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櫻井翔『新空港占拠』前作ファンにはたまらない “ぐいぐい展開” はあるが…飽きが来てしまった2つの理由
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.02.10 11:00 最終更新日:2024.02.10 11:00
あの手この手を使って驚きのある展開を次々投入してくるのはさすが。だが、それ以前の問題でマンネリを感じる。
2月3日(土)に第4話まで放送されている嵐・櫻井翔主演のサスペンスドラマ『新空港占拠』(日本テレビ系)。昨年1月期に放送された『大病院占拠』の続編だ。
前作は、奇怪な鬼のお面をかぶった武装集団に病院が占拠されてしまい、刑事・武蔵三郎(櫻井)が鬼たちに翻弄されながらも事件解決を目指した。今作は新設された空港が獣(けもの)のお面の武装集団に占拠されてしまう物語になっている。
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■前作ファンがぐいぐい引き込まれる展開の連続
前作は病院というワンシチュエーションをメイン舞台としたチャレンジングな作風だったが、さまざまな要素が低クオリティで、ツッコミどころ満載のドラマでもあった。
爆破や落下のシーンでありえないトンデモ展開が起こったり、主人公がありえないほど不死身だったり、CGがめちゃくちゃショボかったり、櫻井の動作がノロノロでアクションシーンがコントのようになっていたり……あげだすと枚挙に暇がないほど、とにかく粗さが目立った。
ただ、一周まわってそのチープさがおもしろがられて、X(旧Twitter)でツッコミながら視聴するスタイルが話題になった。13歳から49歳の個人視聴率である「コア視聴率」がよかったこともあり、今回の続編が決定したのだろう。
今作も10代、20代の若い層の視聴者がわりと観てくれているようで、コア視聴率は上々。TVerのお気に入り登録者数は105.8万(2月8日現在)となっており、見逃し配信の再生数も好調らしく、まずまず計算どおりといったところか。
その要因として、続編の強みを出し惜しみなく使っていることにある。
たとえば、前作の最終話ラストで裏切り者だと匂わされていた情報分析官が、今作の第1話でさっそく獣の一員として登場。
この分析官が敵方にまわるのは想定内だったとしても、第3話では前作で最後まで頼れる仲間として活躍していた管理官も獣になっていたことが明らかに。
そして、第3話ラストと第4話序盤では、Sexy Zone・菊池風磨演じる前作のラスボス・青鬼も再登場している。
このように、前作ファンがぐいぐい引き込まれる展開の連続となっている。
■前作の焼き直し感&チープさに慣れてしまった
ただ、あくまで個人の感想ではあるが、正直もう飽きてきてしまっている。
理由は主に2つ。
1つめの理由は、お面をかぶった武装集団たちの目的や手口が前作とほとんど同じだから。
たとえば、獣になってしまった管理官は、ジャーナリストだった妻が悪徳政治家の罪を追及したことで殺されたため、政治家の罪をネット配信で白日の下にさらし、復讐するのが目的だった。
ただ、前作の鬼メンバーたちも、権力者たちの悪事によって家族や愛する者が犠牲になり、その復讐のために決起しており、配信で復讐していく劇場型犯罪のような手法も同じ。
第4話までを観るかぎり、さほど新しいエッセンスがあるわけでもなく、『大病院占拠』の焼き直し感が強いのだ。
2つめの理由は、低クオリティなツッコミどころに慣れてしまったから。
今作でも櫻井の緩慢なアクションシーンや、リアリティに欠ける雑な展開など引っかかるところはあるものの、よくも悪くも前作を観たときほどのインパクトはなく、意気揚々とツッコめなくなっている。
制作陣も前作で学習したのか、突拍子もないほどのチープな粗さはなくなっているように思う。前作の低クオリティが “改善” され、今作はそこまでひどくなくなったことが、皮肉にもツッコミ視聴で楽しむという個性を薄れさせる “改悪” になってしまったのではないか。
――獣のリーダーを演じているキャストは誰なのか、獣を裏で操っている人物の正体や目的はなにかなど、気になる謎はまだまだ残されているものの、個人的には視聴を続けるのがしんどく感じている。
今夜放送の第5話以降で、前作のレールから外れる予想外の展開や、トンデモ要素に振り切ったツッコミシーンが投入されるのか、そんな新しいインパクトに期待したい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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