エンタメ・アイドル
坂本冬美の『モゴモゴ交友録』相川七瀬さんーー初対面は “あまり思い出したくない記憶”
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.27 06:00 最終更新日:2023.05.27 06:00
朝の柔らかな光に包まれながら、ベランダで “ふぅ~” とひとつ小さな息を吐く。目に飛び込んで来たのは、ぐんぐん成長している緑たち。「あぁ、春っていいなぁ」と思いつつ、次のモゴモゴ交友録はどなたにしようかなぁ、なんて考えていたそのときでした。
“もぎたて演歌” というキャッチフレーズでデビューして37年……本道は演歌ひと筋ですが、テレビの歌番組やイベント、アルバムなどでは自分でも驚くほど、ロック系の方々とのコラボが多いんです。
忌野清志郎さんから始まって柳ジョージさん、THE ALFEEの高見沢俊彦さん。とにかく、すごい方々ばかりですが、まだいます。宇崎竜童さん、横山剣さん、ウルフルズのトータス松本さん……。まだまだ、います。THE BOOMの宮沢和史さん、ハウンド・ドッグの大友康平さん、中村あゆみ姐さん……。
【関連記事:相川七瀬、つんく♂からDM来てびっくり「本当に本人?」】
そういえばーーモゴモゴスペシャル対談に登場してくださったLiSAさんが、『祝い酒』を歌ってみたいとおっしゃっていましたし……対極にいるようなのに、案外演歌とロックは合うのかもしれません。
というワケで、今回はバリバリのロックで多くのファンを魅了し続けている相川七瀬さんとの交友録です。
わたしが初めて相川七瀬さんにお会いしたのは……あれは、テレビ局の楽屋でした。
わたしの記憶ボックスには、 “忘れちゃいけない記憶” から始まり、 “消してしまいたい記憶” まで、いくつかのボックスが順に並んでいますが、相川さんに初めてお会いした記憶は、その後ろから2つめ “あまり思い出したくない記憶” という名札がつけられたボックスの中に入っています。
あっ! 誤解しないでくださいね。相川さんにはなんの責任もありません。問題だったのは、わたし。そう、相川さんが楽屋を訪ねてきてくださったそのとき、本格的なメイクに取りかかる直前で。わかりやすくいうと、人様にはあまりお見せできないスッピンというやつだったんです。
「ごめんね、こんな顔で」
思いっきり広げた手のひらで必死に顔を覆いましたが、やっぱり見られちゃいましたよね!?
あゆみ姐さんと仲がいいのは知っていたので、わたしとも合わないわけがないとは思っていましたが、スッピンを見られちゃった事件を除くと、最初から波長はぴったりです。
その後、お食事に行ったり、誕生日のお祝いをしていただいたり……2018年には岡山県総社市で開催された赤米フェスタにも呼んでいただき、あゆみ姐さん、相川さんと3人で、『アジアの海賊』を熱唱。 “ソイヤ、ソイヤ” の掛け声を、 “ソウジャ、ソウジャ” に替え、会場中が大盛り上がりになったのは鮮烈な思い出として、今も “忘れられない記憶” のボックスにしまってあります。
それにしてもーー相川さんのパワフルさには、ただただ驚くばかりです。
ロックシンガーとして第一線を走り続けながら、結婚して3人のお子さんを育て、その間に日本の神社・仏閣を巡り、大学にも通い、さらに古代米のひとつで、神社や神へのお供えとして守り伝えられてきた赤米の大使としても活動している……もう、パワフル以外の何ものでもありません。
ほんと、すごいです。人間、やろうと思えば、これだけのことができるんですね。
ーーん!? それとも、わたしに、それだけのことを成し遂げようとするパワーと欲がなさすぎるのかな?
きっと、そうなんですね。早くうちに帰って、Netflixを観ようなんて思っていないで、もっと欲とパワフルさを持たなきゃだめなんですよね(苦笑)。でも、難しいなぁ。モゴモゴ……。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋