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『水戸黄門』風車の弥七役「津田寛治」が語る北野武の薫陶エンタメ・アイドル 投稿日:2017.10.30 20:00

『水戸黄門』風車の弥七役「津田寛治」が語る北野武の薫陶

 

 たじろぐほどの睨み。数秒も目を合わせられない強さだ。なのに、カメラを下ろせば、人のいい笑顔に戻る。

 

 多くの作品を印象深い役で支えている津田寛治(52)。幼いころから、父親に連れられて映画館に行き、映画を観て育った。自然と、そこに憧れた。

 

「映画監督になりたかったんですが、親に頭がよくないとなれないと言われて。俳優を目指し、高校卒業後に上京しました。怪しい事務所に入ったり、アングラ劇団に入ったり。

 

 でもしばらくして、自分からアクションを起こさないとダメなんじゃないかと思うようになって、フリーになりました」

 

 自らプロフィルを持って、いろいろな事務所のドアを叩いた。オーディションに参加できたり、役に繫がったこともある。25歳のある日、バイトをしていた録音スタジオ内の喫茶店に、憧れだった北野武が仕事で訪れた。

 

「お店のママが『仕事はいいから武さんにプロフィルを渡すことを考えなさい』と言ってくれて。武さんがトイレに行かれたときに声をかけて、プロフィルを渡しました。

 

 怒られるかと思ったけど、拙い話を一生懸命聞いてくれて、プロフィルをきれいに折りたたんで受け取ってくださった。もうそれだけで、これから頑張っていけると思えるぐらい嬉しかったですね」

 

 それから1年は、北野映画のオーディションの機会を狙った。しかし、オーディションに呼ばれることはなかった。映画『ソナチネ』のクランクイン前日、北野監督が再び店に顔を出した。

 

「武さんは『よお、兄ちゃん。まだ役者目指してるの?』って、僕のことを覚えていてくださったのが嬉しかった。すると突然、お店のママが『ひどいじゃないですか。うちの寛ちゃんは1年間、武さんの映画に出ることだけを考えて頑張ってきたのに』と怒りだしたんです。もうびっくりですよね(笑)。

 

 武さんも驚いていらしたんですが、端の席に座ってから、『兄ちゃん、出番だよ』って呼んでくれまして。その場でウエイター役で映画に出ることが決まったんです。本当にびっくりでした」

 

 こうして、『ソナチネ』への出演が決まり、「北野組」の現場へ。このとき、俳優人生の根幹となることを学ぶ。

 

「こんなふうに演じたらどうだろうと考えを練っていったんです。現場の控室で会った、北野組の常連の寺島進さんに挨拶をしてその話をすると、『それ、絶対にやらないほうがいいよ。監督はそういうのをいちばん嫌がるから』と教えてくださって。

 

 それで考えたアイデアを全部捨てて、棒立ちでボソボソと演じたら、本当に気に入っていただけた。沖縄で撮影するシーンも追加でいただけました。

 

 俳優にとって、カメラの前に立って “演じない” ということは、恐怖や不安を感じてしまう。

 

 でも僕は最初の映画になった北野組で、何もしないということを教わった。カメラの前に立ったら何もしない。気持ちが動いたら何かをする。これは今でも、自分の真ん中の柱となっています」

 

 その3年後、スタッフに呼ばれて『キッズ・リターン』の現場に行ったら、「兄ちゃん、来てるなら言ってよ」という武のひと言で、ラーメン屋の店員役をもらうことに。

 

「まるで小遣いでもくれるように、シーンを増やしてくれました(笑)。いつも真っ先に聞かれるのは『(喫茶店の)お母さん、元気?』という言葉。映画に出演できたのは、ママの強力な推しのおかげ。今でも感謝しています」

 

 北野組で経験を積むことで、津田の演じる役の幅は広がり、今度は『水戸黄門』で風車の弥七役に挑戦する。

 

「まさか、自分が弥七をやるなんて、夢にも思わなかった。久しぶりの『水戸黄門』ということで、着付けの方、 殺陣の方など、皆さんの気合の入れ方が違う。脈々と培われているものがあるんです。

 

 お話を聞いたり『水戸黄門』を拝見していると、弥七というのは常に余裕がある。哀愁を帯びているのに、それでいて顔は笑顔というのは、初代の中谷一郎さんそのものなんです。僕も中谷さんを目指して奮闘しています」

 

 今後、演じてみたい役は犯罪者だと話す。

 

「どうして犯罪者になってしまったのか、どんな気持ちの動きがあったのか。一人の人間として、深く突きつめた犯罪者像を演じてみたいですね。

 

 犯罪者の生い立ちや、周囲の人間関係をリアルに描いて映画化できれば、なぜ犯罪者になったのかが、理解できるのではないか。そうすれば、ひどい犯罪はなくなっていくんじゃないかと思います」

 

 最後に津田寛治にとって俳優とは?

 

「月並みな言葉ですが、やっぱり人生そのものですかね」

 

 北野武との出会いなど、彼の人生も映画での出来事のように進んできた。

 

「こんなふうになればと思い描いてもそうはならないのが現実。でも思い描いたことがどんどん現実になるのが、僕にとっての北野組だった。夢がかなう世界、ドラマティックな場所です」

 

 そう話す表情は、やはり優しかった。
(週刊FLASH 2017年10月10日号)

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