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『unknown』ウイカが死んじゃった!ほっこりコメディだったのに仲間が惨殺…“衝撃” の質が悪すぎる
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.30 11:00 最終更新日:2023.05.30 11:00
当初からの狙いだったのはわかるが、コメディとシリアスのギャップがハンパなさすぎて、ちょっとついていけなくなってきている……。
高畑充希と田中圭のダブル主演で、吸血鬼と人間の恋愛を軸にしたラブ・サスペンスドラマ『unknown』(テレビ朝日系)。先週火曜に第6話まで放送されている。
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高畑が演じるのは、吸血鬼であることを隠して週刊誌記者として人間社会になじんでいる闇原こころ。田中が演じるのは、交番勤務の熱き警察官ながら、実は父親が殺人犯という重い過去を背負う朝田虎松。
こころの家族は全員吸血鬼だが、本作における吸血鬼は人間を襲うモンスターではない。むしろ、やさしい人ばかりで、人間と平和的な共存を望んでいる。
そんなこころと虎松の恋愛はライトなコメディタッチでほっこり。同僚や町の仲間たちもノリのいい気さくな人ばかりで、主役2人と彼らのテンポのいい会話劇はほほえましく、心温まる作風になっていた。
その一方で、町では被害者の血液が抜かれて死亡するという連続猟奇殺人事件が起こっており、シリアスなサスペンスも展開されているという構成だ。
■“いちばん死にそうにないキャラ” が無惨に殺される
筆者は以前、「最終回はこころと虎松が幸せな結婚生活を送り、同僚や街の仲間たちと笑顔で迎えるエンディングになってほしい」と綴ったが、その願いはもろくも崩れ去ってしまった。
本作のシリアス度が急上昇したのは第5話ラストから第6話冒頭にかけて。
こころと虎松の飲み友達である商店街のクリーニング店主・五十嵐まつりが、連続殺人事件の新たな被害者となってしまったからだ。
まつりというキャラクターは、コメディエンヌの才があるバイプレイヤーとして活躍するファーストサマーウイカが演じていただけあって、関西弁のハイテンションなシングルマザーで、町の仲間たちのムードメーカー的存在。コメディパートの重要なピースを担う人物であり、簡単に言うと “いちばん死にそうにないキャラ” だったのである。
そのため、第5話ラストで大量の血を流して倒れていた段階でも、なんとか一命をとりとめて復活するのではという期待や、なんだったら彼女の仕掛けたドッキリなのではないかと考えたほど。それほどまつりが死ぬのは予想外だった。
だが、第6話は開始40秒ほどでまつりの葬儀シーンとなり、生きていてほしいという切なる願いは早々にぶち壊された。
本作の公式サイトでは、最初から、凄惨な連続殺人事件が起こる町が舞台の「本格ラブ・サスペンス」と謳われていたので、この悲しい展開も筋書きどおりだったのだろう。しかし、それにしてもコメディとシリアスの落差がすさまじすぎる。
よくも悪くもその振り幅の大きさが本作独自の個性とも言えるが、ギャップが激しすぎて個人的には悪いほうの印象を受けた。
■仲間の死後も、なかば強引にギャグシーン挿入
振り返ると第1話を観た際の感想は、「ラブ・サスペンスと謳っているわりにゴリゴリのファンタジーラブコメじゃないか」というものだった。それほどギャグ色が強かったのだ。
だから本作を視聴するときは、すっかりコメディを満喫するモードになっていた。そうやって油断させておいて、いきなり仲間の死をぶっ込んで視聴者に驚きを与えるという脚本家の計算は、ある意味、大成功だろう。
ただ、問題はそのショッキングさの質。筆者は、脚本家に一本取られたと好意的に感じるのではなく、こんな展開望んじゃいなかったという、質の悪すぎる衝撃を感じた。
しかも、まつりの死後、ギャグ要素を封印して一気にシリアスな作風オンリーに振り切るのであればまだよかったが、第6話ではなかば強引に視聴者を笑わせようとするシーンを何度も挿入。
まつりというナイスキャラが殺害された直後にもかかわらず、それ以前の軽いノリを継続しようとする演出にはちょっとついていけずモヤモヤ……。わちゃわちゃしたテイストを続けるキャラクターたちは、ちょっと狂気的にさえ見えてしまった。
ここまで観てきたファンは、まつりを含めた仲間たちのほのぼのした空気感が大好きだったという人が多いはず。仲間の死というシリアス展開を望んでいた視聴者が、はたしてどれほどいたのだろうか。
確かにまつりの死によって、サスペンスパートは一気に盛り上がってきたが、コメディパートを手放しで楽しめなくなるという代償を払うほどの価値があったのか、大いに疑問。こんな後味の悪い悲しい物語になるなら、最初からあんなほっこりコメディは見せないでほしかった……。
――今夜放送の第7話は、第6話ラストで描かれたこころと虎松の結婚式で起きた惨劇のその後が描かれる重要回。この物語をどう完結させるか、最後まで観ていきたい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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