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【中居正広問題】「損害は500億円を超える」フジテレビへCM出稿を続けるスポンサー28社を直撃
中居正広が女性と起こしたトラブルをめぐり、フジテレビに多くの批判が寄せられている。
「中居さんと被害を受けた女性を引き合わせたきっかけに、社員の関与が報じられているフジテレビですが、当初は一貫して、トラブルについていっさい関与していない、という姿勢を貫いてきました。ところが、1月17日に同社の港浩一社長が開いた会見で、一転して、第三者の弁護士を中心とする調査委員会を設置し、調査することを発表しました。しかし、ほとんどの質問に対し回答を拒否したため、50社以上が次々とスポンサーから撤退しています。その影響でCMが急遽、差し替えられ、番組の合間に流れるCMの多くが『ACジャパン』となる異常な事態です。
スポンサーサイドとしては、自社の宣伝をするために流しているのに、下手をすれば『フジテレビを擁護するのか』と自社に“飛び火”しかねない状況です。撤退もやむなしでしょう」(社会部記者)
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フジテレビにとっては今後のスポンサー収入が減るばかりでなく、“出費”まであるという。フジテレビ管理部門の現役社員が疲れ切った表情でこう明かす。
「じつは、すでにスポンサーへの返金を始めているんですよ。現在、放送されている『ACジャパン』の動画は、スポンサーが『差し替えしてくれ』と依頼しているもので、すでに受け取っている現在のCM料金について、うちが返金する義務は生じません。
しかし、港社長は会見で、中居さんと女性の間にトラブルがあったことを2023年6月初旬には把握していたことを明かしました。となると、不利益事実を隠して広告契約を結んでいたともいえます。もしスポンサーサイドが訴えてきた場合、うちに瑕疵責任があり、契約そのものが取り消し可能になるかもしれない、というのが、うちの法務部の見解です。2023年6月以降の契約をすべて返金するとなると、とてつもない金額になる。であれば、騒動になった1月以降の分を返金するということで、納得してもらうほうがいいんです」
だが返金を終えても、このままでは“お先は真っ暗”だ。
「フジテレビの場合、特定の番組のスポンサーとなる『タイムCM』は、6カ月契約で2カ月前に契約をかわします。いまは4月クールの契約時期ですが、このままではたいへんなことになりますね。地域や時間帯だけを指定する『スポットCM』と合わせて、放送収入は2024年の4〜9月にかけて合計、712億円の売り上げがありました。これらの多くが吹き飛び、返金もしなければならないとすると、損害は500億円を超えるかもしれません」(社会部記者)
フジテレビとしては、一刻も早く今回の問題を収束させ、スポンサーに納得してもらう必要がある。だが、こうしたあせりが裏目に出ている。
「港社長が、設立する第三者委員会について、日弁連の厳しい基準でなく、自社基準にしようとしたのも、なるべく早期に調査結果を出して幕引きにしたかったからです。しかし、これにも批判が殺到し、結局、1月23日に開かれた臨時取締役会で、日弁連の基準で設置することを決めました。上層部からは広告収入について『30%減に抑えろ』と言われていますが、スポンサーに『第三者委員会の結果を見てから決めたい』と言われれば、返す言葉がありません」(前出・社員)
ただ一方で、クライアントが“全滅”したわけではない。本誌が1月22日に確認した時点では、55社以上がCMを放送していた。本誌がCM出稿を継続する理由と今後の予定を確認したところ、1月24日までに28社から回答があった。
「現在のフジテレビをめぐる一連の報道内容等を総合的に勘案し、来週以降のCM出稿に関しましては差し止めることといたしました」(エアトリ)
「当学園では出稿停止の申し出をすでにおこなっており、1月23日分より停止しております」(ドワンゴ学園)
「弊社では当面の間フジテレビで放映するTVCMをACへ差し替えております」(ロート製薬)
「フジテレビをめぐる一連の報道内容等を総合的に勘案し、当面の間、予定していた同局でのCM出稿を停止する決定をいたしました。当社グループは、すべての人間の尊厳と権利を尊重することが企業にとって重要な責務と認識しています」(アートネイチャー)
など、本誌の取材後にCMを差し替えた企業が複数あったものの、
「本件につきましては、回答を差し控えさせていただきます」(DINOS CORPORATION)
「社内で検討いたしまして、今回は無回答とさせていただきたく存じます」(龍角散)
「各社様のご判断等の情報は報道を通じて把握しております。一連の状況は引き続き注視しておりますが、現段階での当社の見解・対応につきましてはお答えを差し控えさせて頂きます」(ニトリ)
など、今後もCM出稿を継続させる可能性をにおわせるような企業もある。前出のフジ社員はこう語る。
「日枝久相談役と個人的につながりのある財界人もいますからね。たとえばニトリ会長の似鳥昭雄氏などは、故・安倍晋三元社長を囲む会で昵懇の間柄になったとされます。
フジテレビの“帝王”として、いまでも隠然たる力を持つ日枝相談役ですが、もともと女子アナをスポンサー企業との会合に駆り出すことは、日枝さんが編成局長時代にさんざんやっていました。“アイドル女子アナ”の元祖とされる有賀さつきさん、河野景子さん、八木亜希子さんなども、日枝さんが社長に就任した1988年ごろから注目を集めるようになりました。
今回の一件で、真っ先にやり玉にもあげられるべきなのですが、一方で貴重なスポンサーをつなぎとめるという点では、日枝さん頼みになってしまう。非常に難しいですね」
公明正大な改革を経て、スポンサーを募ってほしいところだ。