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役者と農業経営の二刀流…小林涼子の元気の源は祖父手作りの“すっぱっ!”梅干し

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.08.24 06:00 最終更新日:2024.08.24 06:00

役者と農業経営の二刀流…小林涼子の元気の源は祖父手作りの“すっぱっ!”梅干し

祖父が梅と塩だけで漬けてくれたという梅干し

 

 恋愛関係は解消したけれど、まわりには「俺の元カノ」と、ついつい自慢したくなるような彼女……。そんな役が最高に似合う役者、それが“みんなの元カノ”と呼ばれている小林涼子(34)だ。

 

「最初は、“みんなの元カノ”と言っていただくことに照れくさいような、素直に喜んでいいのかどうかわからない気持ちもあったんですけど(笑)、一度は過去最高の女性だったと思ってもらえたということなので、個人的にはすごく気に入っているキャッチフレーズです」

 

 こんな小林だが、テレビ朝日系オシドラサタデー『青島くんはいじわる』(毎週土曜23時)ではバリキャリの役。放送中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』では、主人公・猪爪寅子の先輩、久保田聡子を好演。“みんなの元カノ”から、キリリとしたカッコいい役に変身している。

 

 

「もうちょっと、エモくいたかったなぁというのはあるんですけどね(笑)。でも、どっちも楽しいです」

 

 4歳で芸能活動をスタート。中学3年だった2004年に、ドラマ『一番大切な人は誰ですか?』(日本テレビ系)で宮沢りえの娘の役を演じるなど、順風満帆だった10代から、20代に入ると一転して“暗黒の時代”に突入する。

 

「オーディションにも落ちまくって。たまに役をいただけても、納得できる演技ができなくて……毎日“こんちくしょう!”と思っていましたし、ふてくされてばかりの20代でしたね(苦笑)」

 

 そんなときに出会ったのが、小林のもうひとつの顔である、バリアフリーに取り組む「株式会社AGRIKO」を起業する因になった、農業だった。

 

「最初から農業を仕事にしようと思っていたわけではなく、リフレッシュのため、家族とともに訪れた新潟で“やってみる?”と、ふんわりとした感じで言葉をかけていただいて。非力なので、最初は苗箱を洗ったり、トラクターに乗ったりと、徐々に自分にできることをやっていた感じでした」

 

 転機が訪れたのは2021年。家族の体調不良で、新潟で農業を手伝うことができなくなり、それまで当然のように食べていた、自分で作ったお米を食べられなくなる危機を感じた。

 

「ショックでしたね。そのときに気づいたんです。食べられるというのは、当たり前じゃないんだと。起業しようと思ったのはそのときです」

 

 事業計画を立て、定款を作り、会社を登記。ひとつのチームとして組織を運営し、代表取締役として決算書にも目を通している。

 

「バイトもしたことがなかったので、めっちゃ大変でした。名刺の渡し方もわからなかったし、仕事のメールに絵文字を使ったりもしていましたから。“社長”と呼ばれないのは、私が頼りないからかもしれません(笑)」

 

 役者と会社経営の二刀流。大変さはあるが、役者としてプラスになったこともたくさんあったと笑みをこぼす。

 

「起業する前は、台本には書いていない性格とか、どんなものが好きなのかを考えていましたが、いまはその人の職業や年収を考えることで、より具体的なことが見えるようになってきました」

 

 美容院やネイルサロンにはどのくらいの頻度で行くのか? 食生活は? 住んでいるところは? 役へのアプローチが変わった。

 

「ドラマ『青島くんはいじわる』の鈴木タカコは、結婚6年めのバリキャリということは、生活水準はこれくらいだろうと想像して。『虎に翼』の久保田先輩は、あの時代に法律を学べる女性ということは、裕福な家庭だろうから、知性と品性があって、なおかつ前衛的で進歩的な性格だろうから……うん、髪はモダンで短いほうがいいよねとか、そういう準備ができるようになりましたね」

 

 そんな小林の元気の源は、亡くなった祖父が梅と塩だけで漬けてくれた梅干し。今回、持ってきてくれたのは、平成8年ものと12年ものの2種類だ。

 

「浅いものは、“しゅっぺっ”という感じなんですけど、古いものは“すっぱっ!”に加えて独特の味があるんです。おじいちゃんが大量に漬けてくれていたので、一生食べられるくらいあります」

 

 自分で手をかけた白いご飯に、祖父が漬けてくれた梅干し。ちょっと疲れているなぁとか、調子が悪いなぁと感じたときも、これがあれば百人力。食べると気持ちがスッとするという小林に、最後にこんなことを聞いてみた。

 

――これからやってみたい役はありますか?

 

「20代のころは、ああなりたい、こんな役もやってみたいというのがありましたが、いまの目標は、“どんな役でもいい、求め続けられる役者でいること”です」

 

 5月には、農業以外にも、アートと教育分野に事業を拡大。役者としては、『青島くんはいじわる』が、クライマックスに突入している。

「会社経営も役者もどっちも本気。マックス120%です」

 

『虎に翼』“久保田先輩”の再登場にも期待してます!

 

こばやしりょうこ

1989年11月8日生まれ 東京都出身 子役としてキャリアをスタート。映画、テレビドラマのほかに、J-WAVEナビゲーターなど幅広く活動。2021年に、AGRIKO(アグリコ)を設立。農林水産省の農福連携技術支援者を取得し、現在は世田谷区と品川区で、農福連携の循環型農園・アグリコファームを展開している

 

写真・中村 功 取材&文・工藤 晋

( 週刊FLASH 2024年9月3日号 )

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