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【史上初公開】今期ドラマの「職業別視聴率」食業界で『大奥』が好まれ、不動産業者が『光る君へ』を視るワケ【2024年ベストスクープ】
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.15 06:00 最終更新日:2024.12.15 06:41
石川・能登半島の大地震が元日に起きるなど、波乱の幕開けとなった2024年も残すところあと半月をきった。大谷翔平の結婚秘話、この世を去った著名人の感動エピソード、芸能人の熱愛・離婚から大物政治家の不倫まで……。SmartFLASHが報じたさまざまなスクープのなかから、とくに反響の大きかった記事をピックアップしてあらためて紹介する。
(以下は、2024年2月23日に配信した記事の再掲載です。年齢は当時ママ)
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「2020年ごろまでは視聴した世帯の割合を調査する『世帯視聴率』を重視していたテレビ業界ですが、最近はより厳密な『個人視聴率』が計測できるようになり、さらに、視聴率計測サービス『TVAL』には、モニターとなる視聴者の属性までが登録されている。これにより、年齢・性別・職業などさまざまな条件で、さらに細分化した視聴率まで算出できるようになりました」
こう語るのは、元NHK局員で「次世代メディア研究所」代表の鈴木祐司氏(65)だ。鈴木氏が算出したのが、史上初公開となる「職業別ドラマ視聴率」だ。今回は、「TVAL」のなかでも特に統計の多い5業種と、「役員・管理職」などを合わせた計9ジャンルで視聴率を計測した。
「個人視聴率を指標として、そこから各業種でどれだけ数値に差があるかを見ていくと、各ドラマがどの業種で “ハネて” いるのかがわかります。たとえば、今期ドラマ中、個人視聴率がトップの『さよならマエストロ』(TBS系)ですが、特に高い業種が宿泊・飲食業で10%超え。接客業なので、客との話題作りのため、トレンドに敏感なことが窺えます。役員・管理職の視聴率も個人視聴率より高くなっており、その年代の男性たちは、西島秀俊さん演じる『娘に拒絶される父』に、自分を重ね合わせているのです。
同じTBS系の『不適切にもほどがある!』は営業職で伸びている。阿部サダヲさん演じる主人公が『チョメチョメ』などの過激な単語を連発するので、雑談から入る営業トークにもってこいなのでしょう。TBSは、毎クールヒットを続ける日曜劇場を始め、ドラマに関しては『一人勝ち』状態ですが、ワンクールで放送するのは、先に挙げた2本に加え、火曜10時枠の恋愛ドラマの3本。それでも各作品とも毛色がまったく違うので、刺さる職業や年代が違う。すべての視聴者に、いずれかの作品が刺さるようにドラマを作る、局の戦略がわかります」
職業間での数字のばらつきが大きいのが、大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。特に、教育関係では大きく上がり、不動産業でも伸びている。
「教育関係者は『謎の多い紫式部の生涯を知りたい』『平安時代を勉強したい』と興味を持つ人が多いようです。不動産業界の数字がいいのは、平安時代の寝殿造りや、当時の町並みや建物が新鮮に見えたのかも知れませんね。今回の大河はCGを多用した昨年とは違い、セットに力を入れているといいますから、それが功を奏したのかも知れません」
個人視聴率が2%台と厳しい数字の『大奥』(フジテレビ系)は、宿泊・飲食業で5%台にハネている。
「これはなかなか興味深い数字でした。今回の『大奥』はSNSで “過度ないじめ” などと評されていますが、宿泊・飲食業の方々は、最近問題になっている『カスハラ』など、理不尽なことが多いのでしょう。主人公に、客のクレームに耐え忍ぶ自分を重ねているのだと思います」
特定の職業がテーマの “お仕事ドラマ” では、明暗が分かれた。『正直不動産2』(NHK)は不動産業で微増の一方、『となりのナースエイド』(日本テレビ系)は医療・福祉関係で大きく伸びている。
「『正直〜』は嘘がつけなくなった不動産営業マンが、言いにくいことも正直に話して接客をおこなう。同業者は『こんなのはありえない』と思っているのでは(笑)。『となりの〜』は医療界のヒエラルキーに対して、川栄李奈さん演じるナースエイドが異議申し立てをしていきます。日ごろから、職場に不満を抱えている医療関係者は、スカッとした気分になるのでしょう」
職業別に “刺さる” ドラマは違うのだ。
写真・田中昭男、長谷川 新、伊藤 修
( SmartFLASH )