11月逝去したKANさんの親友・馬場俊英が明かす素顔…「もっとアタマを柔らかくして」

シンガー・ソングライター　KANさん

　人が死して遺すものは、名前だけではない。ふとしたときに交わした言葉が、残された人たちの生きる支えになる。笑いの天才、いつも勇気づけてくれたミュージシャン、球界の偉人。親しい有名人が明かす、言葉と思い出。

　シンガー・ソングライター　KANさん／11月12日没　享年61　メッケル憩室がん

【関連記事：『愛は勝つ』KANさん死去に有名人の追悼相次ぐ…aikoは「後頭部を追って歌い続けます」ダイアモンド☆ユカイは「沢山の夢を有り難う」】

・「もっとアタマを柔らかくして」（シンガー・ソングライター　馬場俊英さん）

　KANさんは寂しがりやで人と集まることが大好き。リハーサルのスタジオにもつねに一番乗り。コンサート会場にはスタッフよりも早く入られていました。

　このごろはオンラインですむような打ち合わせも増えましたが、やはり会って集まるのが好き。私の自宅にも何度となくやって来てくれました。いつもお気に入りのお菓子を手土産に持ってきてくれるので、私もKANさんの好きなフランスの焼き菓子を探して用意したりして。そんなことも楽しい時間でした。お酒を飲みにも行きました。

「馬場くん、もっとアタマを柔らかくして。思っていることをみんな言っていいんだ。そのために来てる」「大丈夫、明日には何も覚えてないから」。そう言って、笑っていました。

　人と向き合い、相手を理解しようとすることに時間を惜しまない、優しい方でした。とてつもない精神力で最後まで「KAN」を貫き、やり抜かれました。今は寂しくてとても残念です。

( 週刊FLASH 2023年12月19日号 )