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『春になったら』木梨憲武の評価が爆上がり…“明るいのに悲哀が漂う” 難しいラインを好演
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.01.22 11:00 最終更新日:2024.01.22 11:00
たった1話で木梨憲武評の爆上がりが止まらない。
とんねるず・木梨憲武と奈緒がダブル主演で、2人暮らしの父娘を演じる『春になったら』(フジテレビ系)が、先週月曜からスタートした。
3カ月後の春に結婚することを決めた娘・瞳(奈緒)と、がんで余命3カ月と宣告されている父・雅彦(木梨)。それぞれが「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を叶えていくというホームドラマだ。
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奈緒の演技はとても自然体で上手いし、役にもぴったりハマッている。だが、それ以上に “木梨憲武のドラマ” になっていたように感じた。
■“明るいのに悲哀が漂う” という難しいライン
木梨が演じる雅彦は、持ち前の話術を生かして好成績を上げてきた実演販売士で、家庭では頑固で破天荒な自由人。ただ、妻を早く亡くしたため、男手ひとつで娘・瞳をたっぷりの愛情を注いで育ててきた人情オヤジでもある。
第1話では、元旦に瞳とおせち料理を囲みながら、お互いに報告することがあるとして、せーので伝え合うことに。瞳が結婚すると伝えるなか、雅彦は「3カ月後に死んじゃいます!」と、わりとあっけらかんと言ってしまえるタイプだ。
3カ月後にこの世を去るというキャラクターながら、とにかく明るい雅彦。根明だからそれほど悲壮感はないし、カラ元気というわけではなくて本当に明るい雰囲気なのだが、それでいてちゃんと哀愁が内から滲み出ている。
脚本家が木梨に当て書きしており、視聴者が彼に抱いているイメージと本作の主人公像がもともと近いからかもしれないが、この “明るいのに悲哀が漂う” という難しいラインを、木梨は絶妙な匙加減で演じている。
本職が芸人である木梨の連ドラ出演は、1999年の『小市民ケーン』(フジテレビ系)以来と四半世紀ぶりで、演技畑でやってきたわけではない。
とはいえ、2018年に木梨が主演したSFアクション映画『いぬやしき』でも、木梨憲武の演技力は高く評価された。実際、2番手キャストとして参加した佐藤健が、木梨の演技を「ものすごくナチュラルでびっくりした」と述べたほどだ。
いずれにしても、『春になったら』は木梨の演技力と存在感がぞんぶんに引き出された “木梨憲武のドラマ” になっている。
■カンテレ制作「月10」がフジの看板枠「月9」に勝つか
『春になったら』は、放送時間が一つ前の「月9」ドラマとの視聴率対決でも注目が集まった。月曜22時枠である『春になったら』の第1話は、世帯視聴率7.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)。対して、前週から放送されている同局の月曜21時枠『君が心をくれたから』は、第1話が7.2%、第2話が5.8%となっている。
まだ序盤なので、ここからどう転がっていくかはわからないが、第1話がイーブンでスタートしたので、『春になったら』が最終的に全話平均の視聴率で『君が心をくれたから』を上回る可能性は十分ある。
フジテレビが月曜22時をドラマ枠に復活させたのは2021年10月期からで、『春になったら』がちょうど10作め。そして “ドラマ枠の2階建て” になってからの9クールのうち、「月10」が「月9」の全話平均の視聴率を上回ったのは、たった1作のみ。
2023年1月期は「月9」が北川景子主演『女神の教室~リーガル青春白書~』、「月10」が草彅剛主演『罠の戦争』で、このクールで『罠の戦争』が勝っているだけなのだ。
「月10」は関西テレビ制作のドラマ枠なので、カンテレとしてはフジの看板ドラマ枠「月9」を上回ることは、感慨深いものがあるだろう。
余談だが、今クールでは、伊藤淳史主演のドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日系)も土曜日に放送されている。
1990年代を代表するバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系)で、木梨演じた「仮面ノリダー」にチビノリダー役で出演していたのが伊藤だ。2024年にノリダーとチビノリダーがそれぞれ主演を張るドラマが同時期に放送されるなど、誰が予想できただろうか。
――このように、劇中の展開以外にも注目ポイントが多い『春になったら』。第2話は今夜放送だ。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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