7月26~7月28日にかけておこなわれ、大盛況で幕を閉じた「フジロックフェスティバル’24」。
そんな日本最大級の夏フェスでの、撮影ルールをめぐる人気ロックバンドのボーカルの私見に、大きな反響が寄せられている。
「フジロックは、公式サイトの開催概要内『FAQ』で、《会場内にカメラ・ビデオカメラ等の持ち込みは可能ですが、出演アーティストの撮影は禁止です》と、注意事項を記載しています。しかし、近年はルールを破る観客が後を絶たない状況です。7月27日に出演したドイツのエレクトリック・バンド『クラフトワーク』の演奏では、一部の観客がライブを撮影し、ネット上にアップしたことで拡散され、物議を醸していました。
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しかし一方で、海外のライブでは、スマホ撮影が当たり前とされている現状もあり、SNSではライブを撮影することに対するさまざまな意見が飛びかいました」(音楽ライター)
こうした状況に、一石を投じたのが、テレビアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』のオープニングテーマ「The Rumbling」などのヒット曲でも知られるロックバンド「SiM」のボーカル・MAHだ。
自身のバンド「SiM」が主催する野外フェス「DEAD POP FESTiVAL」を続けてきたMAHは、「海外のライブはほぼ撮影OK」とするユーザーの投稿を引用し、
《てかそんなにライブって撮影したいもの? スマホ出さずに楽しめてるならそれが一番では?》
と切り出すと、続けて、
《日本でも撮影OKになったとして最初はみんな記念にちょこっと撮るくらいだろう でもそのうち一眼やGoPro持ちこむやつが出てくる セットリスト全部録画、YouTubeにあげて小銭稼ぐやつが出てくる インフルエンサー様がライブ中にバズる動画撮り出す そして客が客を撮り出す アーティストのライブは「動画のBGM」に成り下がる 絶対そうなる。海外はなってる。先にあるのは「自由」さらにその先に「無法地帯」》
と、思いのたけをぶちまけた。さらにMAHは自身の体験として、
《海外公演でThe Rumbling演奏する瞬間の 全員がカメラ向けてくる時の気味の悪さったらないですよ 最前列の子の目を見て歌っても、スマホぐぃーーってこっちに突き出してその子は画面見てるから目が合わない(笑) 動物園の檻の中みたい アーティスト側は喜んじゃいないよ 海外じゃあもう規制のしようがないから諦めてるだけ 日本は国民性のおかげでまだ「撮影禁止」が通用する それでいい 変える必要なんてない》
として、日本の《この特殊な文化を誇るべきだと思う》と持論を展開した。Xでは、多くの称賛が集まった一方で、少数派ではあるものの、
《邦楽が撮影に関して閉鎖的なのは要するに稼げてないからなんですよ 純粋に経済的理由です U2やコールドプレイは死ぬほど金持ってますから禁止しませんし》
といった声があがっている。
「ここで注目したいのが、2024年6月に音楽系のWEBメディア『ローリングストーン』上でおこなわれた、フジロックを主催する株式会社スマッシュ社長の佐潟敏博氏と、サマーソニックの企画・運営を手がける株式会社クリエイティブマンプロダクション代表取締役の清水直樹氏の対談です。
2人は対談のなかで、『日本と海外の、ライブ中のスマホ撮影のギャップ』について言及しました。清水氏は『アーティストがOKな場合はOKなんですよ』『ガチガチにそのルールを運用するしかないけど、果たしてそれが自由なフェスと言えるのか。疑問をずっと持っている』と言及しています。これを受けて佐潟氏は『個人的にはいいんじゃない?と思います』と話したうえで『単独公演ならともかく、規制しようがないですからね。フェスで急に捕まえても楽しくないですよ』と、日本の“厳しすぎる撮影マナー”に反対しているんです。
今後は、徐々に緩和されてくのではないでしょうか」(音楽誌ライター)
“世界基準”は日本のミュージシャンにとって、是か非かーー。
( SmartFLASH )