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「劣化版かよ」大阪万博に横浜の “使い回し” ガンダム登場も集まる違和感…なぜ片膝姿なの? なぜ動かないの? 専門家に聞いた

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.06.28 20:19 最終更新日:2024.06.28 20:19

「劣化版かよ」大阪万博に横浜の “使い回し” ガンダム登場も集まる違和感…なぜ片膝姿なの? なぜ動かないの? 専門家に聞いた

「GUNDAM NEXT FUTURE EAST」の内覧会(2023年)

 

 2025年4月の開幕まで290日を切りながら、話題になるのは次から次へと噴出する難問ばかり。国内では期待どころか、まったく盛り上がりに欠ける大阪万博だが、久々に明るいニュースが飛び出した。

 

 6月26日、人気アニメ『機動戦士ガンダム』をテーマにしたパビリオン「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」の横に、実物大ガンダムが設置されることが発表された。

 

 この発表を受け、SNSでは歓迎の声があがったが、一方で、熱心なファンを中心に困惑が――。

 

 

「実物大ガンダム像を展示させるのは、関西圏では初の試み。今年3月まで横浜・山下ふ頭に設置され、大勢のファンが詰めかけたガンダム像(高さ18メートル)のパーツをほぼ再活用するとされています。

 

 ただ、横浜版が実際に機動するガンダムだったのに対し、大阪万博で展示されるガンダムは動きません。さらに、このガンダムは片膝をついて天空に右腕を大きく伸ばすオリジナルポーズなんです。原作にはない独特な姿だけに、違和感を覚えたファンも多いようです」(週刊誌記者)

 

 ポーズについては、パビリオンの高さ制限上、やむなく片膝立ちとなった可能性が指摘されている。ガイドラインを見ると、《パビリオンの高さは12m以内としなければならない》とあり、例外規定として、主動線(メインストリート)近くに位置する場合は17m、離れて位置する場合は20mまで、一部を高くすることが可能なのだ。

 

 大阪のガンダムは、頭頂高は12.31m。全高(高く掲げた指先まで)16.72m。ガイドラインに収めるため片膝立ちポーズになったとしたら、仕方ないとはいえ、やはり “ガッカリ感” も否めない。

 

 そのため、Xでは、

 

《これ、横浜で動いてたガンダムの使い回しでしょ? しかも(編集部注:万博会場の)夢洲では起立出来ないからあのポーズ。その上動かない。 何もかもが劣化版、目新しさも無い。 レガシーにはなり得ません》

 

 と批判的な声や、

 

《万博ガンダム お前、マリポーサの勝利ポーズから パクったろ つか、キャラによってこれほど ポーズの見え方が違うとは マリポーサはめっちゃカッコいいけど ガンダムは…》

 

 など、名作マンガ『キン肉マン』シリーズのひとつ「王位継承編」に登場した超人で、キン肉マンと王位を賭けた「キン肉マン マリポーサ」の決めポーズとの類似を指摘する声が相次いだ。

 

 大阪万博を専門家の視点から批判する建築エコノミスト・森山高至氏は、このガンダムプロジェクトについてどう見ているのか、話を聞いた。

 

「私自身、世代的にはど真ん中ですし、『ファーストガンダム』からの大ファンではありますが、いま万博の目玉とすることには疑問です。

 

 作品そのものは日本のロボットアニメの金字塔ではあるものの、未来社会をどうするかを考える万博に、40~50年も前の作品を引っ張りださないといけないくらいの知恵しか回らないのか、と残念な気持ちはあります。

 

 そもそも、万博のテーマと合致しているのか。『ガンダム』は戦争を描いたアニメ作品ですからね。“ジオン公国” とか今のイスラエルを連想させますし、世界観自体が内戦の話だから、ウクライナ戦争すら彷彿とさせるような……。そういう作品をあえて “未来への希望” につなげるような発想自体、相当無理があると思います」

 

 なぜ「動かない片膝立ちガンダムなのか」という疑問に対しては、こう分析する。

 

「12mの高さ制限を心配したのかもしれないけど、接地面積を少しでも増やしたい意図はあるかもしれません。垂直に立っているよりは、片膝立ちしているほうが安定しますから。

 

 あと、私は横浜で展示していたガンダムも見ていますが、あちらは機体の後ろにロケットの発射台のような、支えるための台座がありまして。そのドックタワーに18mのガンダムが格納されている構造だったんですよね。

 

 ある意味、4~5階建てのビルを建設しているのと同じような状況で展示されていました。そういう台座を準備するにも、夢洲では制約があったんじゃないかなという気がします。

 

 今回の万博ガンダムは動きませんが、動かそうと思ったら、それを支えるための建造物をガンダム像の裏側に建てないといけない。本当にビルの鉄骨作りと同じなので、おそらく基礎工事や杭打ち、コンクリートも必要となるでしょう。

 

 となると、埋め立て地の軟弱な地盤が不安だった可能性はありますよね。技術的にはおそらく問題ないでしょうけど、それだけ予算がかかるという費用面から、片膝立ちに落ち着いたのでは」

 

 現段階では、実物大ガンダムの展示が発表されただけであり、今後サプライズ的な発表がおこなわれる可能性もある。

 

「動かない設定とはいえ、片膝をついた状態で『片腕だけ動く』とか。あと、『ガンダム』のなかのシーンで実際にありましたけど、『モビルスーツの手のひらに人を載せて、コックピットまで持っていく』とか。そういうギミックが付け足される可能性もなくもないし、そうなったらファンは『あのシーンだ!』と感動して、ガンダム目当ての来場者も増えるのではないでしょうか」

 

 せっかく万博のシンボルとするなら、ぜひとも夢のある展示にしてもらいたいものだ。

( SmartFLASH )

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