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“セクシー系配信者”が「膣酵母入りビール」開発が物議…専門医は「感染症や健康リスクの可能性が」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.28 17:57 最終更新日:2023.11.28 18:05
ポーランドで「女性インフルエンサーとビール会社のコラボ」が話題になっている。なんとそのコラボとは、「膣酵母を使ったビール」を製造したというから驚きだ。
配信プラットフォーム「Twitch」で、636万人のフォロワーを持つ女性配信者Amouranthさん。多くのフォロワーからの支持を受けているインフルエンサーである彼女は、ポーランドのビール会社「The Order of Yoni」とコラボし、膣酵母入りビールの製造・販売すると10月末に発表された。
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「Amouranthさんは、露出度の高い服装で配信する“セクシー系配信者”として知られています。さまざまな“ファンサービス”で、莫大な金額を稼いだ人物として知られており、今回もその一種なのでしょう」
WEBメディア「テックインサイト」が11月17日に報じたところによれば、ビール会社は膣酵母入りビールについて、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の一種で、膣内で生成される膣乳酸菌をビールに取り入れることで、女性らしさや魅力、情熱、色気が育まれると語っているという。
しかし、「膣酵母ビールの製造、飲酒はお勧めできません」と強く語るのは、三軒茶屋ARTレディースクリニック院長の坂口健一朗医師だ。
「アルコール発酵をおこなう酵母とは、真菌の一種です。たしかに膣内には、カンジダ菌という真菌が存在します。しかし、これは通常は、感染症のひとつとされています」
カンジダ菌に感染すると、女性であれば性器からカッテージチーズのようなおりものを生じ、男性であれば亀頭や陰茎に発疹などが出る。
「カンジダ菌をビール製造に使用することは、感染症や健康リスクを引き起こす可能性があります。 このため、このような利用は医学的、および衛生的な観点から見て、問題があると考えられます」(坂口医師・以下同)
カンジダ菌を利用してのビール製造がNGとなると、ほかに膣酵母ビールを作る方法はあるのだろうか。
「通常、膣のなかには常在菌であるLactobacillus(ラクトバシラス)が存在します。Lactobacillusは乳酸菌の一種で、通常は乳酸発酵をおこなう細菌で、膣内を清潔に保ち、雑菌の繁殖を抑える働きがあります。しかし、これはカンジダ菌とは異なる微生物で、直接的にはLactobacillus菌から酵母を抽出することは、通常はできません。微生物学の実験室環境や、バイオテクノロジーの技術を使用すれば、できるのかもしれませんが……」
たとえば遺伝子組み換え技術を使用し、Lactobacillusの遺伝子を変更し、アルコール発酵をおこなう能力を持つ酵母に変換することは、理論的に可能だと思われる。しかしこのような実験は、高度な専門知識と設備が必要であり、一般的なビール製造プロセスでおこなうには、コストがかかり現実的ではない。
「通常の条件下では、膣内細菌であるLactobacillusから直接、酵母を抽出することは難しく、もし、本当に膣から取得された酵母がビールに含まれているのであれば、それがどのように処理されているのか、どのようなリスクがあるかについて、詳細な情報が提供されるべきだと思います」
一般にクリアすべき問題は多くありそうだ。
取材・文/吉澤恵理
( SmartFLASH )