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松岡茉優『ギークス』メインキャラより明らかな変人が単なるイケメン扱い…これじゃどう見ても「タイトル負け」だよ
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.07.18 11:00 最終更新日:2024.07.18 11:00
設定はおもしろいのに、その設定を活かしきれていない感じ。
松岡茉優主演の異色の警察ドラマ『ギークス ~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)。7月11日(木)に第2話まで放送されているが、評判がかんばしくない。
■設定はおもしろい異色の警察もの
「GEEK(ギーク)」とは “賢いオタク” といった意味で、興味のある分野にはとことん好奇心旺盛で、卓越した知識や技術を持っている人たちのこと。そのぶん、人間関係が苦手なケースも多いようだ。
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本作は警察署内の飲み仲間である3人の女性(GEEK)にスポットを当てた物語のため、『ギークス』というタイトルになっている。
松岡が演じる主人公・西条唯は鑑識官。頭脳明晰で優秀なのだが、ムダな労力が大嫌いで、サクッと定時に帰りたい。コミュ障で、この後に紹介する飲み仲間2人以外とは仲よくなろうとしない。
田中みな実が演じる吉良ます美は、警察署内の産業医。相手の行動や表情を見て瞬時に心の内を読み取るなど、心理分析に長けている。初対面でもすぐに親しくなれるタイプでイケメン好き。
滝沢カレンが演じる基山伊織は交通課員。地図が大好きで、警察署管内の地理がすべて頭に入っているのはもちろん、全国の地理にも詳しい。論理的な考え方をし、曲がったことを許さない生真面目な性格。
この3人が飲み仲間で、週末に行きつけの居酒屋に集まって飲み会をしながら、それぞれの得意分野を活かし、井戸端会議のノリで事件解決へスーパーアシストするという異色の警察ドラマである。
■役者本人のほうがよっぽど変人?
設定はおもしろいので放送前は期待していたのだが、フタを開けてみると “タイトル負け” していると感じた。
『警察署の変人たち』というほど、変人ではないのだ。
主人公の西条は常に挙動不審で極端なコミュ障なので、「変人」と言われて納得できるが、残り2人の変人感は薄め。
吉良は占い師の予言に右往左往したり、基山はバスの車内放送を録音したりと、奇行めいたことはしているが、ふだんはけっこう常識的な言動ばかり。
なんだったら、演じている田中みな実本人や滝沢カレン本人のほうが、よっぽど個性的な気さえする。田中と滝沢がバラエティ番組やトーク番組で見せている変人感を、ドラマ内のキャラが超えていない。
そんなこんなで、『警察署の変人たち』に名前負けしているように思えるのである。
■“ピュアなイケメン” のほうが変人
メインキャラ3人のうちの2人が言うほど変人じゃないという問題がある一方、劇中でまったく変人扱いされてないキャラが変人すぎるため、設定がボヤけてしまっているようにも感じる。
イケメン俳優・白洲迅が演じている安達順平というキャラが、強引すぎてけっこうヤバいのだ。
安達は、西条が住むマンションの隣の部屋に引っ越してきた青年。西条に恋心を抱いているようで、仲よくなろうと猛アプローチしてくる。
だが、まず初対面のあいさつで、西条がドアを閉めようとしているのに強引に閉じさせないようにし、会話を続けてPCや家電の設置を手伝わせる。
後日、今度は家に入ろうとする西条の腕をガッと掴んでデートに誘うのだが、その間、ずっと彼女の腕を離さない。
さらにその後、ファミレスデートをして、西条からいい意味での “無害認定” をされると、「やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」と、歓喜の雄叫び。閑静な住宅街の夜に奇声レベルの絶叫をするのだ。
劇中の安達はピュアなイケメンといった扱われ方をしているのだが、現実でこんな男がいたら、変人をとおり越してホラーなレベル。安達はいつもニコニコしている温厚な性格なのだが、その柔和な笑みが逆に怖さを掻き立てている。
変人でなくてはならないメインキャラ2人の変人度が低く、劇中では変人扱いされていないイケメンがけっこう怖い変人のため、どうにも “観づらい” のだ。
今夜放送の第3話以降で、田中演じる吉良と滝沢演じる基山の変人度がもっと高まってくれば、それに比例しておもしろさも高まってくるのではないか――。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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