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猿之助の代役・市川團子に「みんな鼻をすすって泣いていた」努力の役者が見せた一門の結束

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.05.27 17:55FLASH編集部

猿之助の代役・市川團子に「みんな鼻をすすって泣いていた」努力の役者が見せた一門の結束

写真・時事通信

 

「猿之助が宙乗りするのはよく観ていましたが、クライマックスシーンで團子が空を飛んでいる姿には感動しました。私のまわりも、みなさん鼻をすすって泣いていましたね。あんなことがあったのに、本当に立派に演じていましたから」

 

 こう語るのは、長年、市川猿之助舞台を観てきた歌舞伎ファンだ。5月18日に東京・目黒区の自宅で猿之助が意識朦朧となっている状態で発見され、緊急搬送されてから9日。出演予定だった明治座で上演中の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の昼の部「不死鳥よ 波濤を越えて」で、代役を務めているのが市川中車こと香川照之の長男・市川團子である。

 

 

 現在、チケットは最終公演まで完売状態で、“團子フィーバー” が起こっている。

 

 2012年、東京・新橋演舞場の「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」で市川團子を名乗り初舞台を踏み、翌年には国立劇場の「春興鏡獅子」の胡蝶役で国立劇場賞特別賞を受賞している。

 

「團子が初舞台を踏んだときは8歳でした。そのときは本当に一生懸命演じていて、器用な子役というより、“まっすぐ進んでいくいい子” という印象でした。そういった感想を持った歌舞伎ファンは多かったので、ずっと團子を見守ってきた方はとても多いと思います。

 

 これまで、八面六臂の活躍をしてきた師匠の猿之助にいろいろと指導を受けてきました。“将来の猿之助” だとはいえ、猿之助は團子を甘やかすことはなく、いい役につかせるような特別扱いをしてこなかったんです。そんなところも團子を応援するファンが多く、評価されてきたところだと思います」(前出の歌舞伎ファン、以下同)。

 

 今回の團子の芝居についてはこう話す。

 

「幕が上がると、歌や踊りの華やかな場面からはじまります。下からすぐにせり上がってくる舞台に團子がいて歌を歌うんですが、よく歌えているなという印象でした。お芝居は完璧。ノーミスで、とちったり間違えたりということはいっさいなかったので、本当に素晴らしかったですね。

 

 わずか中1日で代役を務めたわけですが、もともと夜の部のみの出演予定で、昼の部の舞台の流れは把握していたのではないかと思います。

 

 なかなか派手な立ち回りがあるのですが、そこもノーミスだったのは素晴らしかったです。立ち回りのタイミングを合わせるために相当練習を積んだのではないでしょうか。こういう事態になってしまい、一門の瞬発力、結束力は最高潮だったのではないかという気がします」

 

 團子は “努力型”――。そう語る声は多いという。

 

「歌舞伎ファンからすると、團子は素直ですくすく育ってきた賢い子。生まれ持ってのオーラはあまり感じないんですが、試練を乗り越えて、そういったものを身につけていくような気がします。

 

 今回の舞台を観ていちばん感じたのは、歌もうまかったしセリフをミスることもなかったのですが、お手本どおりにできていたという印象。全体を通して、漢字で言うなら “きれいな楷書体” ですね。

 

 歌舞伎はお手本どうりきちんと演じることはとても大切。非常に期待が持てる役者さんだと思います。ただ、猿之助さんのパワハラ問題がどこまで影響を及ぼすのかが心配です」

 

 6月3日からは、歌舞伎座で「六月大歌舞伎」の昼の部「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」が上演予定。市川中車と團子が親子で共演する。猿之助の代役を見事に果たし、観客から感動の涙を誘った團子が、しばらくは歌舞伎界の注目を集めそうだ。

( SmartFLASH )

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