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1日はなぜ24時間なの?『チコちゃんに叱られる!』の解説に違和感続々「正しい回答」を別の専門家に聞いた
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.13 06:00 最終更新日:2024.12.13 06:00
11月29日に放送された『チコちゃんに叱られる!』(NHK)で、「なんで、1日は24時間なの?」という疑問が取り上げられた。
番組内では、チコちゃんが「月が地球にブレーキをかけているから」と答えを明かし、国立天文台の小久保英一郎教授がその仕組みについて、解説した。
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しかし、放送後、X上で《1日はなぜ24時間か?って質問が悪いよ》《1日が24時間の説明じゃなかった あれはクレームが来てもおかしくない》《月がブレーキをかけてるからって説明じゃ答えになってないんじゃない?》と疑問の声が相次いでしまった。
芸能記者が、こう話す。
「番組では、地球の自転が月によって左右されているという解説だったのですが、『24時間』と質問していることから、時間の定義がどうやって決められているかの解説を期待した視聴者が多かったようです」
はたして、『チコちゃんに叱られる!』の説明は適切だったのか。番組とは別の専門家として、山口大学の「時間学研究所」藤澤健太所長に話を聞いた。
藤澤所長はこう話す。
「番組をリアルタイムで視聴していました。小久保教授の回答は非常に見事で感心しました。地球の自転に月がブレーキをかけているメカニズムを正確に説明なさっていて『なるほどなぁ〜』と思いながら見ていました。
しかし、人間のものの考え方やとらえ方は違うので、『1日がなぜ24時間なの?』と問い質されたら、思い浮かべる回答はいくつかあってもおかしくないとは感じましたね」
番組で小久保教授が解説した「月が地球にブレーキをかけているから」については、「約46億年前、地球ができたばかりのころの自転速度は1日5時間程度と今よりもずっと速く回っていたと考えられます。それが、24時間とゆっくりになってきたのは、月の潮汐力が働くからです。月の潮汐力が働いて地球の回転にブレーキがかかる、というのは小久保教授の説明のとおりです」と、理解を示した藤澤所長。
そして、考えうる別の「回答」をいくつか披露してくれた。
「1日を24分割して、小さい時間の単位にする考えは古代エジプト時代からあります。古代エジプトにおいては、1日を昼と夜に分けて、それぞれを12等分していました。
なので、チコちゃんの質問に対して『古代エジプトでは1日を24時間に分ける制度が作られ、採用されていました。ヨーロッパ人がその仕組みを輸入して採用、日本もそのシステムを明治6年以降、取り入れたから』と答える人もいると思います。
では、なぜ『古代エジプトで “24” という数字が採用されたの?』という疑問を持つ人もいるでしょうね。これはよくわかっていません。
一方で、1日と1秒は定義が違います。1日は太陽が東から昇り、西に沈んでいくという動きに合わせて作られた時間ですが、現在、世界の多くの国で採用されている1秒の定義は原子時計によっています。1967年に決められた定義では、『セシウム133原子の基底状態の2つの超微細構造準位の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間』というものです。
この定義の違いから、『なんで、1日は24時間なの?』という質問を『太陽がもとになっている1日という時間が、セシウム原子がもとになっている1時間のちょうど24倍といえるのか』の解説を求めた質問だととらえた人もいるかもしれません」(藤澤所長、以下同)
多忙な毎日や趣味などに没頭したい人からすると、「24時間」という1日の長さ自体に疑問を持つことがあるかもしれない。
「そんな心理から(1日が長く感じるなどの)人間の感情と時計の関係を聞いているのかな?』と考えた視聴者もいるかもしれませんね。
また、1日を『24時間』という数字で分けた意味を問うことも可能です。人類の歴史を振り返ったり、世界のさまざまな民族の生き方を知ったりすると、『時間を数字で表す』という現代の意識が、むしろ珍しいものだとわかります。
家畜の牛の生活リズムが時間の基準になっている民族もいますし、日本でも時計を見ながらスケジュールを考えるような生活スタイルは、最近になって一般的になったものです。そのため『なんで現代に生きる日本人は、1日を24という数字で分けなければならないのか?』という質問にとらえてもおかしくありません」
今回に関しては、どうやらあまりに哲学的な問いだったようだ。
( SmartFLASH )