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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』相葉雅紀さんーー消したり点けたり、オーラさえも自由自在に操れるスーパーアイドル
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.07.29 06:00 最終更新日:2023.07.29 06:00
何度経験しても、テレビドラマの収録現場はドキドキします。
ーーわたしがここにいていいのかしら?
場違いもはなはだしい。借りてきた猫状態です。
「冬美さん? 石井です。今度、TBSでドラマをやるんだけど……」
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石井ふく子先生からお電話をいただいたのは、昨年春のことでした。
ぴくりと眉毛が震えます。もしかして、もしかすると、もしかしちゃう? こういうときの予感というのは、ほぼほぼ当たっちゃうものです。
「ドラマにも出たほうがいいわよ」
あぁ、やっぱり。ということで、出演させていただくことになったのが、今年4月9日に放送された、亡き橋田壽賀子先生に捧げる愛の物語『ひとりぼっちー人と人をつなぐ愛の物語ー』でした。
『渡鬼』ファミリーの皆さんが顔を揃えたドラマで、主演を務められたのは、国民的アイドルグループ・嵐の相葉雅紀さんです。
過去に『NHK紅白歌合戦』のステージでご一緒したことはありますが、紅組と白組ですから、ご挨拶程度で、きちんとお話しするのは今回が初めてです。
もしかして、相葉さんもわたしと同じように緊張されているかも!?
そんなことを思いながら読み合わせの場に伺ったのですが……とんでもない。やってもやっても、セリフを覚えられないわたしとは大違い。読み合わせの段階で、ほぼセリフは入っていて、本番も一発OKです。
ーーな、な、なんなの、この差は!?
NG連発で、「ごめんなさい」の大安売り。顔が引き攣るくらい平謝りに謝るわたしの横で「もう、全然大丈夫ですから。気にしないでください」と、笑顔の相葉さん。もう、アンビリーバボーです。
でも、よぉく考えてみると、それも至極当然です。スーパーアイドル・嵐として、何度も『紅白』のトリを務め、ドームや国立競技場でコンサートをおこない、天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典で奉祝曲を披露するなど、大舞台を何度も経験されているのですから。相葉さんとわたしとでは、踏んできた場数が違いすぎます。
しかも、です。相葉さんは、セリフを覚えるのも、カメリハのときも、本番も、すべてが自然体で。なんの気負いもなく、ただそこにいて、すっと演じて、すすっと帰る、というような感じなんです。
そこには、嵐としてステージに立ったときに全身から発する煌びやかなオーラはありません。ということはですよ、相葉さんは、消したり点けたり、オーラさえも自由自在に操れるということです。これって、すごいことです。
スタッフ、共演者の方ともあっという間に仲よくなり、もう、ず~~~~っと以前から、『渡鬼』ファミリーの一員だったかのように自然体で輪の中に加わっている相葉さんを見ていると、すーっとそこに入っていけない自分が恥ずかしくなります。
ドラマの舞台となったおにぎり屋の店主、立花香を演じさせていただいたわたしは、ちょいちょい坂本冬美の顔が画面に映っているのに(苦笑)、相葉さんは役になりきり、どこから見ても、主人公の杉信也です。
見せ場のひとつである長ゼリフのシーンは、リハのときから涙を流し、本番はどうなるんだろう? と、よけいな心配をしていましたが、本番は言葉が出ないくらい、ものすごい集中力で、ただただ、圧倒されてしまいました。これが嵐のすごさなんですね。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋