エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

尾碕真花 『虎に翼』での熱演が話題、役者のイロハを綴った“真花ノート”の中身は「絶対に見ちゃダメです!」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.08.31 06:00 最終更新日:2024.08.31 06:19

尾碕真花 『虎に翼』での熱演が話題、役者のイロハを綴った“真花ノート”の中身は「絶対に見ちゃダメです!」

先輩からのアドバイスや役作りのヒントが書かれた「自分のためだけのノート」(写真・田中智久)

 

 スーパー戦隊シリーズ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年・テレビ朝日系)のヒロイン、アスナ/リュウソウピンク役で注目を集めた尾碕真花(おさきいちか・23)がデビューのきっかけを掴んだのは、2012年の「第13回全日本国民的美少女コンテスト」だった。

 

「このとき私は小学6年生。中学までは学業優先でしたから、どこにでもいる普通の“田舎の女のコ”でした(笑)」

 

 ただひとつ違っていたのは、週末の東京通い。そこでは演技、ダンス、歌、ウオーキングに、英語、中国語、韓国語と、予想もしていなかった過酷なレッスンが待っていた。

 

 

「私は何をやっているんだろう、これはとんでもないところに来てしまったぞ、という気持ちでした。なかでも演技に関しては、なんでこんなに大勢の人の前で演技しなくちゃいけないんだろう、恥ずかしくて私には無理だと(苦笑)」

 

 転機になったのは、高校進学で東京に出てきたことだという。

 

「マネージャーさんが、東京に出てこない? と誘ってくれて。私自身、行くからにはこの仕事を好きになるしかないという小さな覚悟を持って、“行けばなんとかなるんじゃないの”という母の言葉を信じて、思い切って東京に出てきました」

 

 嫌いだった芝居をいつ好きになったのか、そのきっかけとなる作品はなんだったのか?

 

「私の中でこれ! というものはなくて。芝居を観てくださった方に“コイツ全然ダメじゃん”と思われるのが嫌で。“だったらやってやろうじゃない”という気持ちでした」

 

 気がついたら、いつの間にか「お芝居って楽しいぞという気持ちになっていました」と笑みをこぼす。こうして着実に力をつけて階段を上がってきた尾碕が、ヒソモノとして見せてくれたのは――。

 

「ワークショップのエチュードで習った膨大な知識。先輩からのアドバイス。これは大事だぞ! と思ったこと。役作りのためのヒント。自分のセリフ……もうなんでも書いてある、自分のための自分だけのノートです」

 

――ちょっとだけ、中を見せていただくことは?

 

「ダメです。絶対にダメです(苦笑)。“呼吸するのは自分がセリフを言う前じゃなくて、相手がセリフを言っているときに”とか、初歩の初歩すぎて恥ずかしくなることや、なんでこんなこと書いたんだろうと思うことなどがたくさん書いてあるので(笑)」

 

 もうひとつ、この“自分ノート”のポケットに大事にしまっているのは――。

 

「作家の一木けいさんからいただいたお手紙です。一木さんのファンで、SNSをフォローしていたらそれを返してくださって。それだけで十分に嬉しかったのですが、去年、私が出演した映画を観てくださった一木さんが、このお手紙を残していってくださったんです。これは、私の宝物です」

 

 人は人、自分は自分。一人でいるのも寂しくないし、みんなとワイワイやっているのも好きだという尾碕。

 

 そんな彼女が、小栗旬演じる北条義時の異母妹・あき役で出演したNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)に続き、今回オーディションで勝ち取ったのが、国民的番組として視聴率ランキング1位を維持し続けているNHKの連続テレビ小説『虎に翼』。8月第3週から伊藤沙莉、岡田将生ファミリーの一員として登場している。

 

「出来上がっている輪の中に途中から入っていくのは大変なのかなと、少し不安もありましたが、伊藤さん、岡田さんを始め、キャストの方、スタッフの方がすごく温かく迎え入れてくださって。へんに気負うこともなく、縮こまることもなく、伸び伸びとお芝居をさせていただいています」

 

――ちなみに、“自分ノート”に『虎に翼』のことは?

 

「もちろん書いています。内容はお見せできませんが、1話からず~~~っと、観た感想と一緒に“このシーンは素敵だったなぁ”とか“早く私もこの輪に入りたい”とか、好き勝手に書いています」

 

 役者の仕事は受け身の世界。こんな役がやりたいと思っていても、それがかなうとは限らない。

 

「役者の世界しか知らないし、この仕事しかできない。すごく楽しいし、毎日が充実している。だからこの仕事は神様からのプレゼント。神様から“あなたはこの仕事しかできないでしょう”と言われているような気がします(苦笑)」

 

 夢は諦めたらそこで終わる。だから持ち続けていたい。いつか大好きな作家、一木けいの小説を映像化することがあったら……そのときは、尾碕真花がいると。

 

おさきいちか
2000年12月2日生まれ 高知県出身 2012年「第13回全日本国民的美少女コンテスト」にて、審査員特別賞を受賞しデビュー。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、『早朝始発の殺風景』(WOWOW)を始め、映画、舞台と幅広く活躍する若手注目女優の一人。8月29日よりNetflixシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』では、主人公・唯千花の親友、小森恵麻を演じている

( 週刊FLASH 2024年9月10日号 )

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る