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『わたしの宝物』モラハラ夫・田中圭の善人化が素直に喜べない…展開が気になるも感情が揺さぶられすぎて観るのがしんどい

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.07 11:00 最終更新日:2024.11.07 11:23

『わたしの宝物』モラハラ夫・田中圭の善人化が素直に喜べない…展開が気になるも感情が揺さぶられすぎて観るのがしんどい

 

 

 続きが気になるストーリーではあるし、「感動する」「おもしろい」と感じる視聴者の感性を否定する気は毛頭ないのだが……個人的にはやっぱり観るのがしんどすぎる。

 

 10月31日(木)に第3話まで放送されている松本若菜主演のドラマわたしの宝物』(フジテレビ系)のことだ。

 

 夫以外の男との子を妊娠し、夫との子だと偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」がテーマで、松本演じる主人公が不倫相手の子を授かり、夫を騙して育てていくストーリーである。

 

 

■第1話と第3話で田中圭の印象が真逆

 

 衝撃的な第1話から賛否両論が巻き起こっているが、ざっと第3話までのストーリーをおさらいしておこう。

 

 専業主婦の神崎美羽(松本)は、大手商社に勤める夫・神崎宏樹(田中圭)からの辛辣なモラハラに耐える日々を送っていた。そんなとき、中学時代の幼なじみで想いを寄せ合っていた冬月稜(Snow Man・深澤辰哉)と数十年ぶりに偶然再会。美羽と冬月は一度だけ関係を持ってしまい、そして彼の子を妊娠。

 

 美羽が冬月と生きていこうと考えていた矢先、彼が渡航先のアフリカで大規模テロの被害にあい、亡くなったというニュースを知る。悲嘆する美羽だが、わが子を守り抜くため、宏樹には2人の間にできた子だと偽って出産。

 

 モラハラ三昧の宏樹だが、子が産まれたことがきっかけで改心。宏樹のモラハラは会社の上司からの強烈なパワハラによるストレスが原因だったのだが、その上司に反抗してでも家族との時間を作ることを優先し、美羽と子に愛情を注ぐようになる。

 

 美羽は夫を騙していることに罪悪感を抱きながらも、宏樹の変化に家族としての絆を感じ始めていた。しかし、実は冬月が亡くなったというのは誤報で、彼が日本に帰ってきて再会して――というのがおおまかなあらすじだ。

 

■主人公の「罪」に対する「罰」が皮肉

 

 まず注目したいのが、第1話で激烈クズに見えていた夫・宏樹が、第2話から第3話で大幅に印象が変化したこと。特に第3話ではやわらかな表情を見せるようになり、このキャラへの好感度が急激に上昇している。

 

 今夜放送の第4話で、宏樹は行きつけの喫茶店のマスターや美羽の親友に、妻のために自分のできることはなにか相談するほどまでになり、美羽もそんな夫のやさしさを感じ取っていくという展開になりそうだ。

 

 けれど、主人公を苦しめていた悪役の善人化は、本来ならカタルシスを喚起するシーンなのだが、美羽も、そして視聴者も、そのいい変化を素直に喜べないのだ。

 

 その複雑な感情を抱かせることこそが、まさに脚本家や制作陣の狙いなのだろう。夫が改心すればするほど内心苦しくなっていくのが、美羽の犯した「罪」に対する「罰」に違いない。

 

 ただ、宏樹が改心した要因は確実に子の誕生であるため、美羽が罪を犯していなければきっと善人化することもなかったというジレンマもある。宏樹からのモラハラに限界が近づきつつあっただろうから、子どもができていなければ離婚していた可能性も高い。

 

 つまり、美羽が「托卵」を決断しなければ、宏樹との結婚生活の継続も、宏樹の善人化も、宏樹との愛の再生も、すべてがなかっただろうというのは、なんとも皮肉だ。

 

■「托卵」というテーマから結末を予想

 

 このように、非常に感情が揺さぶられる怒涛の展開が続いており、実によくできた物語だとは思う。

 

 だが、必ずしも「感情が揺さぶられる=感動する」ではない。

 

 あくまで好みの問題なのは前提だが、筆者はこの感情の揺さぶられ方をポジティブに捉えることができず、気持ちが重く暗くなり、観続けるのがかなりしんどいのである。

 

 前述したとおり、第4話では宏樹の善人化がさらに進むようだが、冬月とも再会しているので、美羽は愛情を向けてくれる2人の男の間で心が揺れ動くことになるのだろう。

 

 本作の今後の展開を予想するうえで、最大の焦点となるのは「美羽がどちらを選ぶのか」ということだ。

 

 少女漫画の王道的な物語なら、中学時代からの幼馴染みでヒロイックな言動をしてくれる冬月と結ばれるのかもしれない。しかし、それだと「托卵」というテーマの意味がなくなるため、宏樹と離婚して冬月と再婚するというハッピーエンドはなさそう。

 

 とはいえ、このまま宏樹を騙し続け、偽りの「幸せ家族」のままエンディングを迎えるということもないだろう。

 

 となると、宏樹にはバレるか美羽が自白するかで、冬月の子だということが知られてしまい、宏樹は苦しみ葛藤するも、最終的には離婚せずに「托卵」を受け入れる――という結末になるかもしれない。

 

 今夜放送の第4話も、正直、観るのはしんどい。けれど、今後の展開や結末が非常に気になるのも事実。なんだかんだで脚本家や制作陣の術中にハマっている。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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