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小説家デビューしていた国生さゆり 「恋人より仕事」だった自分に訪れた変化と、私生活を彩る“趣味”

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記事投稿日:2025.02.01 06:00 最終更新日:2025.02.01 06:05
出典元: 週刊FLASH 2025年2月11日号
著者: 『FLASH』編集部
小説家デビューしていた国生さゆり 「恋人より仕事」だった自分に訪れた変化と、私生活を彩る“趣味”

小説はコロナ禍のときに書き始めたという(写真・福田ヨシツグ)

 

「男の人も年を重ねるごとに体調に不安を感じたり、精神的に不安定になったりすると思いますが、私も50歳を前に体の調子がすぐれず、ネガティブな面ばかりをすくいあげるようになって……。そんな自分を変えたいけど、どうしたらいいのか悩んでいた時期がありました」

 

「変化は、ほかの誰かや時を待っているだけでは訪れない」と言ったのは、第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ氏。

 

「家族より、友達より、恋人より仕事」

 

 なによりも仕事を大事にしてきた国生さゆりが求めていた変化は、11年前ひょんなことからやって来た。

 

 

「当時のマネージャーが猫を飼っていて。仕事の合間に、一緒に猫のご飯を買いに行ったんですが、そこで出会ったのが、ブリティッシュショートヘアのブルーでした」

 

 一目惚れしたわけではない。

 

「ロシアンブルーだと勘違いした私は、目がブルーじゃなく飴色で、たぬき顔のブルーを見て、私が連れて帰ってあげないとダメだと思い込んでしまったんです(笑)」

 

 2度の結婚と破局を経験し、ネガティブの塊となっていた国生のもとに、猫のブルーが癒やしと、前向きに生きるきっかけを運んできた。

 

「まず取り組んだのは食生活を見直すことです。といっても、体質改善ではなく“自分らしく”と“素直なカラダ”を大切にして、専門家の方と一緒にスーパーに行き、アドバイスをいただきました」

 

 血液検査の結果、大好きだった麦類は消化するとき体に負担がかかり、浮腫みやすい体質だとわかると、品種や食べ方を工夫するようになった。

 

「なるべく季節のものを取るように心がけたり、外食を減らして自炊するようにしたりです。ひとつひとつは小さなことですが、それが積み重なって体の不調はなくなり、心にも余裕が生まれました」

 

 人前で泣くなんて恥ずかしくて無理! と信じて疑わなかった自分は霧散し、声を上げて泣けるし、友人に弱音を吐けるようにもなったという。

 

「次が断捨離ですね。若いころは、欲しいものは頑張ってお仕事をして手に入れるというのが価値観のひとつだったので、家具や洋服を誰かに譲ったりするのは抵抗もありましたが、思い出は自分の記憶に残せばいいと思い直して。今、私の部屋は、新卒で東京に出てきた男のコのようなお部屋です(笑)」

 

 洋服やアクセサリーには、甘い思い出も、せつない思い出も詰まっていた。

 

「これを着ていたとき、好きだった男性とお食事をしたとか、これをつけていたとき『きれいだよ』と言ってもらったとか。そういうことも全部いい記憶として頭の中にしまい込むことで、新しい何かが始まるような気がしたんです」

 

 仕事以外の趣味で私生活を充実させたい。そんな思いで新しく始めたのが華道だ。

 

「“こうしてほしい”という花の声を聞きながら、自分の個性も生かす。華道は奥が深いし、同時に人としての道…時候の挨拶や優しさだったり、そういうことを学ぶ時間がすごく愛おしくて」

 

 女のコだからお花が好きというのもあったんですけどねと、かわいらしい笑みを浮かべた国生が今、華道以上に夢中になっているのが――。

 

「コロナ禍のときに書き始めた小説です。構想だけはあって、誰かにまとめてほしいと思っていたのですが、マネージャーに箇条書きでもいいのであらすじを書いてみてください、と言われたのがきっかけでした」

 

 小説は書いたことがない。書けると思ったこともない。それでも、書き始めるとやめられなくなった。

 

「テレビドラマや映画の台詞、歌の歌詞など。琴線にふれた言葉をメモ帳に書き留めました。表現力も語彙力もない自分のポンコツぶりに何度も泣きながら、それでもなんとか完成させられたのは、このメモ帳のおかげです」

 

 ヒソモノであるそのメモが、増えるごとに小説がカタチとなっていった。こうして完成した特殊戦群が活躍するミリタリーアクション小説『国守の愛』が、『国守の愛〜群青の人・イエーガー〜』としてWebコミック化。1月8日に、LINEマンガやDMMブックスで先行配信がスタートした。

 

「オールカラーなので、背景や靴やバッグの色など、ひとつひとつ細かいところまで、私のこだわりが反映された、すごく……じゃなくて、ものすごくおもしろい素敵な作品になりました。感想を送っていただけると嬉しいです」

 

 国生が紡ぎ出した物語は小説からマンガに。ひょっとするとアニメ、映画と、さらなるマルチメディア化が進むかもしれない。

 

こくしょうさゆり
1966年12月22日生まれ 鹿児島県出身 高校在学中、『オールナイトフジ』(フジテレビ系)の美少女コンテストで優勝。これを機に『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)で「おニャン子クラブ」の一員となる。1986年2月『バレンタイン・キッス』で、CBSソニーよりレコードデビュー。1987年にグループを卒業後は、女優として映画、テレビドラマを中心に活躍

 

写真・福田ヨシツグ
取材&文・工藤 晋
メイク・島田真理子
ヘア・Masato
スタイリスト・富田育子
衣装・Jouete

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