グループ名からも消滅決定の「ジャニーズ」失敗とは限らない、過去に「名前変更」選んだアーティストたち

 

「すべて、ジャニーズとつくものはなくなります」

 

　10月2日におこなわれた会見で、故・ジャニー喜多川氏と完全に決別する決意を示すため、社名を『SMILE-UP.』と変更することが東山紀之社長の口から発表されたジャニーズ事務所。これにともない、記者からは「関ジャニ∞」「ジャニーズWEST」など、「ジャニーズ」の名前を冠したグループ名の存続についても質問が飛んだ。

 

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　東山社長は、「本当にみんな、たくさんのファンの方に愛されてきた名前ですから、本人たちもすごく葛藤はあると思うんですね。ただ、やはり変えていくということは聞いております」と説明。冒頭の発言に続けて、グループ名をメンバー本人たちが「考えているようです」と述べた。ネット上には、

 

《仕方ないけど、少し寂しいなぁ》

 

《えーそんな簡単になくなりますって　メンバーからしたら築き上げてきたものもあるだろうし…》

 

《グループ名が変わるというのは、辛いだろうな》

 

　など、変更を残念がる声があがったほか、

 

《関スマ∞、スマイルWEST、スマイルJr》

 

　と、そのまま新社名を当てはめたグループ名を予想する声も登場した。いずれにしろ、東山社長のコメントにもあったように、グループ名の変更は「苦渋の決断」であることは間違いないだろう。

 

　しかし、音楽業界や芸能界の歴史を紐解いてみると、ある程度、世間に認知されてから、アーティスト名やグループ名をガラリと変更したケースはそれなりに存在する。音楽ライターが語る。

 

「『ワタリドリ』や『starrrrrrr』などのヒット曲を持ち、数々の曲がドラマやCMソングにも起用されている日本のロックバンド『Alexandros（アレキサンドロス）』は、2010年に『Champagne（シャンペイン）』としてデビューしましたが、2014年に『Alexandros』にバンド名を変更しています。改名の理由は、フランス・シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会（C.I.V.C.）の日本支局から、「Champagne」という名称が、同地方の原産地名称として日本国内においても保護されているとの指摘を受け、バンド名を変更するよう要請されたことでした。

 

　2017年にデビューし、アニメ『弱虫ペダル』の主題歌『弱虫な炎』のヒットでも知られる『DIRTY OLD MEN（ダーティオールドメン）』は、2014年10月にバンド名を『MAGIC OF LiFE（マジック オブ ライフ）』に改名しています。こちらは心機一転的な意味合いが強い改名でした。

 

　もっと時代を遡ると、1980年2月にデビューした『シャネルズ』は翌年、『ラッツ＆スター』に改名していますし、日本のガールズバンド史上、もっとも成功したといわれる『プリンセス プリンセス』は、最初は『赤坂小町』の名でデビューしています」

 

　また、アーティスト名そのものではなく、表記が変わったケースもある。

 

「『セカオワ』の愛称でも知られる『SEKAI NO OWARI』は、2010年2月に『世界の終わり』としてインディーズデビュー。2011年8月のメジャーデビューと同時に、バンド名を『SEKAI NO OWARI』に変更しています。

 

　海外では、自身の名前（アーティスト名）を発音不可能なシンボルマークにしてしまった、プリンスのケースが有名です。1978年にデビューし、数々のヒット曲とともにスターとなっていたプリンスは1994年、独自にデザインしたシンボルマークを自身の名前としました。そのシンボルは男性（♂）と女性（♀）を融合させ、ラッパを思わせる記号を組み合わせたものでしたが、彼の名前を音声で伝えることが不可能となったため、彼は名前を戻した2000年まで『元プリンス』などと呼ばれていました」（同前）

 

　アーティストではないものの、お笑い界でも、「バカルディ」→「さまぁ～ず」「海砂利水魚」→「くりぃむしちゅー」のように、ガラリとコンビ名を変えてしまったケースはある。

 

　これらの前例を見る限り、一度、世に出たアーティストの「改名」が、マイナスにばかり働いたケースがあるようには思えない。愛着や名残惜しさを別にすれば、「関ジャニ∞」や「ジャニーズWEST」がどういう名前になったとしても、ファンはついてきてくれるに違いない。

( SmartFLASH )