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森七菜『真夏のシンデレラ』ツッコミどころ満載だったのに急激に没個性化…間宮祥太朗の闇落ちくらいブッ飛んでほしい

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.08.21 11:00 最終更新日:2023.08.21 11:00

森七菜『真夏のシンデレラ』ツッコミどころ満載だったのに急激に没個性化…間宮祥太朗の闇落ちくらいブッ飛んでほしい

 

 主人公2人が晴れてカップルになった重要回。これといって大きなツッコミどころもなかったし、そこそこ胸キュンする展開だったが、“小さくまとまった感” は否めない。

 

 先週、第6話が放送された月9ドラマ真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)のことだ。

 

 ダブル主演の森七菜間宮祥太朗を中心とした8名の若手俳優が共演する、夏の海が舞台のラブストーリー。月9としては約7年ぶりの本格的恋愛ドラマで、王道回帰作として話題を集めている。

 

 

 森が演じるのは地元・湘南の海を愛するサップのインストラクターで、男勝りのサバサバガール・蒼井夏海。間宮が演じるのは一流大学を卒業し、父が社長の大手建築会社に勤務する優しい好青年、水島健人。

 

 第5話で健人が「夏海のことが好きだ」と告白しており、第6話のラストで夏海がOKの返事を伝える。主人公2人が想いを通い合わせ、恋人同士になったわけだ。

 

■“安心して観られるドラマ” になってしまう?

 

 第6話は大きな波乱もツッコミどころもなく、比較的に安心して観られる回だったと思う。惹かれ合っていた健人と夏海がとうとうカップルになるシーンはときめいたし、無事に引っ付いてくれたという安堵感もあった。

 

 もちろん、中盤回で主人公2人が恋人同士になったのであれば、後半戦をドラマティックに盛り上げるため、これからまだもう一波乱かもう二波乱は起こるのが規定路線だろう。

 

 ただ、夏海の幼馴染みで片想い相手でもあった牧野匠(神尾楓珠)が、夏海にちょっかいを出してくる可能性は高そうだが、そこまで殺伐とした修羅場にはならないのではないか。

 

 というのも、健人も夏海も、他者の気持ちを慮れる誠実なタイプだし、2人ともどこか達観している聖人キャラなので、ゲスい裏切りはしなさそう。せいぜい匠が2人の間をかき乱して、誤解やすれ違いから破局の危機がある程度だろう。

 

 健人か夏海、どちらかがありえないほどのキャラ崩壊でもしない限り、後半戦は “安心して観られるドラマ” になりそうだ。

 

 ……“安心して観られるドラマ” という表現は、はっきり言って揶揄である。

 

 カップルが成立した第6話は、きれいにまとまってはいたが、小さくまとまっていたとも言える。オリジナリティの薄い、毒にも薬にもならないラブストーリーだった。

 

『真夏のシンデレラ』は、いまどきありえない時代錯誤な言動をするキャラがいたり、漫画のようなアクシデントから強引な胸キュンシーンを描いたり、要するにツッコミどころが満載の作品だった。よくも悪くもこのドラマの唯一無二の個性だったのだ。

 

 実際、SNSの投稿やネットニュースのコメント欄には、本作に対するツッコミがあふれ返っていた。そういう「なんじゃこりゃ!?」という展開を期待して楽しんでいる視聴者も多いのだと思う。

 

 しかし、残念ながら第6話は没個性。普通のさわやか恋愛ドラマになってしまっていた。

 

■脚本家が酷評にヒヨってしまわないかが心配

 

『真夏のシンデレラ』は、フジテレビの「ヤングシナリオ大賞」を昨年受賞したばかりの新人脚本家・市東さやか氏による完全オリジナル作品なのだが、放送開始前に異例の発表がされていた。

 

 ストーリーの結末が決まっておらず、キャストの芝居や視聴者の反響などを見て決めていくと、プロデューサーが語っているのである。それこそSNSやネットニュースのコメントで、結末が変わる可能性があるということだろう。

 

 令和的な新時代のドラマ作りと言えば聞こえはいいが、視聴者の声にエンディングが左右されるのだとしたら、「クリエイターや作家としての矜持はどうした?」とも問いたくなる。

 

 前述したとおり、視聴者の声は酷評だらけなわけだから、新人脚本家が精神的に追い込まれてヒヨッてしまい、視聴者の言いなりになるような結末になってしまう可能性もゼロではないだろう。そうなったら目も当てられない……。

 

 個人的には視聴者のツッコミなどガン無視してほしい。勢いで夏海が匠とカラダの関係を持っちゃうような過激なドロドロ展開になり、健人が闇堕ちするようなキャラ崩壊を起こすぐらいの “安心して観られないドラマ” になってもらいたい。

 

 世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第6話まで6.9%、5.4%、5.5%、5.4%、5.2%、5.4%と推移。低水準ではあるものの5%台で安定しており、ガッツリと固定客を掴んでいる。また、見逃し配信の指標となるTVerのお気に入り登録者数は110.3万人(8月18日現在)と、なかなかの数字に到達している。

 

 ――今夜放送の第7話は、没個性な第6話から戻り、再びツッコミどころ満載の展開になるだろうか。ぜひ「悪名は無名に勝る」を目指してもらいたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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