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芳村真理が語る「スターかくし芸大会」西城秀樹が見せた神業
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.01.25 11:00 最終更新日:2018.01.25 15:01
年末のテレビといえば『NHK紅白歌合戦』と『日本レコード大賞』(TBS)。暮れが『紅白』と『レコ大』なら、お正月は『新春スターかくし芸大会』(フジテレビ)と『欽ちゃんの全日本仮装大賞』(日本テレビ)だった。
『かくし芸』で長らく司会を務めた芳村真理(82)が思い出を語る。
「逸見政孝さんと、『おもしろくて司会どころじゃないですよね』って言ってたのを覚えてる。
たとえば西城秀樹さんがね、あるとき流鏑馬をすることになって。走る馬に乗って的に矢を当てるんだから、大変なのよ。秀樹さんは忙しくて練習する暇もない。たしか水戸のほうの神社でやったんだけど、忙しい暮れのさなかに浜辺でちょっと練習して、すぐ本番。そしたらなんと一発で的中したの!
神主さんがあとで神社の人を呼び集めて『あの人はさっき砂浜で練習しただけで、馬から的に当てたじゃないか。お前たちは、今まで何やってたんだ!』って本気で怒ったって。よくやったって、涙が出たわ」(芳村)
『かくし芸』といえば、堺正章(71)の名人芸が毎年見ものだった。
「曲独楽、テーブルマジック、テーブルクロス引き。普通はプロの人が何十年かかってやることを、マチャアキはせいぜい何カ月間の練習でやるの。もうスタジオ中がしーんとして、マチャアキの芸に見入るのよ。全部1回でピシャリ。やり直しなんてなかったもの。あれはマチャアキの真骨頂でした。あのころは、みんな考えられないくらい、真剣にやってた。その先頭に、マチャアキがいたの」(同前)
ワタナベエンターテインメント会長の吉田正樹氏(58)は、フジテレビのプロデューサーとして『かくし芸』にたずさわった。
「50年近い歴史のなかで、20年近く関わりました。ライバルは『紅白』。1年の締めくくりが『紅白』なら、年始は『かくし芸』。見えないところに時間とお金をかけた、本格的な番組でした。
たとえば、リハーサル室にマッサージの先生を2カ月近くずっと呼んでいた。堺正章さんをはじめ、出演者は稽古するだけで体がボロボロになるから。マッサージの先生のギャラだけでも、莫大にかかった」(吉田氏)
予算はふんだんにかけた。
「映画『インディ・ジョーンズ』のパロディをやるためだけにエジプトの砂漠に行き、ピラミッドが見える場所にオーケストラを呼んで、映画のテーマ曲を演奏させたそうです。
別の海外ロケでは、貸し切りにしたヘリから船に若手俳優がロープをつたって飛び移り、そばに浮かべてある漁船が爆発する。こういうロケは、国内だと許可が出ないんです。
10分から15分のコーナーに、お金をかけてました。CGもない時代なので、実際にやるしかなかった。番組全体では、ちょっとした映画2、3本分の制作費をかけていたと思います。いまは、それだけの時間とお金をかけられなくなりました」(同)
(週刊FLASH 2018年1月2・9日合併号)