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清野菜名『日曜の夜ぐらいは…』令和版『ビーチボーイズ』になりそうな予感ひしひし…生見愛瑠の成長にも注目

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.05.14 11:00FLASH編集部

清野菜名『日曜の夜ぐらいは…』令和版『ビーチボーイズ』になりそうな予感ひしひし…生見愛瑠の成長にも注目

生見愛瑠の飛躍が楽しみ

 

 表面的には全然違う物語なのだが、反町隆史と竹野内豊がダブル主演して人気を博した往年の名作『ビーチボーイズ』(1997年/フジテレビ系)を思い出した。

 

 清野菜名岸井ゆきの生見愛瑠が演じる3人の女性の友情を描いた『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)のことだ。先週日曜に第2話まで放送されている。

 

 

 それぞれ重く暗い事情を抱えながら、息が詰まるような日々を過ごしている女性たち。

 

 主人公・サチ(清野)は古ぼけた団地で車イスの母と2人暮らし。母の介助をこなしながら、生活費を稼ぐためにファミレスバイトに精を出す苦労人だ。

 

 翔子(岸井)は元ヤンキーで家族に縁を切られており、現在はタクシー運転手をしている。夜勤明けの缶チューハイが楽しみというやさぐれた1人暮らし。

 

 若葉(生見)はかつて裕福だったが、母親は訳ありで一緒に暮らしておらず、田舎の借家で祖母と2人で生活。ちくわぶ工場で働き、生計を立てている。

 

 そんな自らの人生を卑下しているような3人が、とあるラジオ番組のバスツアーで出会い、絆を深めていく物語である。

 

■『ビーチボーイズ』と同じ脚本家・岡田惠和作品

 

『日曜の夜ぐらいは…』の脚本家は、1990年代から活躍し、今なお第一線でバリバリに新作を作り続けている岡田惠和氏。

 

『若者のすべて』(1994年/フジテレビ系)、『イグアナの娘』(1996年/テレビ朝日系)、『最後から二番目の恋』(2012年/フジテレビ系)といった民放ドラマから、『ちゅらさん』(2001年/NHK)、『ひよっこ』(2017年/NHK)といった朝ドラまで数多くの名作を手掛けてきた大御所である。

 

 そんな岡田氏の代表作のひとつが、冒頭であげた『ビーチボーイズ』なのだ。

 

『ビーチボーイズ』は主要キャストが男だし、陰陽で言えば圧倒的に “陽” の作品。対して『日曜の夜ぐらいは…』は主要キャストが女だし、完全に “陰” の雰囲気を漂わせまくっているので、そういう意味では対極。

 

 ただ、自分の居場所を見失った者同士が出会い、友情を育んでいくという土台は一緒である。

 

『ビーチボーイズ』は、基本的に陽キャ受けする要素たっぷりだったが、“ひと夏の海” という限られた時間と空間を切り取った物語であり、“終わり” に向かっていく刹那的な “はかなさ” を内包していた作品でもあった。そのため『日曜の夜ぐらいは…』が描いている切ない演出やしっとりとした空気感は、『ビーチボーイズ』にどこか通底するものがある。作品としての輪郭はまったく異なっているが、『日曜の夜ぐらいは…』は令和版・女性版『ビーチボーイズ』になるのではと予感させるのだ。

 

■めるるは『Popteen』出身者で俳優として初の大成?

 

 さらに、『日曜の夜ぐらいは…』で「めるる」こと生見愛瑠が俳優として “化ける” 気がしている。

 

 ギャル雑誌『Popteen』モデルだっためるる。同誌のモデル出身者は益若つばさや鈴木奈々などタレント化に成功する例が多く、「みちょぱ」こと池田美優や「にこるん」こと藤田ニコルも『Popteen』モデルとしてテレビ出演するようになり、引っ張りだこになっている。だが、バラエティ番組で活躍するタレントは輩出していても、俳優として大成している出身者はほぼいない。

 

 そんななか、めるるは俳優として成功するのではないかとひしひしと感じるのである。昨年放送の『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)や、現在放送中の『風間公親―教場0―』(フジテレビ系)にゲスト出演した際は、SNSなどにめるるの演技を絶賛する声があふれていた。

 

 両作とも、バラエティ番組でふだん見せている明るいキャラクターとは異なり、影のあるシリアスな役どころだったため、そのギャップが際立ったこともあったのだろうが、ナチュラルな演技に釘づけになった視聴者が多かったのだ。

 

 そして、『日曜の夜ぐらいは…』の主要キャラ3人のうち、清野と岸井は演技派俳優として知られているため、肩を並べてキャスティングされたことも大きい。“俳優・生見愛瑠” としての箔がついたと言えるだろう。

 

 実際、清野と岸井の演技合戦でも浮くことなく、自然に馴染んでいるので、やはり俳優としての地力が高いことがわかる。演技の道で着実にステップアップしてきためるるが、本作で役者として飛翔するかどうかも見どころだ。

 

 ――今夜放送の第3話では、3人で買った宝くじに1等3000万円の当たりがあったことに端を発するエピソードを描くようだが、ストーリーにもキャストの演技にも注目して楽しみたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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