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松本若菜『わたしの宝物』主演失敗の予感ふつふつ…想像を上回る「後味の悪さ」で大量の “視聴者離れ” 危惧

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.10.24 11:00 最終更新日:2024.10.29 15:24

松本若菜『わたしの宝物』主演失敗の予感ふつふつ…想像を上回る「後味の悪さ」で大量の “視聴者離れ” 危惧

 

 

 重い……あまりに重すぎて観るのがかなりしんどい。松本若菜、この作品を選んだのは失敗だったのではないかとの予感がふつふつする。

 

 10月17日(木)からスタートした松本主演のドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)。

 

 なんとこの作品、夫以外の男との子を妊娠し、夫との子だと偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」がテーマ。松本演じる主人公が、不倫相手の子を授かり、夫を騙して育てていくストーリーだ。

 

 

田中圭演じる夫のモラハラ三昧がしんどい

 

 結婚前はバリバリ働いていたが、子づくりを視野に苦渋の決断で仕事をやめ、専業主婦になった神崎美羽(松本)。だが、大手商社に勤める夫・神崎宏樹(田中圭)は、表向きは「よき夫」を演じているが、多忙でストレスが溜まっているのか、鬱憤を晴らすように家のなかではモラハラ三昧。

 

 美羽が妊活の話をしようとすると、「家でも気遣わなきゃいけないのか」とあからさまに不機嫌になり、空気をよくしようと美羽がニコッとすると「笑うなよ!」と理不尽に叱責。いざ妊活の話を切り出すと、イライラして「悠長にまだ俺の時間使う?」とキレるのである。

 

 宏樹が美羽に刃物のように尖った暴言をぶつけるシーンが、観ていて本当にキツイ。テーマがテーマだけに、視聴前からしんどそうなドラマだなと覚悟していたものの、第1話視聴後、当初の想像を上回る後味の悪さに驚いた。

 

 さすがに激重すぎる。なんでわざわざ貴重な時間を使って、気分が悪くなる映像を観せられなくてはいけないのかと、腹立たしささえ覚えたほどだ。

 

 そんな夫からのモラハラに心が疲弊していたときに、中学時代の幼なじみで想いを寄せ合っていた冬月稜(Snow Man・深澤辰哉)と数十年ぶりに偶然再会。彼のやさしさに触れ、美羽と冬月は一度だけ関係を持ってしまい、そして彼の子を妊娠して――という展開だった。

 

 我慢して最終話まで観れば、大きな感動や気づきが得られるのかもしれないが、それまで苦痛に耐えて観続ける価値があるのかどうか……。仮に最終的にプラスの感想になるとしても、それまでのマイナス感情が積み上がりすぎるなら、正直、観るのをやめたい。

 

■『やんごとなき一族』の怪演で脚光を浴びる

 

 現在40歳の松本は、ようやくブレイクした遅咲き女優。

 

 20代前半に上京し、2007年に『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)でデビューするも、その後、鳴かず飛ばずの時代が長く続いた。数々の飲食店など、33歳ごろまでバイトしていたという。なかでもカフェバイトの勤務歴は長く、料理長を任されていたそう。

 

 下積み時代、苦労を重ねた松本がようやく日の目を見たのが2022年の『やんごとなき一族』(フジテレビ系)だった。超セレブ一家の愛憎劇で、土屋太鳳演じる主人公をいびり倒す悪女役。ドロドロな昼ドラを彷彿させる顔芸は強烈ながらどこかコミカルで、その怪演ぶりが「松本劇場」と称され、脚光を浴びた。

 

 そして、GP(ゴールデン・プライム)帯初主演となった前クールのラブコメ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)が大ヒット。主人公は、明るくコミュ力の高いキャラ。男性への恋心に気づき右往左往するが、アラフォーながら痛々しさはなく、むしろとてもキュート。松本が演じたからこそ、極上のラブコメになったと言っても過言ではない。

 

■コミカルな演技しかできないわけではないが……

 

 松本にとって、『やんごとなき一族』と『西園寺さんは家事をしない』が飛躍のターニングポイントとなったわけだが、この2作品には共通点がある。

 

 それは、松本のコミカルな演技が高く評価されて注目を集めた点だ。

 

『やんごとなき一族』はコメディ作品ではないが、松本はコミカルな怪演で同作の話題をかっさらった。『西園寺さんは家事をしない』ではコメディエンヌとしての才能をいかんなく発揮し、ヒットに導いた。

 

 断わっておくと、松本がコミカルな演技しかできないわけではない。

 

 たとえば、昨年10月期の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)ではクールな刑事役、今年1月期の『君が心をくれたから』(フジテレビ系)ではミステリアスな案内人を演じた。両作ともシリアスな作風ながら、バイプレイヤーとして出演した松本はその世界観に溶け込み、作品のクオリティアップに貢献している。

 

 松本はシリアスな演技も卒なくこなすが、彼女のキャラが高評価を獲得したのはコミカルな演技だったわけである。

 

■松本の黒歴史にならないことを願うばかり

 

『わたしの宝物』はコメディ要素が1ミリもない作風で、当然、松本もコミカル演技を完全封印。彼女の役者としてのよさを殺している気がするのだ。

 

 観るのがしんどすぎると、視聴者離れして大コケしかねない。そうなると、せっかくの遅咲き大ブレイクに水を差すことになるだろう。つまり、今後も主演俳優として第一線で活躍できるかどうかの岐路に立っているのでがないか――。

 

 もちろんアタリ役がコミカルなキャラばかりでは幅を狭めてしまうため、役者としての幅を広げるという意味では、シリアス作品でヒット作を出しておくことも必要だろうが、はたしてどうなるか。

 

 今夜放送の第2話以降で、ただただ重苦しい状況から脱却していき、カタルシスを得られる展開になることを期待したい。松本の黒歴史にならないことを願っている。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

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