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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』レイザーラモンRGさん(49)ーー スポーツ紙の一面を飾った “ハッスル”
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.06.08 06:00 最終更新日:2024.06.08 06:00
ーー次はどうしようか?
「普通でいいのよ、普通で。普通がいちばんよ」
何をもって普通というのかはともかくとして、ふだんはやるべきことをきちんとやっていれば、それでいいと思っているわたしですが、新曲のプロモーションとなると、そういうわけにもいきません。
場所は? ゲストは? どんな内容だったらテレビ、雑誌、スポーツ紙が取り上げてくれるのか!? 毎度毎度、侃々諤々(かんかんがくがく)……怒号、悲鳴、失笑、あーでもない、こーでもないと意見が飛び交います。
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そう、あれはのちに “伝説の赤フン事件” として、スポーツ紙の一面を飾ることになった『ふたりの大漁節/冬美のソーラン節』(2005年)のときのことでした。
まず決まったのは、ノリのいい楽曲なので、バックにイケメンを揃えて、賑やかに盛り上げるという基本コンセプトです。
イケメン? ふむ、ふむ。それはいい。大賛成です!
そう。ここまではよかったんですよ、ここまでは。ちょっと雲行きがおかしくなってきたのはここからです。
いまひとつインパクトに欠けると次に決まったのが、大漁節らしくガツンとぶちかまそうということで、上半身は裸で下はフンドシ一丁という出で立ちです。
「いいですね?」という声に、眉がピクンと動きましたが、それでもまだギリギリ許容範囲でした。その後、「いくらなんでもやりすぎでしょう」という必死の抵抗もむなしく決まってしまったのが、赤フン軍団による応援隊の結成です。
そして、そして、そして、この応援隊のリーダーに就任してくださったのが、レイザーラモンRGさん、本名・出渕(いずぶち)誠さんです。
当時、相方のHGさんは、腰を激しく振りながら「フォー!」と絶叫する芸で人気者になっていましたが、RGさんは雌伏のときを過ごしていらして。スベってもスベっても、目をぎらつかせていたその姿が、うちのマネージャーの目には、牙を研いでいるように映ったそうです。
細川たかしさんのものまねでご本人に認められ、 “こぶしたかし” という名前まで授かった今のRGさんを目にすると、マネージャーの眼力を認めないわけにはいきません。悔しいですけどね(笑)。
初めてお目にかかったのは、イベント当日です。衣装に着替えてスタジオに入ると、同じく衣装……といっても、赤フン一枚のお姿のRGさんに、「レイザーラモンRGと言います。今日はよろしくお願いします!」と、丁寧にご挨拶をしていただきまして、却ってこちらが恐縮したのを覚えています。
そして翌日、スポーツ紙の一面を飾ったのが例の写真……赤フン一丁でポーズを決めるRGさんの前で、ご満悦の表情を浮かべたわたしが立っている、奇跡のアンビリーバボーな一枚です。ジーザスです。わおっ! です。モゴモゴモゴです(笑)。
「見たわよ」
「いいわねぇ」
「見えちゃった!?」
その日一日、ケータイはメールの着信音が鳴り止まず、苦笑いを浮かべるしかありませんでした。
先日、何年かぶりに歌番組の収録でお目にかかりましたが、「姐さん!」と手を振りながら駆け寄って来てくださったRGさんの、真面目で何事にも体を張って全力でぶつかっていく姿は、あのころのままです。赤フンが紡いでくれたRGさんとのご縁に、あらためて感謝です。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『ほろ酔い満月』が好評発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋