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NHK朝ドラ『わろてんか』葵わかなは「2軍アイドル」だった
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2017.11.02 20:00 最終更新日:2017.11.02 20:00
「特技・妄想 趣味・妄想~痛くて上等! 2軍の十四歳」(『もうそう★こうかんにっき』)。原宿の地下のライブハウスで歌っていた14歳は、4年半後に国民的ドラマの主役になった。
10月にスタートしたNHKの朝ドラ『わろてんか』。吉本興業の創業者・吉本せいがモデルの主人公・藤岡てんを演じるのは、若手実力派の葵わかな(19)。オーディションで2378人のなかから選ばれた朝ドラヒロインだ。
「現在、葵さんは撮影のため大阪で一人暮らし。『ずっと一人暮らしをしたかったけど、こんな形でかなうとは』と言っている」(プロダクション関係者)
小学5年生で女優デビューした葵が、2012年の冬から1年半在籍したのが4人組アイドルグループ「乙女新党」だった。コンセプトは「一軍を、いや一.五軍を目指す 二軍の中学生」。メンバーだった高橋優里花(20)が振り返る。
「わかなは自分で『私は二軍だ』と言っていました。『友達とワイワイ騒ぐのは好きじゃないし、そもそも友達がいない』とネタにしてました」
アイドルは、女優とは違うスキルが必要。ステージや握手会だけでなく、デビューイベントではファンの肩たたき会を開催したり、ファンと一緒に東京・青梅市の御岳山に登ったりと、ユニークな活動もあった。
「地方に行くと、ホテルの誰かの部屋に集まって、ずっとしゃべってました。寝っ転がって脚を上げるとむくみが解消するとか言って、4人で並んで上げて、わかなもやってました(笑)」(同前)
一度、メンバーで大喧嘩した。
「初のワンマンライブのとき、渡された台本を、リハの日にみんな覚えてきていなかった。でも、わかなだけは丸暗記。(スタッフに)覚えてきてとも言われていなかったのですが、『言われなくても覚えてくるのが普通でしょ っ!』って、わかなにすごい怒られて。みんなで泣いて大喧嘩。最終的には『次からは覚えます』と謝りました。わかなは怒ると怖いんです(笑)」(同前)
絆を深めたが、葵は1年半で、女優に専念するため乙女新党を卒業した。
「直接、卒業を聞いたときはただ辛かったな……。結局、乙女新党は去年の夏に解散したんですが、ラストライブをわかなは観に来てくれて、私の色のピンクのサイリウムを振ってくれました。
その後、私は『いちごみるく色に染まりたい。』というグループで活動してきましたが、 11月に芸能界を引退します。その前に、わかなに会いたい気持ちもあるけど、忙しいだろうと思うと遠慮しちゃいますね」(同前)
アイドル時代の2013年に『陽だまりの彼女』で葵は映画デビューしている。共演の女優・谷村美月(27)が話す。
「葵さんは健気な女のコの役でしたが、本読みで初めてお会いして、彼女の演技に心を打たれました。2015年の『罪の余白』で再会したときは、彼女と同世代の女のコがたくさん出演されていたこともあって、私より彼女が映画を引っ張っていましたね(笑)」
『陽だまり~』には、1カ月かけてリハーサルをして臨んだという。芝居の面白さを知った葵は、アイドルを卒業し、「一軍」目指して羽ばたいていく。
「演出しているバラエティに出演してもらったとき、相手役の俳優に舌を出すしぐさがかわいくて、スタッフが『あの表情にやられちゃいました』と言っていたのが抜擢の決め手でした」
と話すのは、初主演映画『ホラーの天使』(2016年)の長江俊和監督(51)。『出版禁止』(新潮社)という著書もあるホラーの旗手の期待に葵は応えた。
「撮影当時は17歳でしたが、撮影になると急にプロになる。彼女の意見で、作品がよくなった。同年代の女優さんたちのリーダーシップも取ってくれました。でも廃病院での撮影では、『赤い光が出た!』とか本当に怖がっていました。ふだんはかわいらしいです(笑)。直前に出演していただいたドラマの現場では、セッティングの合間に勉強していた姿が印象的です」(同前)
勉強の甲斐あって、葵はこの4月から、慶應大学総合政策学部の学生でもある。
10月スタートのドラマ『セトウツミ』(テレビ東京系)に主演する高杉真宙(21)は、2017年7月公開の映画『逆光の頃』で共演している。
「京都を舞台にした話でしたが、葵さんは京都の町の雰囲気に溶け込んでいて、似合っていました」
朝ドラ序盤の舞台・京都にも馴染んでいる葵は、もう、女優界の「不動の一軍メンバー」だ。
(週刊FLASH 2017年10月17・24日合併号)