松重豊主演で実写化されたドラマシリーズが好評を博し、モデルとなったお店やロケ地が“聖地化”している漫画『孤独のグルメ』。原作者の久住昌之氏が、ネット上で予期せぬバッシングに見舞われた。
発端は、久住氏による6月14日のXへの投稿だ。
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《楽しみにして来た蕎麦屋が改装して、タッチパネル注文になってた。それはいい。店員の態度がすごくそっけなくなった。これはタッチパネルとは関係ない。店内の雰囲気が冷たく、居心地悪い。味はおいしかったので残念。蕎麦まで到達せず、帰る》
ご本人としてはガッカリした思いを何気なく呟いただけだったのだろうが、この投稿が思わぬ反響を呼ぶことに――。
《でも貴方みたいなタイプのお客様が来ると一般的な飲食店の店員さんは気が疲れると思いませんか?》
《これからはタッチパネルが普通になるでしょうし、子どもの頃からそういう店に慣れていれば、店員がそっけない位の方が落ち着いて食べられるという世の中になっていくのだろうと思います》
《これからそういう店が増えそうですね。 逆にそういう店の方が居心地いいと感じる人もいるんです》
など、Xでは批判的な意見が飛び交った。
これが堪えたのか、20日になって久住氏は次のように連投した。
《ボクは特定の店を指して貶めることを書いたつもりはないです。タッチパネルをよくないとも言ってない。何度か来ている蕎麦屋に来て、酒と肴をおいしく食べたけど、その日はボクにとってあまり居心地がよくなかったから、長居せず蕎麦は食べずに帰りました》
《店では放っておいてほしいくらいで、「ちやほや」されるなんて絶対嫌。居心地は個人的な問題。でも思い上がった老害、かもしれない。これだけ連投で叩かれると、さすがに滅入りますね。巻き込んでしまった形の店には申し訳ありません》
と、なぜか謝罪に追い込まれてしまった。これには、
《私は久住さんの大ファンです。 「思い上がった老害」なんて感じたことありません‥ これからも久住さん流でいてください》
《感じた事を自然につぶやけなくなったらつまらないので、そっとミュートにして今まで通り変わらないでください》
《「イヤなこと言うAI」が返信してきたと思って、「AIも進化したなぁ」って思っていてください! 時代が進むと「タッチパネルではありません」がお店の売りになる時代が来そうですね》
と、続々と擁護する声が上がった。
《モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由でなんというか 救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静かで 豊かで……》
原作漫画の作中、輸入雑貨商を営む主人公の“井之頭五郎”が、こんなセリフを言う場面がある。ひとり静かに、豊かな“食”のひと時を持ちたかっただけの久住氏は、「こんなはずじゃなかったんだけどなあ…」とでもこぼしたいところではなかろうか。
( SmartFLASH )