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若林正恭と山里亮太を描いた『だが、情熱はある』が不発…根本原因は「2人の物語が交わらない」もどかしさ
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.21 11:00 最終更新日:2024.07.23 13:31
低視聴率にあえぎ、TVerなどの見逃し配信でもあまり話題にならず……。今さらながら、なかなか難しい題材だったのだと思わされる『だが、情熱はある』(日本テレビ系)。
オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太の半生を描く、実話ベースの青春サバイバルドラマ。若林役をKing & Prince・髙橋海人、山里役をSixTONES・森本慎太郎という人気のジャニーズタレントが演じている。
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先週日曜に第6話が放送されたが、第1話から第6話までの世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は4.7%、4.7%、3.7%、3.6%、3.3%、3.7%と低水準で推移。視聴率至上主義が過去のものになっているとはいえ、いまでも人気を測る指標のひとつになっていることは間違いないので、この数字はさすがにまずい。
また、現在はリアルタイム視聴せずに見逃し配信で視聴している人も多いが、見逃し配信での人気の指標となっているTVerのお気に入り登録者数は、55.5万人(5月18日現在)とそこまで伸びていない。
時期が違うため単純比較はできないが、前クールの同じ枠で放送されていた『ブラッシュアップライフ』はTVerで100万人を突破していたので、『だが、情熱はある』の不発感は否めない。
■2人が揃っているシーンが少なく爆発力に欠ける
若林と山里はゴールデン番組や朝の情報番組でMCを務める人気芸人ではあるが、これまでに芸人で映画化やドラマ化されてきたビートたけしや明石家さんまといったレジェンドと比べれば、まだまだひよっこ。
製作する日テレだって若林と山里がまだ国民的芸人ではないのは承知のうえで放送しているだろうから、端から視聴率などの数字はあまり気にせず、“刺さる人に深く刺さってくれればOK” というスタートだったはず。
けれど、そんな前提があっての企画だったとしても、さすがにこの反響の薄さは看過できないのではないだろうか。日テレとしてはこういった振るわない状況も想定はしていただろうが、想定のなかでは最悪に近いのではないかと思う。
中盤回になって、このドラマがそもそも難しいテーマだったということが、かなり露呈している感があるが、その最たる理由はメイン2人のからみが非常に少ないということではないか。
本作は、2人がそれぞれブレイクして世に出た後の2009年に、日テレプロデューサーに引き合わされたシーンや、番組『たりないふたり-山里亮太と若林正恭-』(日本テレビ系)のフィナーレとして2021年におこなった無観客配信ライブのシーンなども要所要所で挿入されてはいる。だが、ベースとなっているのはブレイク以前の物語だ。
第1話で2人の高校時代から描きはじめたのだが、第6話の時点でもまだテレビにほとんど出られず、芸人としてくすぶっている時代を描いている。つまり、まだ出会ってもいないわけだ。このもどかしさが、爆発力に欠ける最大の原因だと思う。
■『たりないふたり』を観ていないと楽しめない?
2人のストーリーが独立しているので、彼らの魅力のシナジーがほとんど起こっていない。第6話の時点で若林は東京で活動、山里は大阪で活動しているため、実は売れる前のあのときのあの現場で出会っていた……なんてエピソードもないのである。
さらに言うと、前述の『たりないふたり』を視聴していないと、100%楽しみきれないような感覚もある。
『たりないふたり』は、コンプレックスを抱える者同士である山里と若林がトークや漫才を披露するバラエティで、2012年にレギュラー番組として放送されて以降、何度も続編や特番が組まれた人気番組。言わずもがな『だが、情熱はある』との関係性は非常に深い。
誤解なきように言っておくと、『だが、情熱はある』は本作だけしか観ていなくてもきちんとストーリーがわかるようになっているので、『たりないふたり』が必修というわけではない。しかし、やはり『たりないふたり』を通ってきたほうが、感慨深さが増すのは確か。
要するに、視聴するのにハードルが高いニッチすぎるドラマになってしまっているのだ。
第1話を観た段階でもヒットさせるのは難しい題材だとは感じていたが、第6話の中盤回に来てもまだ2人の人生がクロスしていない状況を見ると、その思いがいっそう増してしまう。
今夜放送の第7話では、南海キャンディーズとオードリーがそれぞれ『M-1グランプリ』決勝進出を目指す姿が描かれるようだ。両コンビとも『M-1』準優勝がきっかけでブレイクした共通点があるため、ここからストーリーが盛り上がっていけばいいのだが、はたして……。
( SmartFLASH )