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『シッコウ!!』最終話、伊藤沙莉×織田裕二の性差も年齢差も超越した友情が尊すぎた!【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.13 19:00 最終更新日:2023.09.13 19:00

『シッコウ!!』最終話、伊藤沙莉×織田裕二の性差も年齢差も超越した友情が尊すぎた!【ネタバレあり】

 

 最終話だからといってスケールの大きな事件が舞い込むでもなく、執行官の仕事はいつもどおりハートフルに決着。伊藤沙莉主演で、織田裕二が準主役を担った『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)が、9月12日に最終話(第9話)を迎えた。

 

 本作は、裁判所の職員である執行官の仕事にスポットを当てたリーガルエンターテインメントだ。

 

 強制執行によって容赦なく財産、金品、不動産などを差し押さえたり没収したりするのが執行官の仕事。織田が執行官の小原樹を演じ、伊藤がたびたび執行補助者に駆りだされる吉野ひかりを演じていた。

 

 

 1話完結型のストーリーで、最終話で描かれたのは「子供の引き渡し」の執行。不仲だった夫婦の夫が幼い娘を連れて家を出て行ってしまい、家庭裁判所では妻への引き渡しの判決が出ているものの、夫が従わないため執行官の出番となっていた。

 

 子供の連れ去りは執行官の仕事のなかでも最も難しいといわれていたが、離婚をすることにはなったものの夫婦はきちんと話し合って和解ができ、無事に妻に子供を引き渡すことに成功。

 

 もはや“偉大なるマンネリ”感さえあるストーリー運びで、続編も作りやすそうなエンディングとなっていた。

 

■50代オヤジのほうから歩み寄って結ばれた絆

 

 この作品は、ひかりと小原の性差も年齢差も超えた友情も大きな見どころ。

 

 最終話では、ひかりが「いつか執行官になりたい」という決意を明かし、執行官を目指すようになるまでも描かれていた。ただ、小原は執行官の仕事の精神的なつらさを知っているからこそ、当初は「は~、困った」と反対。

 

「俺は君が好きだ。人として惚れてる。この年にしてできた大事な友だ。しかもこんな若い女友達に『やってみろ!』って(執行官になることを)すすめる自信はない」

 

 頭ごなしに否定するわけではなく、ひかりを心から“友達”として思っているからこその言葉。最後は、ひかりの覚悟を理解して全力で応援するようになるのだが、“友情に性別も年齢も関係ない”と思わせてくれるグッとくるセリフだった。

 

 余談だが『シッコウ!!』最終話放送日は、福原遥と深田恭子のダブル主演作『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)も最終話。こちらも、年齢差が倍以上の女の絆を描いた作品だったが、筆者は『18/40』よりも『シッコウ!!』の年の差友情のほうが涙腺を刺激された。

 

 ひかりと小原の友情は、一見すると堅物そうな50代オヤジのほうから歩み寄って結ばれた絆だったので意外性があった。なにより、織田の哀愁を漂わせながらのコミカルな演技がどこかかわいらしく、とてもおもしろかったのだ。

 

■続編に期待するも……現実的に難しそうな理由

 

 ひかりが執行官を目指し、小原も応援してくれるようになり、最終話は残り2分で1年後にジャンプ。

 

 そこではひかりが執行官室事務員となり、小原をはじめとしたオジサン執行官たちをテキパキとサポートする姿が描かれた。言わずもがな、事務員は執行官の仕事を間近で見られるため、ひかりが一歩一歩執行官になる夢に近づいていることを感じさせると同時に、いかようにも続編が作りやすそうなラストだったといえる。

 

 ただ、現実的に考えると、さまざまな要因から続編は難しいのではないだろうか。

 

 まず、本作の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、第1話は9.6%と好スタートを切っていたが、その後は6%台まで落ち込んでしまう回もあり、最終話は7.8%でフィニッシュ。昨今は配信で視聴する派も多いため、視聴率至上主義は廃れてはいるが、見逃し配信の人気の指標となるTVerのお気に入り登録者数も66.6万人(9月13日現在)と多くはない。視聴率もTVer登録者数も、ヒットとは言いづらい数字になっている。

 

 また、仮に続編オファーがあったとしても、織田裕二が首を縦に振らない可能性が高そうだ。

 

 織田はかつて、ひとつの役のイメージが定着することを避け、続編には消極的なスタンスだった。メガヒットシリーズとなった『踊る大捜査線』(フジテレビ系)は、特例として劇場版やテレビスペシャルには出演していたし、2020年の月9ドラマ『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)では連続ドラマの続編オファーも受けているが、どちらも主演作。

 

 両作とも、おそらくフジテレビが三顧の礼で主役の話を持ってきたからこそ快諾した可能性が高く、『シッコウ!!』の準主役のオファーでは続編を受けてくれない気がするのである。

 

 個人的には、テレビ朝日のご長寿ドラマ『相棒』や『科捜研の女』のように、長期シリーズ化してもらいたいと思っているのだが……奇跡の続編決定に期待したい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

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