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永瀬廉『東京タワー』古臭いセリフや演出が恥ずかしい…アップデートされない内容に「誰得なの?」思わず疑問符

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.05.11 11:00 最終更新日:2024.05.11 16:29

永瀬廉『東京タワー』古臭いセリフや演出が恥ずかしい…アップデートされない内容に「誰得なの?」思わず疑問符

 

 イケメン大学生と40代美魔女の不倫劇……って、誰得なの?

 

 King & Prince 永瀬廉主演で、相手役を板谷由夏が演じる不倫ドラマ東京タワー』(テレビ朝日系)。

 

 2005年に岡田准一・黒木瞳で映画化もしている江國香織氏の同名小説を原作とした作品で、土曜23時枠で4月20日にスタート。先週の5月4日に第3話が放送された。

 

 ストーリーはいたってシンプル。ありふれた日常に飽き飽きしていた21歳の医大生・透(永瀬)が、45歳の有名建築家・詩史(板谷)と偶然出会い、惹かれ合い、禁断の恋に溺れていくというものだ。

 

 倍以上の年齢差がある不倫愛を描くが、役者の実年齢も永瀬が25歳、板谷が48歳なので倍近い。

 

 

■古臭いセリフや演出…観ていて恥ずかしい

 

 第3話まで視聴した率直な感想は、古臭くて観ていて恥ずかしい、というもの。演出やセリフがとにかく古めかしくて、一昔前の不倫ドラマのパロディを見せられているのかと思うほど。

 

 いくつか例をあげていこう。

 

 まず第1話冒頭。

 

「暗闇に浮かぶ東京タワーは、どこかいつも寂しそうだ。世界で一番、悲しい景色。彼女と出会う前の僕の目には、そう見えていた」

 

 上半身裸の透が東京タワーの夜景が見えるホテルの一室で、ワイングラスに入る水を飲みながら、このモノローグ。いきなり観ているこっちが恥ずかしくなるようなシーンから開幕するのだ。

 

 ちなみに、こういったアンニュイな雰囲気たっぷりのモノローグは要所要所で挿入されてくる。

 

 次に透と詩史の出会いのシーン。

 

 詩史の車の下に猫が入り込んで困っていたところに透がたまたま通りかかり、助けてあげる。すると詩史が「よかったらうちの事務所でシャワー浴びてかない?」と提案するのだ。

 

 さすがにこの日にいきなりカラダの関係を持つことはなかったが、初対面の若者に「シャワー浴びてかない?」って……。今のご時世ならセクハラで訴えられてもおかしくないセリフ。

 

 その後、約30秒も使った透のシャワーシーン。キンプリファンへのサービスカットのつもりなのだろうか、とにかくムーディーな演出がされている。

 

 そして、第1話のラストでさっそく2人がベッドイン。かなりのスピード展開だった。

 

 第2話では不倫関係をやめようとする詩史に対し、透があきらめずにどんなに愛しているかを語り、心が揺れ動く過程が描かれた。最後は詩史もこの恋を進めていく覚悟を決めたのか、「思い出したわ。……恋はするものじゃなく、落ちるものよ」と告げるのだ。

 

 このセリフ、名言と言えば名言なのかもしれないが、こんなさんざん言われ尽くされた言葉を重要シーンでもったいぶって使うものだから、“いまさら感” は否めないし、なによりダサい。

 

 もとの小説は2001年に刊行されたものなので、原作に罪はないと思うのだが、令和版としてもっと上手にアップデートできなかったものか……。

 

■キンプリファンも中年女性もハマれない?

 

 このドラマを観ていて心底思うのは、誰得なのか? ということ。

 

 公式サイトには《儚くも甘美な愛に日本中の女性が心震える》と書かれていたが、キンプリファンの若い女性たちが嬉々として観るとは思えない。相手役が倍ほど歳の離れた女優なので感情移入できないし、リアリティも感じられないのではないか。

 

 となると、ターゲットは板谷と同世代の中年女性たちで、感情移入して若い男との情事を妄想してもらおうという狙いなのかもしれない。 だが、そこも疑問。世の女性の感性を舐めすぎてないか? と思うのだ。

 

 このドラマを客観的に恋愛もの・不倫もののドラマとしてジャッジすると、古臭くて観ていられないというのが正直なところ。

 

 制作陣は “中年女性向け” 不倫愛ファンタジーをお届けしていると自信を持っているのかもしれないが、今のドラマファンは目が肥えているから、こんなセンスが古いセリフまわしや演出では、とても没入できないんじゃないだろうか。

 

 テレビ朝日では、前クールの『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』が不倫ドラマでヒットしたが、それは現実で不倫スキャンダルが出ていた篠田麻里子による吹っ切った濡れ場演技が、大いに話題になったから。ネットが盛り上がる仕掛けが何重にも張ってあったため、バズったのだ。

 

『東京タワー』には、そういった話題になるための仕掛けはあまりない。古臭いセリフや演出は、制作陣が一周まわって今の時代にウケると考えたのかもしれないが、残念ながら “一周まわれてない” のである。

 

 ――今夜放送の第4話では、透と詩史、そして詩史の夫の3人で食事のテーブルを囲むというヒヤヒヤ展開になるようだが、空回りしなければいいのだが。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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