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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』笹野高史(76)さん&&太川陽介(65)さんーー 20年たっても “おかん婆さん” は、艶っぽさもコミカルな演技もあの頃のまま
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.16 06:00 最終更新日:2024.11.16 06:15
「冬美ちゃん、元気だった?」
学生時代の友人に道で声をかけられたのはいいけれど、その変貌ぶりに昔と今の顔がすぐには結びつかず、あれ? あれ? あれ? と首を傾げることがあります。
男の方ならお腹がぽっこり、頭髪は……モゴモゴ、若いころの爽やかさはどこへやら。一方女性は、シワやらシミやら、お肌の曲がり角はとうの昔……。
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「ほら、隣の席だった◯◯よ」と、そこまで言われて、あぁそういえば、どことなく面影が……ということが、しばしばあります。そういうわたしも人のことはいえませんが、モゴモゴモゴ(笑)。
ところがです。何年たっても、その雰囲気がお変わりないという方もいらっしゃって……10月31日から舞台でご一緒させていただいている笹野高史さんもそのお一人です。
コミカルなものからシリアスなものまで、なんでもこなされる笹野さんを初めてわたしが拝見したのは、およそ20年前、今回と同じ、五木ひろしさん主演の名作『喧嘩安兵衛』の舞台でした。
笹野さんが演じたのは、おかん婆さん。当時、笹野さんは50代でしたが、あるときは右から左に舞台を走り回り、またあるときは柱に飛び移り、八面六臂の大活躍で、笹野さ んが何かやるたびに、客席はドッカンドッカン。笑いの渦に投げ込まれた感じで、お腹が痛くなるほど笑っていました。
あれから約20年。笹野さんのおかん婆さんは、艶っぽさもコミカルな演技もシャープな動きもあのころのままで、とても御年76歳には見えません。
笹野さんと同じ76歳で、立ち回りを演じる五木さんから出演を依頼されたとき、笹野さんは「どこまでできるかわかりませんが……」という前置きの後、「五木さんが頑張るなら僕も頑張ります!」とおっしゃったそうですが、とんでもない。笹野さんと死人役・曽我廼家寛太郎(そがのやかんたろう)さんの掛け合いでは、今回も会場中に笑い声が溢れています。
そして、この舞台にはもうお一人、清水一学役で出演される太川陽介さんも笹野さんと同じで、若いころとお変わりありません。
太川さんといえば、爽やかな笑顔とともに右手でおいでおいでをする振付 “ルイルイ” で大ブレイクしましたが、笑顔と若々しい雰囲気は当時のままです。
太川さんの『Lui-Lui』が大ヒットした1977年、10歳のわたしもあのポーズをまねしていた記憶がありますが、わたしの本命はトシちゃん(田原俊彦)。太川さんの沼にすっぽりとハマったのは、3歳上の姉でした。
4年前、同じ五木さんの舞台で太川さんと共演させていただいたときも、太川さん目当てに和歌山から上京して来たほどの熱心さです。妹としては、一度でいいから太川さんに会わせてあげたいところですが、さすがに姉が太川さんのファンなんです……とは言い出せず……。
千穐楽(せんしゅうらく)近くになってこっそりカミングアウトしたときに、「なぁんだ。だったら早く言ってくれればよかったのに」とおっしゃってくださった言葉が、今も気持ちのどこかに残っています。
10月31日に大阪・新歌舞伎座で幕を開けた『五木ひろし60周年記念「花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛」』は、笹野さん、太川さんのほかにも、六代目 神田伯山さんの語りなど見どころ満載。ぜひ、ご覧いただければ幸いです。
ーーえっ!? わたしですか?
ここだけの話ですが、なんと! 驚くなかれ、10代の娘の役で出演させていただいています(苦笑)。えっ!? さすがにそれは無理がある?
…………ですよねぇ、モゴモゴモゴ(笑)。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新アルバム『想いびと』が好評発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋
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