「芝居に安心感があり、その人を脇に配置したら作品の価値が少し上がるような人。たとえば、小池栄子さんはそういう女優だと思います」
映画監督の今泉力哉氏が語る。今回、人気ドラマに出演する8人の女優らが、「すごいと思う女性バイプレイヤー」を選んだ。
【片桐はいり】
まずは片桐はいり。『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)でお馴染みの中島唱子は、「唯一無二の圧倒的な存在感なのに、どこにでもいるようなリアルな人物を緻密に演じている」と役作りを絶賛する。
このほか、「一瞬で脳に焼きつくような風貌を持ちながら、じつに美しく、上品にそこにいる」(阿知波悟美)「ほかの役者と佇んでいるなかで、絶妙なバランス感覚を持っていらっしゃいます」(大西礼芳)などの意見。
【木南晴夏】
木南晴夏という声も複数あった。“再現ドラマの女王” 片岡明日香は「お芝居のなかでコメディは難しい。お若いのに、さらっと面白く演じてしまうところがすごい」と回答。
脚本家・武井彩氏も「悪役からコメディまで、幅広くこなせる演技力が秀逸。『あの役がよかった』と数々の印象を残しています」と絶賛した。
【山口紗弥加】
『カンナさーん!』(TBS系)で山口紗弥加と共演した芳野友美は、「背景での映り込み芝居にも気を抜かず、セッティングのときから雰囲気を作るために芝居を始める姿勢は、とても勉強になりました」と熱く話した。
【樹木希林】
テレビや映画に数多く出演する阿知波悟美は樹木希林を挙げる。
「樹木さんは、バイプレイヤーの最高峰といっても過言ではありません。理由を答えることすら失礼な気がします」
【阿知波悟美】
その阿知波を推すのは、バラエティ番組でも活躍する大島さと子だ。
「気のいいおばさん役から、嫌味で腹黒い悪女まで演技の振り幅が大きい。とくにイヤな女になった瞬間の目つきは、『本当に憎たらしい!』と思わせるところが素晴らしい(笑)」
【筒井真理子】
『花子とアン』(NHK)で共演した筒井真理子を推挙したのは、芳野友美。
「方言指導の立場であったので、役作りにも立ち会わせていただいたのですが、筒井さんは、わずかなシーンでも台本を読み込み、自分の役割を追求する方。完璧な演技プランを立てて撮影に臨む姿を見て、ただただ尊敬しました」
【麻生祐未】
加えて、麻生祐未についても語る。
「湧き出る存在感、哀愁、役の人物の背景などが滲み出て、とても厚みのあるお芝居をされる方です。観ていると、つい感情移入してしまいます」(芳野友美)