さん、立ち方が違う。脚開き過ぎ』と怒られて。すると、予科生全員で『すみませんでした』と、皆で謝らなくてはいけないんです。謝ったあと、隣のコが60度くらいに直したら『勝手に直さないで―!』って、怒られるんです。『失礼します。足の角度を直させて頂きます』と許可を取らなくちゃいけないんです」

 

——いきなり凄い緊張感ですね
「それが、私そのとき、おかしくて、ずっと笑いを堪えていたんです」

 

——え? 怒られているときに?
「『なんでこんなことで、本気で怒ってるんだろう?』って考えると笑いが込み上げてきて。すると、注意された隣のコが『すいませんでした』って逆切れ気味に答えて。私、もうその状況に我慢できなくなって笑ってしまって。『土井さん(瀬奈さんの本名)笑ってる!』って凄い怒られました。でも、それがまた笑えてきて(笑)」

 

——ちょっと冷静に物事を俯瞰してみるタイプですか?
「そうかもしれませんね」

 

■駅のホームではひたすら電車にお辞儀する

 

——ほかにも、独特な決まりがあると聞きます。「下級生は、レンジの『チン』の音を出してはいけない」は本当ですか?
「寮生活の中で、あらゆることで音を出してはいけないんです。当時、寮の上の階には予科生、下の階に本科生の部屋がありました。だから寮生活では常にすり足で動かなくてはいけない。下の階に響くので。レンジの『チン』なんてもってのほか。タイマーが終わる直前にレンジのドアを開けます」

 

——「掃除が徹底されていて、備品の位置はミリ単位で決まっている」は?

「本当です。例えば、トイレの掃除担当の人は洗面台のところにお花を一輪、花瓶に活けなきゃいけないんですね。その場所が鏡と鏡のど真ん中に置くとか、タイルの何個目と何個目の間に置くとか。それが少しでもずれてると怒られます」

 

——ほかにはありますか?
「駅のホームにいるときは、走ってくる電車に対して、ずっとお辞儀しなくちゃいけない、というのがあります」

 

——どういうことですか?(笑)
「電車内に本科生が乗っているかもしれないから、ずっとお辞儀するんです。プラットホームに二列になって、待つ。もちろん私語禁止。乗る方向に来る電車、反対側を通過する電車に対しても、とにかく電車が来たらお辞儀します。お辞儀していないところを見られたら、怒られますね」

 

——ちなみに、怒られるときはどう怒られるんですか?
「呼び出されて、廊下に立たされるとか、夜部屋に本科生がお説教にくるって感じですね。先生ではなく、先輩が叱るのが伝統です」

 

——野球の強豪校もビックリの、超体育会系ですね。
「今考えると、すごい『根本的なこと』を教えていたんだと思います。目上の人をたてましょう、何かするときは許可をとりましょう、挨拶をしましょう……社会で生きていくための基本ですよね。よく言われる『予科生は、階段や廊下は直角に曲がらなくちゃいけない』というルールも、本来は『本科生とぶつからないように、とにかく端っこを歩く』というのが基本なんです。目上の人には道を譲りますよね? 廊下の内側を通ると、本科生の邪魔になってしまう。だから『階段や廊下は外側を直角に曲がる』と極端な決まりになるんです」

 

——瀬奈さんはよく怒られたんですか?
「私はあまり怒られなかったですね。『身につけるもの、持つものすべて、茶色か紺か黒』というルールがあるんです。とにかく地味なものにしなくちゃいけない。私は渋谷系女子だったので、それが耐えられず、ワンポイントなら色があってもよかったので、ラルフローレンのポロシャツばっかり着ていました。『どう? これなら怒れないでしょ!』って。生意気な予科生ですよね(笑)」

 

——自分が本科生になったときは?
「後輩を怒ることはほぼなかったですね。私は年齢も若かったので、同期から甘やかされていたので、自由にやっていました。でも怒る方も『自分の言葉に責任を持って、人に言わなきゃいけない、伝えるべきことを言わなきゃいけない』というのは、それも勉強なんだなと思いました。『このことを後輩に注意してきて』と同期に怒られました」

 

——ちゃんと怒れましたか?
「いえ、『多分言われて怒りに来たんだろうな』ってバレてたみたいです。そもそも、後輩からは『ほとんど覚えていない』って言われることのほうが多くて。授業以外は、放課後の個人レッスンなどには行かずに、ずっと寮で寝てたんですよ」

 

——え? レッスン行かなくていいんですか?
「授業さえきちんと行けば、怒られません。ホントに毎日眠くて。『姿を見せないレアキャラ』だって言われていました(笑)」

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