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中森明菜 『TATTOO』カバーは“恩人作曲家”も「ネットニュースで知りました」7年ぶり表舞台に「野外フェス」を選んだ胸算用
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.09 06:00 最終更新日:2024.12.09 06:00
歌姫の7年ぶりの完全復活が着々と進んでいる――。
12月7日にNHK『伝説のコンサート 中森明菜 1991』が再放送され、大みそかにはYouTubeチャンネルでセルフカバー曲を公開する予定だという。また、12月29日と来年1月5日にはTOKYO FM「ASKA Terminal Melody」にゲスト出演が決まっているのだ。
2017年にディナーショーを開いたのを最後に鳴りを潜めた彼女だが、2022年に個人事務所「HZ VILLAGE」を設立するなど、徐々に表舞台への発信を始めていた。そして2024年7月にはディナーショーを行い、多くのファンの前で歌声を披露した。
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それから約半年――。11月20日、香取慎吾のデジタルシングル『TATTOO (feat. 中森明菜)』が発売され、オリコンデイリーチャート1位、ウィークリー7位を記録した。彼女の大ヒット曲でもある「TATTOO」の作曲家、関根安里氏はこのカバーについて、次のような感想を語った。
「オリジナルよりも少しテンポを上げて、ノリノリな感じでしたね。明菜ちゃんは、ものすごく考えて歌っている感じがしました。語尾の使い方とか、やっぱり上手いなぁと思いましたね。明菜ちゃんはキーが低くてウィスパーだから、独特の世界観があります。香取くんと同録だったそうですが、これは歌が上手い明菜ちゃんだからできたことだと思いますよ」
レコーディング現場のオフショットなども動画で公開され、ファンは歓喜の渦に。さらに、2025年4月に大分で開催される「ジゴロック2025」への出演も発表された。次なる“生歌唱”の舞台に中森が選んだのは、まさかの野外フェスだったのだ。
「中森さんは今年4月、YouTubeでヒット曲をジャズアレンジにして5曲公開し、本格的な活動を開始しました。7月にはファンクラブ限定でイベントを開催。会場である『コットンクラブ』でも、ヒット曲を同じくジャズアレンジで披露しました。50代になり、歌のアレンジをジャズに振り切ったのは大正解だったと思います。体調に不安を抱える中森さんが、しっとり歌う大人の世界を見せられるわけですから。ミドルレンジに魅力がある歌声も、しっかり届く。激しいダンスも不要なので、ある意味、自然体で歌えるわけです」(音楽関係者)
その場に居合わせたファンは、当時をこう振り返る。
「もう大興奮でした。チケットは約7万円でしたが、もっと高くてもよかったですよ。長年のファンですが、私にとっては彼女が歌っていることというより、ファンの前に姿を現わしてくれたことが何より嬉しかった。その気持ちは、現場にいた他の方々も同じだったはずで、中森さんが出てきた時にはすでに涙を流している方も多くいました。
ディナーショーに駆け付けたのは、主に50~60代のファン。驚いたのは、声が全く衰えていなかったことです。それから、MCの様子もかつてと全く変わりませんでしたね。彼女はライブでは、私生活や時には下ネタもあけすけに話すことで有名なのですが、この時も少しエッチな内容に触れていましたよ(笑)。さらには自分のことを、『もう還暦のおばちゃんだから』なんて自虐していて、『ああ、明菜ちゃんだな』と感慨深くなりました」
当日、観客に配られたという中森直筆のメッセージカードを見せてもらうと、そこにはびっしりと“クセ”のある彼女の文字が。「……」を多用した文面からは、ユーモアを交えたMCとは裏腹に、彼女が抱いていたであろう久々の表舞台での緊張と覚悟が伝わってくる。
この日のセットリストは、YouTubeで公開された『スローモーション』『BLONDE』『北ウイング』『ジプシークイーン』などが中心だった。だが、次なる舞台はディナーショーのしっとりしたイメージとは程遠い、野外フェスだ。
「もし、舞台に合わせたセットリストになるのであれば、ジャズではなくロックになります。シングルでのヒット曲『DESIRE‐情熱‐』『少女A』『TANGO NOIR』『TATTOO』などのほか、ギタリストの北島健二さんがアレンジで参加したロックアルバム『Stock』もあり、セットリストはロック一色でも可能。艶のあるジャジーな歌声から一転して、ロックなお姉さんの姿を見せてくれるかもしれませんね」(音楽ライター)
前出の関根氏は、推測にすぎないがと前置きしつつ「明菜ちゃんは、ファンのためにできることは何かないかと、ずっと考えていたんだと思う。香取くんとのデュエットもそうだけど、今の時代、新曲やアルバムをリリースすることがすべてではないので。彼女は、このフェスでもサプライズを用意しているんじゃないかな」と期待を込める。しかし、なぜフェスへの参戦を決めたのだろうか。
「本来、中森さんは全国のアリーナツアーができるほどの集客力を持っています。ただ、心配されているのが体調面です。ライブだと体力が必要だし、彼女の歌に対するこだわりは相当なものなので、いいパフォーマンスができる限界点がどこなのか、という問題もある。そういった意味では、多くのアーティストが参加するフェスだと、1ステージ4~6曲程度でいいので、『肩慣らし』にちょうどいいのかもしれません。
もう一つ気になる点を挙げるなら、フェスは自身以外のファンが集まるため、舞台装置などを含めて個人の世界観を表現するのにはあまり向いていません。歌声とその場の“温度”で勝負するしかないんです。こうした環境に中森さんがどれくらいフィットするかは、結構なギャンブルだと思いますが、今の彼女であれば問題ないでしょう。エンジンはあったまってきたとみて間違いありません」(前出・音楽関係者)
ここをクリアすれば、いよいよ新曲、音楽番組への出演や全国ツアーへの期待が高まる。だが、それでもなお懸念が残るという。
「中森さんの音楽活動に対し、レコード会社が関わっていないのです。通常、アーティストの宣伝・広報的な窓口は所属レコード会社が担うものですが、現在、中森さんの事務所が主体となって動いています。自分たちでできる範囲内での活動に絞っているのかもしれません」(同前)
こうした事情からか、複数の音楽関係者に取材しても彼女の動向はなかなかつかめない。実際、彼女と仕事をしたことがある音楽関係者に現在も何か仕事をしているかと問うと、「何も言うなと言われているので……」と本誌に口を濁した。前出の関根氏も、注目を浴びた香取のカバーについて、こんな驚きの事実を語ってくれた。
「『TATTOO』のカバーは、ネットのニュースで知ったんです(笑)。びっくりしましたね。作詞家の森由里子からも連絡もらったけど、『私も知らなかった』と言っていました」
中森が所属する事務所「HZ VILLAGE」に問い合わせると、今回の香取の「TATTOO」のカバーに関しては「香取慎吾様側からお話をいただきまして、弊社としては、大変貴重な機会をいただき感謝するとともに、中森明菜のファンのみなさまに対しては、『感謝の気持ち』を届けたいという思いで進めておりました」と回答。そのうえで「弊社の情報管理 (守秘義務)の方針として、業務情報をステークホルダー以外に口外することはいたしませんので、結果として『親しい音楽関係者の間でも知らないサプライズ』になっている状況だと考えます」と舞台裏を明かした。
歌姫の表舞台への完全復帰は、恩人にさえも“内緒”のようだ。
( SmartFLASH )