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【中居正広問題】フジ・日枝久氏 組合の要望無視の“無言出勤姿”世論に背を向けた“絶対権力者”の今後
クーデターから33年。いよいよ“絶対権力者”が追放の憂き目に遭うかもしれないーー。
中居正広が女性と起こしたトラブルをめぐり、幹部社員の関与が報じられ、多くの批判が寄せられているフジテレビ。経営陣の責任を追及する声が止まらない。
「中居さんと被害を受けた女性を幹部社員が引き合わせたと報じられているフジテレビですが、当初は、トラブルにはいっさい関与していない、という姿勢を貫いてきました。ところが、1月17日に港浩一社長が開いた会見では、第三者の弁護士を中心とする調査委員会を設置し、一連のトラブルについて調査することを発表しました」(社会部記者)
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だが、この会見に参加できたメディアは限られ、多くの質問に対して回答を拒否するなど消極的な姿勢が目立った。結果的に、多数のスポンサーがCM出稿を中止するなど、火に油を注ぐ結果となった。
「1月27日、あらためてオープンな会見を開く予定ですが、その前に臨時の取締役会を開くそうです。焦点は役員の進退ですが、港社長の退任はほぼ決定的。一連の騒動による損害は500億円ともいわれており、続投したところで納得できる株主はいないでしょう。
メディア関係者の間で注目されているのは、日枝久相談役の動向です。というのも、フジテレビ単体に限らず、フジ・メディア・ホールディングスの役員の人事権を握るのは“絶対権力者”である日枝氏だということことは、知られた話だからです」(経済ジャーナリスト)
日枝氏は、1988年6月にフジテレビの代表取締役社長に昇任。1992年には取締役会で、創業家出身でフジサンケイグループ会議の議長だった鹿内宏明氏を追放する“クーデーター”を起こしたことで知られている。
「以来、長年にわたりフジサンケイグループの“帝王”として実権を握りました。2017年にはフジ・メディア・ホールディングス代表取締役会長兼CEO、フジテレビ代表取締役会長を退き、取締役相談役となりました。ただ、隠然とした力は現在も持っています。
たとえば今回、次々とスポンサーが撤退するなか、ニトリはCMを継続していますが、これは会長の似鳥昭雄氏と昵懇の間柄だからだろうといわれています。財界に顔がきくため、メインバンクとのやり取りも日枝氏頼りだと聞いています。本当の意味でフジテレビが生まれ変わるためには、日枝氏の退任は不可欠です」(同前)
だが、1月23日に開かれた取締役会に出席するため、自宅から出てきた日枝氏は、メディアからの質問にいっさい答えることなく、高級車の後部座席に涼しい顔をして座っていたーー。
まるで退任する気配は見えないが「組合の要求も“無視”されましたよ」と語るのはフジの組合関係者だ。
「一連の騒動に対し、組合も積極的に経営陣に働きかけているんです。1月24日には『意見書』として『日枝久取締役相談役を含む取締役全員が1月27日の会見に出席すること』を要求しました」(組合関係者)
ところが、メディア各社に配られたリリースによると、フジテレビサイドの出席者は、港社長に加えてフジ・メディア・ホールディングス代表取締役会長の嘉納修治氏と、フジテレビ取締役副会長の遠藤龍之介氏、フジ・メディア・ホールディングス代表取締役社長の金光修氏のみ。日枝相談役の名前は記載されていない。
「こちらの意見書は無視、ということですよ。あくまで相談役だから、という理由かもしれませんが、日枝氏がとてつもない影響力を持っているのは、誰もが知るところ。27日の会見を通じて、視聴者からの信頼を取り戻したいのであれば、出席は必要です」(同前)
中居のトラブルに続いて報じられた“女子アナ接待問題”も、元をたどれば日枝氏にたどり着くと証言するのは、元フジテレビ社員だ。
「女子アナを“接待要員”としてスポンサー企業との会食に連れていくのは、編成局長時代の日枝氏の得意技でした。有賀さつきさん、河野景子さん、八木亜希子さんを売り出し、“アイドル女子アナブーム”を作ったのも日枝氏が社長に就任したタイミングです。
逆にいえば、いまの日枝氏には、世間で何が問題視されているのかわからないかもしれません。下手な発言をされるよりは出席しないほうがまし、という考えでしょうか。
今回の問題を受け、アナウンス室の社員の多くが組合に加入したと聞いています。このまま日枝氏が居座り続ければ、これまでの経営陣の“所業”について次々と告発が出てくるかもしれません。さっさと辞めてもらうのが、いちばんの解決です」
これ以上、晩節を汚す必要もあるまいにーー。