エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

上川隆也『問題物件』は駄作なのか傑作なのか? これだけ “人を選ぶ” ドラマは珍しい【ネタバレあり】

エンタメ・アイドル
記事投稿日:2025.01.22 11:00 最終更新日:2025.01.22 11:00
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
上川隆也『問題物件』は駄作なのか傑作なのか? これだけ “人を選ぶ” ドラマは珍しい【ネタバレあり】

 

 

 これはかなり “人を選ぶ” ドラマだ。

 

 1月15日(水)にスタートした上川隆也主演の『問題物件』(フジテレビ系)は、一風変わった……いや、だいぶ特殊な不動産ミステリー

 

 

 ポルターガイストや失踪、ゴミ屋敷といった不動産物件で起こる奇怪な事件の謎を、不動産調査をする犬頭光太郎(上川)が解決していくストーリーで、第1話は住人が次々と自殺してしまういわくつきの事故物件の謎に挑んだ。

 

 まぁ、そもそも視聴者は十人十色で好き嫌いがあるので、どんなドラマも人を選ぶと言えば人を選ぶのだが、この作品はとりわけドハマりできる人といっさい没入できない人を分けるように思う。

 

 前クールに同じフジテレビ系の同枠で放送された『全領域異常解決室』は、主要キャラが「神様」だという斜め上の設定で人を選ぶドラマだったが、『問題物件』は、ある意味、それ以上だ。

 

■「住んだら必ず死ぬ部屋」のトリックは?

 

 第1話は、住んだ人間が5人連続で自殺している「必ず死ぬ部屋」の調査。呪いかなにかの心霊現象が疑われたが、犬頭が見事にトリックを見破り、真犯人を突き止めて、めでたしめでたし。

 

 ネタバレをすると、1人めの住人は本当にただの自殺だったものの、2人めの住人は真犯人の恨みを買って毒殺されたというのが真相。ただ、密室トリックがかなり大味に感じられた。

 

 その部屋の窓が古いため鍵の建て付けが悪くなっており、大きな振動が起こると閉まってしまうのだが、真犯人はマンション前で工事があり大型重機が稼働することを知っていて、その振動で密室を完成させたというもの。正直、なんじゃそりゃ……と思ってしまった。

 

 そして3人め、4人め、5人めの自殺もけっこう強引なトリックだったので、この時点で受け付けないという視聴者もいたかもしれない。ただ、シリアスな作風ではなくコメディ色が強い作風なので、これぐらいブッ飛んだトリックでもエンタメ的には成立しているとも考えられる。

 

■主人公の正体は犬だった!?

 

 しかし、そんな大胆なトリック以上に “人を選ぶ” ドラマだと思わせるのが、上川演じる主人公・犬頭のキャラクターだ。結論から言うと、どうやら「犬」(=犬が化けた姿)っぽいのである。

 

 犬頭は黄色のジャケットをトレードマークとしたうさん臭い男。

 

 抜群に頭が切れる天才的な推理力の持ち主という点は、ミステリー作品の主人公としてオーソドックス。だが神出鬼没でいきなり現れたり、かと思えばいつのまにか消えていたり、異常なほど聴覚がよかったりと、超情的な行動をして人間離れしている。

 

 ある主要キャラが飼っている「犬太」という愛犬が黄色い服を着ているため、「犬頭=犬太」説が濃厚。ちなみにこれは筆者の考察ではなく、制作側の意図した “演出” として、そう思えるように描かれている。

 

 つまり、主人公が「犬」というファンタジー設定を受け入れられるかどうかが最大の分水嶺。

 

「犬」設定を受け入れられなければトンデモな駄作と思ってしまいそうだが、受け入れられれば痛快なエンタメ作品として最高に楽しめるはず!

 

 ――今夜放送の第2話は「ポルターガイストが起こる部屋」。またしてもオカルト疑惑のある物件のようなので、どんなブッ飛んだトリックや結末が用意されているか、そして主人公は本当に「犬」なのか、いまから楽しみだ。

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る