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元首相暗殺、宗教問題、 五輪汚職…本宮泰風がVシネ『日本統一』で“タブー”に斬り込む理由

エンタメ・アイドル 投稿日:2024.02.03 06:00FLASH編集部

元首相暗殺、宗教問題、 五輪汚職…本宮泰風がVシネ『日本統一』で“タブー”に斬り込む理由

「誰もふれたがらないところを、うまく表現できればと思っています」(写真・野澤亘伸)

 

「『日本統一』は当初、ヤクザの抗争がメインの“実録路線”でした。でも、僕が総合プロデュースを始めた第50話くらいから、時事ネタをテーマとして盛り込むことにしたんです」

 

 2013年にスタートし、現在ではシリーズ累計80作を超える人気の任侠オリジナルビデオ『日本統一』。主演を務め、構成も手がける本宮泰風(51)はそう語った。

 

 神戸に本拠地を置く日本最大の任侠組織「侠和会」が、No.2で若頭の氷室蓮司(本宮泰風)と、No.3で本部長の田村悠人(山口祥行・52)を中心に、日本から抗争をなくすため、極道界の統一を目指すサクセスストーリー。会長の川谷雄一役は、小沢仁志(61)が務めている。

 

 

『日本統一』は、コロナ禍で動画配信サービスでの視聴数が急増。本宮と山口は「an・an」にも登場し、“任侠女子”という言葉まで誕生した。

 

 だが、本宮はその人気に安住せず、さまざまな時事問題にも切り込みはじめたのだ。

 

「現場で撮影している最中に、監督から『大丈夫か、これ』って言われることは何回もありました(笑)。台本上ではOKでも、台詞を言うとヤバいかなと思うことはあるんです。でも、その場では撮影を止めないですね」

 

 テーマは、国有地売却問題から、元首相の銃撃事件、宗教問題まで。これらの事件の背後に蠢くヤクザの存在を、氷室と田村があぶり出していく――。

 

「もちろん、人物や団体の名前をそのまま使うことはありません。ドラマなので、あくまでもフィクションです。しかし、いろいろな事件や事象を見て、どこの誰を“敵”にするかを考えています。政治家や政党、宗教団体も取り上げたりしています」

 

 2022年にリリースされた第50~53話では、五輪汚職問題をモチーフにした。

 

 作中では、五輪実行委員長の“森田敏郎”、副総理の“浅見一郎”、官房長官から首相となる“菅井秀吉”という、どこかで聞いたような名前の政治家たちが暗躍する。

 

「このときはSNSで、支持者の方からなのか、『がっかりしました』というコメントがすごく寄せられました。でも、そうした反応は想定内です。じつは、この回を撮っていたのは、五輪汚職で実際に逮捕者が出る前のことでした。その後、現実がそうなってしまったんです」

 

 今後取り上げたいテーマについても本宮に聞いた。

 

「一般的にタブー視され、誰もふれたがらないところを、うまく表現できればと思っています」

 

 そして、“極秘プロジェクト”を本誌に教えてくれた。

 

「5月からは、新たなテーマのストーリーが始まります。信者に洗脳をおこなうある宗教団体のバックにヤクザがついていて、氷室と田村が戦います。ほかにも、皆さんが疑問に思っているような事件や問題についても、取り上げていきたいと思っています」

 

『日本統一』は、「観る人が肩の力を抜き、楽しんでもらうエンタテインメント作品を目指している」と本宮は語るが、同時にこう強調する。

 

「気をつけなければいけないのは、こうしたテーマを扱ううえで、たんに“おもしろければいい”という考えでやってはいけないということです。テーマはあくまで『勧善懲悪』ですが、ニュースを見て、被害者の存在を知って、自分の心が動かされて――。それが出発点です。正義感というほど大層なものではないんですけど、問題提起をしたいという思いはあります」

 

 エンタメ100%の『日本統一』に、タブーを忍ばせる本宮。“コンプラ偏重時代”の今、“本物”に斬り込みつづける覚悟だ。

( 週刊FLASH 2024年2月13日号 )

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