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市川猿之助、両親の死因は「向精神薬中毒の疑い」現役薬剤師が解説「致死量を処方することはありえない」

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.05.20 15:35FLASH編集部

市川猿之助、両親の死因は「向精神薬中毒の疑い」現役薬剤師が解説「致死量を処方することはありえない」

現在は警察による事情聴取がおこなわれているという(2020年、写真・Pasya/アフロ)

 

 5月18日、歌舞伎俳優の市川猿之助の両親(市川段四郎さん夫妻)が病院に搬送され、死亡が確認された。猿之助も意識がもうろうとした状態で発見され、病院に搬送されて入院していたが、現在は退院している。

 

 警視庁は両親の遺体の司法解剖をおこない、19日、死因をともに「向精神薬中毒の疑い」と発表。猿之助は警察の聴取に対し、「死んで生まれ変わろうと話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と話しているという。

 

 

 そもそも、向精神薬とはどのようなもので、どのようにして死に至るのか。現役の薬剤師で、医療ジャーナリストの吉澤恵理氏に聞いた。

 

「向精神薬とは、中枢神経に作用し、精神機能に影響を及ぼす薬物の総称です。精神疾患がない場合でも、抗不安薬(おもに神経症の治療薬)や睡眠薬(おもに不眠症の治療薬)などは、一般診療科でも頻繁に使われます」(吉澤氏・以下同)

 

 どれくらいの量を服用すると、死に至るのか。

 

「一般に処方される睡眠薬や抗不安薬は、安全性が高く、致死量はその薬剤によっても異なりますが、数百錠~数千錠以上と、かなりの量を服用しないと死に至ることはありません。しかし、これは健康な人の場合であり、高齢で肝機能が低下している場合などは、少ない量でも死に至ることがあると思います」

 

 一概にはいえないとはいえ、一般の家庭が数百錠もの向精神薬を保有していることがあるのだろうか。また、薬局でそれだけの量が処方されるケースはあるのだろうか。

 

「ひと昔前まで睡眠薬として処方されていた、バルビツール系、ブロモバレリル尿素、バルビツール系と抗精神病薬との合剤などは、適正量と致死量の幅が狭く、安全性も低いため、乱用される危険性があり、最近ではほとんど処方されることはありません。製造中止になった薬もあります。

 

 また、一般的にもよく知られている『デパス』や『ハルシオン』『セルシン』などは、処方できる日数が30日と制限されていますので、一度に多量を処方することはありません」

 

 吉澤氏は、向精神薬で死に至った事例に遭遇したことはあるのか。

 

「正直なところ、私自身が病院に勤務していたときに、向精神薬のみで死に至った方はいません。数十錠、飲んだ時点で中枢神経が抑制され、起きていることはできませんので、発見、救急搬送されて助かる方がほとんどでした。猿之助さんももし服用していたとしたら、途中で意識がもうろうとし、致死量を飲むことはできず、発見された可能性があります」

 

 現在は警察による事情聴取がおこなわれているというが、猿之助の精神的ケアをまずは優先してほしい。

 

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( SmartFLASH )

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