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とんねるず 名曲多数でも「真ん中にお笑い」のカッコよさ…演奏陣まで「モジモジくんの格好を」【武道館ライブ直前】
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.03 06:00 最終更新日:2024.11.03 06:08
2024年11月8日、9日、29年ぶりとなるとんねるずのコンサート「TUNNELS THE LIVE 2024 Budokan」が日本武道館で開催される。チケットは即完売し、あるチケットサイトでは25万円ものプレミア価格がつくほどの人気ぶりだ。
帝京高校の同級生だった石橋貴明(63)と木梨憲武(62)は、『情けねえ』(1991年、73万枚)『ガラガラヘビがやってくる』(1992年、140万枚)『一番偉い人へ』(同、60万枚)など、シングル21枚、アルバム14枚(ミニアルバム含む)をリリースしているミリオンセラーアーティストである。そんな実績を持つお笑いコンビは、とんねるず以外に存在しない。
とんねるずは、1985年から1995年まで毎年新作アルバムをリリースし、ライブツアーをおこなった。ギタリストの松本光雄氏は1990年から最後のツアーまで参加し、1993年からはバンドマスターとして音楽活動を支えてきた。
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「バンドに加入して最初に驚いたのは、『キャー!』と叫ぶ観客の声援の大きさです。曲に入るとき、ドラムがハットを叩いて入れるカウントが、声援にかき消されて聴こえませんでした。僕もね、ほかのアーティストで西武球場や日本武道館などの大きな会場でのライブを経験していましたが、カウントが聴こえなかったのは初めてでしたよ」
とんねるずの音楽は、ムード歌謡、ポップス、スカ、レゲエ、サンバ、ハードロックなど、演奏するジャンルの幅が広いため、ミュージシャンには高いスキルが求められた。
「『演奏が上手な人を集めてくれ』と言われましたが、なかなかそれは難しかったですね。というのも、とんねるずはテレビ番組で歌を披露する機会が多かったので、バンドメンバーにもバラエティに対応する能力が求められるんですよ(笑)。モジモジくんの格好をしたり、ちょんまげのカツラをつけたり、『ガラガラヘビ』では着ぐるみに囲まれて演奏したり……」
あるとき、松本氏は石田弘氏(現フジテレビ・エグゼクティブ・プロデューサー)からこんな相談をされた。
「『コーラスの女性2人に猿の格好をしてもらいたい。お前から頼んでみてくれ』と言われて、『え? 俺が頼むんですか?』って(笑)。はたして、彼女たちも楽しんでやってくれました。そんな遊びの要素を一緒になっておもしろがれるミュージシャンたちだったので、団結力がありましたね」
とんねるずは、バンドマスターの目にどんなふうに見えていたのだろうか。
「2人は歌手というより、コメディアンだという意識が強かったように思います。日本歌謡大賞を受賞した『情けねえ』や『一番偉い人へ』など、心に染みる歌がたくさんあるのに、真ん中に “お笑い” を置いている。自分たちは生粋のアーティストではない、という照れ隠しもあるんじゃないかな。そこが、男としてかっこいいなと思いますね」
【松本光雄氏が選ぶ「とんねるず」3曲】
1『情けねえ』泣かせる曲
2『一番偉い人へ』志を高く持てというメッセージ
3『嵐のマッチョマン』楽しい曲
まつもとみつお
ギタリスト。17歳でデビュー。チューリップ、渡辺美里、石井竜也(米米クラブ) 、大橋純子、永井真理子ほか、多くのアーティストのレコーディングやコンサートツアーに参加。現在、パーソナルレッスンや各種楽曲制作などをおこなっている