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『となりのナースエイド』川栄李奈の主役キャスティングに納得も…今作が大きな正念場となる理由
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.01.17 11:00 最終更新日:2024.01.17 11:00
GP(ゴールデン・プライム)帯の民放連ドラ初主演となる川栄李奈だが、意外にもいきなり正念場かもしれない。
川栄主演の『となりのナースエイド』(日本テレビ系)が、1月10日からスタートした。本作は現役の医師でもある作家・知念実希人氏の同名小説が原作。川栄演じる新人ナースエイド(看護助手)が、患者の心に寄り添い、奮闘する姿を描く医療ものだ。
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ナースエイドとは、言わば看護師のサポート役で、資格は不要だが医療行為はできないため、入院患者の生活の補助やカルテの受け渡しなどを担う。
名門大学病院に配属された新人ナースエイドの桜庭澪(川栄)は、明るく真っすぐで何事にも全力投球する性格で、一見するとおバカにも見えるが、医療オタクで実は医師顔負けの専門知識を備えているというキャラクター。
■川栄が抜擢されたのが腑に落ちる理由
放送開始前は『ナースのお仕事』シリーズ(1996年~/フジテレビ系)のような、お気楽に観られるドタバタコメディなのかと思っていたが、第1話冒頭からだいぶ毛色が違うことがわかった。
雨が降りしきる夜。何者かが倒れており、そのかたわらには血まみれの手で茫然とする澪。そして澪が悲しみの表情で絶叫する――という回想シーンから物語がスタートしたのだ。
その後、大学病院への出勤初日のシーンに切り替わり、ポジティブで明るい澪が登場すると、軽妙な掛け合いなどが楽しいコミカル要素もあるストーリーが展開していく。ざっくり言うと、シリアスとコメディのハイブリッドという感じ。
第1話ラストでは、澪の助言によって急死の危険性もあった患者が2人救われたことで、天才外科医・竜崎大河(高杉真宙)から「お前は何者だ?」と問われ、澪は「私は……人殺しです」と答えていた。
公式サイトには澪がなんらかの秘密を抱えていることは提示されており、サスペンスやミステリーの要素もあるストーリーになっていくのだろう。
第1話を観て、このドラマの主人公に川栄が抜擢された理由も腑に落ちた。
川栄はAKB48時代、バラエティ番組でも活躍したほど笑いのセンスがあるので、ただのドタバタコメディでも彼女の演技は光っただろう。だが、コミカル演技に終始する物語より、ガチめのシリアス展開もある物語のほうが、より川栄の役者としての力を引き出せるはずなので、なるほどと思わされるキャスティングだった。
■ヒロインだったドラマが視聴率2.5%
前述したとおり、本作は川栄にとってGP帯の民放連ドラ初主演作品だが、うがった見方をすると実はけっこう正念場な気がする。
川栄といえば、数々の映画やドラマに出演して演技力の高さが周知されており、2021年度後期の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)では上白石萌音、深津絵里とともにトリプル主演を張るほど。AKB48卒業組の女優のなかでは頭一つ抜き出ている感がある。
しかし、『カムカムエヴリバディ』は人気が高かったものの、もう2年前の作品であり、ヒットの余韻は薄れている。
その後、川栄が民放連ドラにレギュラー出演したのは、2022年10月期のHey! Say! JUMP山田涼介主演作『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)のみ。同作で川栄は2番手キャストとなるヒロインを演じたのだが、第8話で世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)が2.5%を記録するなど数字は低調で大コケ。
せっかく『カムカムエヴリバディ』で役者としての格を上げていたのに、『親愛なる僕へ殺意をこめて』でミソをつけてしまった。そのうえ、昨年は地上波の連ドラ出演はなかった。
こうして迎えた主演作『となりのナースエイド』だけに、コケてしまうと目も当てられない。本作がヒットすれば『カムカムエヴリバディ』から2作連続で主演ドラマがヒットとなり評価が上昇するだろうが、『親愛なる僕へ殺意をこめて』に続いて不発となれば、数字が取れない女優のレッテルを貼られてしまう可能性も否めない。
『となりのナースエイド』初回は世帯視聴率8.6%、個人視聴率5.0%。これは日テレの同枠で放送された昨年の4作品の初回視聴率を上回る数字であり、好スタートと言えるだろう。
――今夜放送の第2話以降、シリアスとコメディのハイブリッドで好調をキープできるか、それとも調子を落としてしまうのか。川栄の今後の役者人生に影響を与えるであろう今作の評価に注視していきたい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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