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若林志穂 過去の激太り&指定難病告白が話題…眞子さまもかかった「複雑性PTSD」を専門家が解説

エンタメ・アイドル 投稿日:2024.01.19 15:30FLASH編集部

若林志穂 過去の激太り&指定難病告白が話題…眞子さまもかかった「複雑性PTSD」を専門家が解説

《相変わらずお綺麗》とコメントが寄せられた現在の若林(本人のXより)

 

 1990年代を通じて人気を博した昼ドラ『天までとどけ』で長女役を演じた、元女優の若林志穂が1月15日にX(旧Twitter)で、指定難病の脊柱管狭窄症および腰椎すべり症にかかっていることを告白した。杖が欠かせない状態だという。

 

 若林は2023年9月にXを始めたばかりだが、前日とこの日の投稿が話題を呼び、フォロワーも急増。14日までは900人ほどだったのが、一晩明けると3000人に達し、18日の段階で2万に迫る勢いだ。

 

 

 そして、多くのメディアが2023年10月29日の投稿も取り上げ、彼女が複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていることも広く公になった。このポストでは、2017年7月の「週刊女性」に掲載されたものと現在の自身の写真を並べており、そのギャップには驚くばかりだ。現在とでは、まるで別人……。

 

 そこで若林は、《2年間も治験薬をやらされていました。副作用で体重が20キロ近く増加してしまい》と明かし、こう結んでいる。

 

《私は『複雑性PTSD』を患っていますがかなり落ち着いています》

 

 2001年8月、若林は舞台の稽古場に向かう途中、青竜刀を持って暴れる男と至近距離で遭遇。制止する警官が男と揉み合いになった結果、刺されて死亡し、犯人もまた射殺されるという、凄惨な現場を目撃したことからPTSDを発症した。

 

 1年もの休養を余儀なくされた後、現場復帰した若林だったが、2008年8月に『天までとどけ』で三男役を演じた金杉太朗が駅のホームから転落死したのをきっかけに、再び体調を崩す。翌年5月に事務所を解雇されると、芸能界引退を決めた。「週刊女性」の記事は、じつに8年ぶりのメディアへの登場だった。

 

「『天までとどけ』で起きていた陰湿イジメ、長女役・若林志穂が衝撃の告白」と題された記事の内容は、当時の若林の姿とともに衝撃的なものだった。彼女は、ドラマの共演者やスタッフから、泥棒呼ばわりされるなどのいじめを受けていたと告白。放送終了後も、メンバーから仲間外れにされたり、否定的な言葉を投げかけられたりして苦しんきたことを打ち明けた。

 

 こうした体験も複雑性PTSDの発症に影響を与えたのだろうか。この病気が人口に膾炙するきっかけになったのは、秋篠宮家の長女・眞子さまの発表だろう。2021年の小室圭さんとの成婚時、宮内庁は2018年~2019年ごろから、ご家族への誹謗中傷をきっかけに、眞子さまが複雑性PTSDと診断される状態であると報告した。

 

 長年PTSDの患者を診察してきた、東京・新宿の早稲田メンタルクリニックの益田裕介院長は、「PTSDとは記憶の障害」と語る。

 

「PTSDは生死に関わるようなトラウマ体験を原因とする精神疾患ですが、おもな症状としては再侵入(トラウマ記憶のフラッシュバックや悪夢)、過覚醒(不眠や神経過敏)、回避(体験を忘れようとし、ほかのことまで思い出せなくなる)や精神麻痺などがあります。複雑性PTSDとは近年導入された病名で、文字通り複数のPTSDが重なって起き、日常生活や社会生活での支障がさらに大きくなります」

 

 益田医師によると、PTSDは自分が殺されそうになったり、ひどい虐待を受けたりすれば当然発症のリスクがあるが、「戦場や事故などで人が死ぬ様を直視する」といった体験からも起こり得るという。凶悪な殺人現場を目撃し、ドラマの撮影でも共演者やスタッフと衝突しやすかった若林は、次第に折り重なるPTSDに心を蝕まれていったのだろう。

 

 ここで気になるのは、7年前の担当医に処方された“治験薬”が肥満を誘発した、という趣旨の若林のXでの発言だ。PTSDには特効薬はなく、医師や臨床心理士が長い時間をかけ、二人三脚で患者の心のもつれを解く。益田医師曰く、「再教育」を施していくほかない。

 

 2021年になって、アルツハイマー型認知症治療剤のメマンチンが一定の有効性を発揮する、との研究発表もなされたが、若林への投薬はあくまで不安や鬱症状に対してだと思われる。

 

 抗うつ剤など向精神薬の一部は、たしかに肥満を引き起こしやすい。食欲増進をもたらす抗ヒスタミン作用や、セロトニン増加に伴う代謝抑制作用などの副作用があるからだ。通常は鬱になると、意欲が減るので活動量が減るが、同時に食欲も失せて体重が減る。ただ、抗うつ剤で回復していくと、意欲より先に食欲が戻り、結果的に太るケースはままある。

 

 若林の“治験薬”に関するコメントについて、外科専門医で東京・渋谷のみいクリニック理事長の宮田俊男医師はこう解説する。

 

「今どきの治験は、必ず本人の同意を丁寧に取ります。薬によって太りやすい、太りにくいといった傾向は幾分ありますが、体重の増加が気になるなら、医師の判断による中止を待たなくても自ら辞退できるので、少しこの主張には無理がありますね。日々の測定やウォーキングなどの運動を通じ、体重を自身でコントロールしようとする意志を保つのも大切です」

 

 心の病は症状の程度によって、薬の合う合わないも変わる。「もし生活習慣病を持っていたり太りやすい体質だったりするなら、内科医と連携して診てもらうのも一考」と、宮田医師は勧める。

 

 しかも、現在の若林は脊柱管狭窄症と腰椎すべり症を患っている。50歳そこそこの彼女の年代にも、起こり得る症状なのだろうか?

 

「50代で、しかも女性では珍しいですね。脊柱管狭窄症は原因がよくわからないので、難病のカテゴリーに入っているんですが、一般的には加齢や腰を使う作業の繰り返し、肥満などで腰椎に負担がかかり、脊椎と脊椎をつなぐ黄色靭帯が肥厚し、神経が圧迫されることが要因とされています。若林さんの場合、ある時期に極端に太ったことが発症と関係しているかもしれません。なお、すべり症は背骨の関節や椎間板の変形などにより、背骨がずれる病気です」

 

 すべり症は、薬物や理学療法などの保存療法で治る場合もあるが、杖をつくほど進行中の脊柱管狭窄症には手術が最良の策。宮田医師によれば、「最近は内視鏡手術により低侵襲(体への負担が少ない)治療がおこなわれている」という。

 

 今はすっきりと痩せ、若い時分の可憐さを取り戻している若林。その明るい表情はファンにとって何よりの朗報だが、一方で杖に頼らずには歩けないのも事実。適切な治療で体の痛みから解放されれば、複雑性PTSDもより快方へ向かうのではないだろうか。

 

 文・鈴木隆祐

( SmartFLASH )

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