菅田将暉の主演映画、地上波初放送で「脚本家」の名に視聴者が抱いた“複雑な反応”いまだ残る『セクシー田中さん』問題の“深刻さ”

 

　1月4日、菅田将暉が主演を務めた2023年公開の映画『ミステリと言う勿（なか）れ』が、フジテレビ系で地上波初放送された。

 

　同作は、『月刊フラワーズ』で連載された、同名漫画が原作のミステリーだ。

 

　菅田演じる主人公は、天然パーマのもじゃもじゃ頭がトレードマークの大学生。さまざまな事件に巻き込まれるも、独特の視点とおしゃべりで謎を解き明かし、登場人物の悩みも解決する、というのがお決まりのストーリーだ。

 

【関連記事：菅田将暉『ミステリと言う勿れ』作品は素晴らしいが最終話だけ「50点」だった3つの理由】

 

「もともとこの作品は、2022年にフジテレビ系の『月9』枠で連続ドラマ化され、漫画の主人公キャラクターに瓜ふたつな、アフロヘアーの菅田さんの飄々とした演技が好評でした。

 

　映画版は、松下洸平さんや町田啓太さん、鈴木保奈美さん、柴咲コウさんといった豪華な俳優陣が出演し、興行収入48億円を記録する大ヒットとなりました」（芸能記者）

 

　そんな人気作が地上波で初めてノーカット放送されたということで、視聴者からもおおむね好評だったようだ。

 

　しかし、Xでは《ミステリと言う勿れ。。。脚本家は例のお方か》《正月に複雑な気持ちになっちゃう》《脚本家の名前で真顔になってしまった》と、複雑な反応も多く見受けられた。

 

　ドラマと映画、ともに『ミステリと言う勿れ』の脚本は相沢友子氏が務めていたが、そのことが理由のようだ。

 

　相沢氏は、玉木宏が主演した2008年のドラマ『鹿男あをによし』を始め、「嵐」の大野智が主演した2012年のドマラ『鍵のかかった部屋』、剛力彩芽が主演した2013年のドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』（いずれもフジテレビ系）など、多くのドラマ脚本を手がけてきた有名脚本家だったが……。

 

「相沢さんは2023年、芦原妃名子さんの人気漫画をドラマ化した『セクシー田中さん』（日本テレビ系）の第1話から第8話までの脚本を担当しました。

 

　しかし、第9話と第10話の脚本が急遽、原作者の芦原さんに変更となったことについて、相沢さんは2023年12月に自身のInstagramで《脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わる形となりました》と、不満をほのめかす投稿をしたのです（投稿は削除済み）。

 

　これによって、一時は芦原さんに批判が向き、2024年1月26日、今度は芦原さんが自身のXで、ドラマの放送終了まで脚本家と会わず、監督やスタッフと内容について直接、話せなかったことを告白。

 

“原作改変”がSNSで波紋を呼ぶなか、1月29日に芦原さんが逝去しました。こうした経緯もあり、騒動の“発端”になったと言えなくもない相沢さんと、ドラマ化した日本テレビが批判される事態になったのです」（前出・芸能記者）

 

　相沢氏は2024年2月、Instagramで《頭が真っ白になりました。そして今もなお混乱のなかにいます》と芦原さんの逝去にコメントし、その後、アカウントを削除した。まもなく1年が経つが、騒動は現在も、多くの人の心に暗い影を落としている。

 

「相沢さんは映画『ミステリと言う勿れ』の脚本を最後に、目立った仕事はしていません。今回、初めて映画が放送されましたが、芦原さんが亡くなって、ちょうど1年経とうか、という時期だったこともあり、一連の騒動を思い出した人もいたのだと思われます。

 

　日本テレビは、この件で社内特別調査チームを発足させ、2024年7月、芦原さんとのあいだにミスコミュニケーションがあったことをあらためて謝罪し、テレビ業界が漫画のドラマ化を見つめ直すきっかけになりました。ただ、今回の『ミステリと言う勿れ』に対する反応を見る限り、この問題を視聴者がいまも深刻に受け止めている様子がうかがえます」（同前）

 

　視聴者が過去の作品を観る気持ちまで変えてしまうほどの、大きな事件。二度とこうしたことが起きないことを祈るばかりだ。

 

【日本いのちの電話】
ナビダイヤル　0570-783-556（午前10時〜午後10時）
フリーダイヤル　0120-783-556（午後4時〜午後9時、毎月10日は午前8時〜翌日午前8時）

( SmartFLASH )