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『あのクズを殴ってやりたいんだ』岡崎紗絵の恋愛フラグにウンザリ!“当て馬” 同士を適当に引っつけるの、もうやめん?
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.19 11:00 最終更新日:2024.11.19 11:00
ほんの2分程度の短いシーンだったが、恋愛ドラマの “悪習” がぷんぷん臭う展開にウンザリさせられた。
奈緒主演で、11月12日(火)に第6話まで放送されているラブコメドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)。
市役所勤めで真面目な性格のほこ美(奈緒)が、女と遊びまくっているクズなカメラマン・海里(Kis-My-Ft2・玉森裕太)に騙され、もてあそばれるところから物語がスタート。
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ほこ美は海里を殴ってやるためにボクシングを習い始める。だが、かつて海里は将来有望なボクサーだったものの、試合で対戦相手を死なせてしまった過去がきっかけでクズ堕ちしたという事情を知り、再び彼に惹かれていく展開。
第5話ラストで、ほこ美が海里に好きだと告白し、第6話ラストで海里もほこ美を好きだと告げて、今夜放送の第7話では正式に交際開始した2人が描かれるようだ。
■「当て馬」キャラ同士の恋愛フラグが立った!
第6話ラストで主人公の恋が無事に実ったわけだが、ここで注目したいのは、第6話の中盤で挿入された2分程度の短いシーン。
ボクシングジム会長の娘で、ほこ美のトレーナーをしているゆい(岡崎紗絵)と、ほこ美の先輩で同じ市役所に勤めるエリート公務員の奏斗(小関裕太)が、ばったり歯科医院で出会って会話を交わす。
顔見知り程度だった2人が、ゆいが購入していた恋愛本をきっかけに、軽く恋愛トークをする流れに。奏斗が「ずっと片想いしてるだけで踏み出す勇気もないんです」と、つい本音を語るなどして、2人の距離が縮まる様子が描かれた。
それまでさほど接点のなかったキャラクター同士の交流は、本作のメインストリームから外れるシーンなわけだが、わざわざ挿入されたということは、つまり、ゆいと奏斗に “恋愛フラグが立った” と考えるのが妥当だろう。
ただ、問題なのは、ゆいは海里に片想い、奏斗はほこ美に片想いしていること。第6話時点で、ゆいはもう身を引いてほこ美に海里を譲っているが、要するにゆいと奏斗は「当て馬」キャラ同士だったのだ。
■令和のいまは恋愛至上主義が煙たがられるご時世
恋愛ドラマの長い歴史を振り返ると、メイン2人がカップル成立したあとに、失恋したライバルキャラ同士がいつのまにか付き合っているという展開は枚挙にいとまがない。
脚本家からすると、人気の高い当て馬キャラにも幸せなラストを用意してあげたいという、親心や視聴者サービスのつもりなのかもしれない。
けれど、正直もうその安易なカップリングにはほとほとウンザリ。
失恋したけどすぐに次の恋が見つかるという展開は、表面的にはその当て馬キャラにとってハッピーエンドのように見えるが、はたして本当にそうなのか。
“あまり者” 同士を雑に引っつけただけで、ろくに恋愛感情の機微も描かれず、取ってつけたような恋愛成就は、むしろ脚本家にそのキャラクターへの愛情が欠如しており、軽視しているようにさえ思える。
1990年代ぐらいであれば、恋愛ドラマ全盛期だったのでそういった強引なカップル成立も勢いで押しきれたのだろうが、令和のいまは恋愛至上主義が煙たがられるご時世。
失恋した人気キャラに、ちょうど都合よく同じく失恋した異性キャラがいるからといって、新たな恋のお相手としてあてがってやるのは、登場人物の人格を無視しているように感じるし、視聴者をバカにしているようにも感じる。
取ってつけたような幸せを押しつけられることは、そのキャラにとって逆に不幸なのではないか……。
――今夜の放送は第7話。物語が終盤に突入していくわけだが、当て馬キャラだったゆいと奏斗が彼氏彼女になるという、食傷気味な “悪習” を踏襲しないことを祈るばかりだ。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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